その日が来る前に、
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#401 [愛華]
それからは常に梓が一緒。
イジメは止まらず、だんだん
ひどくなってはいったけど
梓がいてくれたから
耐えていられたし、
トイレに連れ込まれる、なんて
漫画で出てくるような
陰湿なものもなかった。

隆則には黙ったまま。
これも……間違いだったんだ。

事件が起こったのは……
登校再開から二週間後。
寒い寒い冬のまんなかの日
それは起こった。

⏰:10/07/26 16:53 📱:840SH 🆔:VJ1QiRnE


#402 [愛華]
「えぇ!?風邪ひーたの?」

「うん…ごめんね。
だから今日は学校行かない方が
いいと……思うんだけど」

梓が風邪をひいた。
梓は学校には行かない方がいい
と言うけれど……

「大丈夫だよ?ひとりでも。
一日だけだし」

「違う!!あいつらは……
……どうしても行くならタカに
話してからにして。
話したくないなら行かないで」

⏰:10/07/27 23:34 📱:840SH 🆔:JLD/blEM


#403 [愛華]
「わかったから。
だから梓、今日はやすんで」

そう言って電話をきった。

……結局あたしは甘えっぱなし。
誰かがいないと何もできない。
頼らなくちゃ何ひとつ……

あたしはそんなのが嫌で。
梓のいったことを聞かずに…
隆則にも何も言わず
学校へ向かった。

相沢と京極は……
この瞬間を待っていたんだ。

⏰:10/07/27 23:38 📱:840SH 🆔:JLD/blEM


#404 [愛華]
教室に入ると、いつもと同じ
空気が流れた。

でも、そのすぐ後
梓がいないことに気づいた
クラスメイトたちが
ひそひそ話し出した。

……やなかんじ。
梓がいなきゃ学校に来れない
とでも思ってるの?
…あたしはそこまで弱くない。

⏰:10/08/01 00:16 📱:840SH 🆔:myjYJc7Q


#405 [愛華]
ふと隣を見ると、そこには
相沢と京極がいて、ばっちり
目が合った。
その時の二人の笑みがたまらなく
気持ち悪かった。


1時間目の授業はひどく
憂鬱なものだった。

梓がいないから……不安なんだ。
でも今日は。あたしひとりで
頑張らなきゃ。

⏰:10/08/05 11:12 📱:840SH 🆔:dbuhEPfI


#406 [愛華]
ドカッ!!!


………何が起こったの。

あたしの机が吹っ飛ばされた。

「……来てよ、白石」


…………きた。

⏰:10/08/05 11:14 📱:840SH 🆔:dbuhEPfI


#407 [愛華]
「この前のあれ、何??」

おなじみのトイレに連れ込まれ
京極と相沢の尋問が始まる。

トイレの中には他にも八人
くらいの女子がいた。

「何ってなにが??」

「あんた、あたしたちに
逆らったら…どうなるか
わかってる?……わかんないよね
退院したての那佑ちゃんは」

⏰:10/08/05 11:19 📱:840SH 🆔:dbuhEPfI


#408 [愛華]
「友達が目の前でいじめられて
んのに黙ってろって?」


「ここではね。でもあんたは
あたしらに背いた。
どうなるか……わかるよね?」

「何いって……」

次の瞬間、腹部に重い痛みが
走って、あたしはうずくまった。

⏰:10/08/05 11:24 📱:840SH 🆔:dbuhEPfI


#409 [愛華]
「げほ、げほっ」

「あはははははー」

笑い声。誰の?あたしじゃなくて
ほかのひと。ほかのひと?


あたしの周りにいる女子は
悪魔のような顔で笑ってた。

……ふざけんな。


あたしは京極の顔を殴った。
人を殴るのは初めてだった。

⏰:10/08/05 11:28 📱:840SH 🆔:dbuhEPfI


#410 [りいさ]
いい話しですね!頑張って下さい☆

⏰:10/08/05 16:51 📱:SH004 🆔:☆☆☆


#411 [愛華]
>>410
りいささん、
ありがとうございますF
頑張ります

⏰:10/08/05 18:55 📱:840SH 🆔:dbuhEPfI


#412 [愛華]
殴った手が痛い。
人はどうしてこんなに
冷たくなれるの。
こんなことをして今日が終わって
明日、もし自分が死んだら
あなたたちは後悔しないの?
しょうがない、で納得できるの?

「………なにすんのよ」

⏰:10/08/05 19:06 📱:840SH 🆔:dbuhEPfI


#413 [愛華]
相沢と京極は鋭い目で睨む。

「先に手だしたのはそっち。
こんなくだらないことして…
恥ずかしくないわけ?
ガキじゃあるまいし」

「…なんだとこのアマ!!」


手を振り上げた京極を相沢が
制した。

⏰:10/08/05 19:45 📱:840SH 🆔:dbuhEPfI


#414 [愛華]
「……よーくわかった。
ここでは、あたしらがルール。
本当は速水が先のつもり
だったけど……あんたでいーや」

相沢が見下すように言った。

あたしが……先?
なんの話?

あたしが疑問を抱いていると
女子たちはトイレから
ぞろぞろとでていった。

⏰:10/08/05 19:53 📱:840SH 🆔:dbuhEPfI


#415 [愛華]
ピンと張り詰めていた空気が
解ける。
あたしはズルズルと
しゃがみ込んだ。
殴られたお腹がチリチリと痛む。


「……いったぁ…あんにゃろ…」

……よかった。…お腹で。

あたしは自分の胸に手を当てた。

⏰:10/08/05 21:39 📱:840SH 🆔:dbuhEPfI


#416 [愛華]
トクン…トクン…

いつもより速い鼓動。
ちゃんと動いてる。
生きてる。あたしは生きてるんだ

自分のことは自分で守る。
この心臓は……今は絶対に
止めない。
絶対に絶対に動かし続ける。

⏰:10/08/05 21:52 📱:840SH 🆔:dbuhEPfI


#417 [愛華]
今になって梓の言葉を
聞かなかったことを後悔した。


………長い長い一日が終わろうと
していた。


帰りに梓の家に行こうかな。
なんか持って行って、
今日のこと報告して
謝らなきゃ。

⏰:10/08/05 21:55 📱:840SH 🆔:dbuhEPfI


#418 [愛華]
鞄をもって校門から出た。
少し歩くと、前に二つの
人影が見えた。


「…京極。相沢も…なんか用?」


「………」

相沢は何も言わずに近づいてきた


「なんのよ……」

バツンッッ

⏰:10/08/05 22:05 📱:840SH 🆔:dbuhEPfI


#419 [愛華]
〜梓side〜

⏰:10/08/06 00:13 📱:840SH 🆔:JBnrBytI


#420 [愛華]
久しぶりに大カゼをひいた。
ぶっちゃけ超きつい。

京極と相沢は、あたしと那佑が
バラバラになる時を狙ってる。
那佑が一人になるのを
狙って…


京極と相沢は、いじめたいから
誰かをいじめてるだけ。
彼氏をとったとかどーだとかは
いじめる為に必要な
ただの『理由』に過ぎなかった。

⏰:10/08/06 00:19 📱:840SH 🆔:JBnrBytI


#421 [愛華]
だから、あの日もあたしは
無視しようとした。
だけど、それを那佑がかばった。
……『理由』ができてしまった。

いじめの対象は那佑になった。
でも、今回はいつもの
京極と相沢のイジメと違った。

……なにか、とんでもないことを
企んでる。それがわかった。

でも、それを那佑に言うと
不安がると思った。

⏰:10/08/06 00:24 📱:840SH 🆔:JBnrBytI


#422 [愛華]
だから言わなかった。
久しぶりに手に入った自由。
那佑からそれを奪うのは…嫌。

今は、タカの大切な人だから…
とかじゃなくても
那佑が大切。

だから…那佑が黙っててって
言ったから。

タカにも言わなかった。

⏰:10/08/06 00:28 📱:840SH 🆔:JBnrBytI


#423 [愛華]
「……もうそろそろ放課後か」


あれだけ言ったんだから
学校には行ってないはず。
……京極、相沢はどこまで
那佑にやるつもりなんだろう。
頭に水をかけたぐらいで…
どこまでやる?


急に寒気がした。

……なに?なんか……やなかんじ
やな予感がする。

⏰:10/08/06 00:34 📱:840SH 🆔:JBnrBytI


#424 [あんちむ]
>>1-200
>>201-300
>>301-400
>>401-500
>>501-600
>>601-700
>>701-800
>>801-900
>>901-1000

⏰:10/08/06 02:04 📱:SH903i 🆔:TlkjgAYE


#425 [愛華]
>>424
アンカありがとーございますF

⏰:10/08/06 09:17 📱:840SH 🆔:JBnrBytI


#426 [愛華]
プルルルル……


……お願いだから出て。
那佑………おねがいだよ。


プルルルル………


こんなにコールしてるのに出ない
……出られない?

⏰:10/08/06 09:19 📱:840SH 🆔:JBnrBytI


#427 [愛華]
あたしは那佑の家に電話した。

「ガチャッ……もしもし」

「白石さんのお宅ですか?
那佑ちゃんのクラスメイトの
速水梓といいますが、
今日、那佑ちゃんは?」

「那佑なら学校へ行って
まだ帰ってきてません…けど」

「………!!」

……学校へ……行ったんだ。

⏰:10/08/06 09:23 📱:840SH 🆔:JBnrBytI


#428 [愛華]
「那佑に……那佑になにか
あったんですか!?」

「違いますよ、ちょっとした
行き違いです。失礼しました」


ガチャン!!
あたしは電話を置くと
コートを着て、すぐに学校へ
向かった。

⏰:10/08/06 09:26 📱:840SH 🆔:JBnrBytI


#429 [愛華]
お願いだから……


学校へ着くとたくさんの人が
学校から出てきた。
みんなが私を見る。
そんなのどうでもいい。

必死に那佑を探していると、
クラスメイトの一人が
出てきた。京極と相沢には
なんにも関わっていない。

「……ねぇ!!」

「……梓!!そんなカッコで…
どうしたの…?」


「今日……那佑は?」

「………」

この顔。なにか知ってる。

⏰:10/08/06 09:33 📱:840SH 🆔:JBnrBytI


#430 [愛華]
「……お願い、教えて」

「さっき……京極と相沢と
車に乗ってどっかいったのを
教室から見てたけど」


頭が真っ白になった。
クラスメイトになにも言わずに
学校を飛び出した。
真冬のはずなのに
真夏のように体が熱い。

⏰:10/08/06 09:38 📱:840SH 🆔:JBnrBytI


#431 [愛華]
那佑……那佑……

どうしよう、あたしのせい。
那佑はどこに連れてかれた?
見当もつかない。

あたしが……あたしが……
こんなことなら、タカに
話していればよかった。
タカ……タカ…?

あたしはハッとして
携帯電話をとりだした。

⏰:10/08/06 11:44 📱:840SH 🆔:JBnrBytI


#432 [愛華]
〜那佑side〜

⏰:10/08/06 11:46 📱:840SH 🆔:JBnrBytI


#433 [我輩は匿名である]
>>344-500

⏰:10/08/07 01:00 📱:P03A 🆔:☆☆☆


#434 [愛華]
>>433
ありがとうございます

⏰:10/08/07 09:53 📱:840SH 🆔:IZUKH.O6


#435 [愛華]
…………何?
話し声がする。
誰の声だろう?男の人の声だ。
でも…………隆則じゃない。


「…………ん……」

「あ、起きたじゃん。
れなーみさとー起きたぞ」


れな…みさと…?
どこかで聞いた名前。
聞きたくもなかった名前。

⏰:10/08/07 10:06 📱:840SH 🆔:IZUKH.O6


#436 [愛華]
「ったく遅いっての」

目の前には京極と相沢、
4人の男の人がいた。

………なに、これ。

「京極……どういうこと?」

「あの学校ではね、あたしたちが
ルールなの。あんたたちは
それを破ったから。
ちょっと痛い目にあわせないと
いけないでしょ?」

⏰:10/08/07 10:11 📱:840SH 🆔:IZUKH.O6


#437 [愛華]
言っている意味がわからない。
理解できない。

この部屋には窓がなくて
ここがどこなのかさえ
わからない。

………怖い。怖い。怖い。
あたし……何されるの…?

⏰:10/08/07 10:14 📱:840SH 🆔:IZUKH.O6


#438 [愛華]
「…ちょっと痛い目みなよ」

男の人たちが近づいてくる。
あぁ…私、今から……

やっと、これからされる事を
理解できた。
不思議と心は冷静で。
でも、体は正直で。

「やだ!!来ないで!!やだ!」

敵わないってわかってる。
でも、やだ。やだよ。
隆則じゃなきゃやだよ。

⏰:10/08/07 10:23 📱:840SH 🆔:IZUKH.O6


#439 [愛華]
必死に暴れた。
隆則!隆則!たすけてよ!

「おとなしくしてねぇと
腹殴るぞ」

「………!!」

ドクン…ドクン…

やだ。やだ。やだ…………

⏰:10/08/07 11:34 📱:840SH 🆔:IZUKH.O6


#440 [愛華]
「じゃ、あと頼むね?
それなりにメチャメチャに
してあげて」

そういうと、京極と相沢は
部屋からでていってしまった。

「手加減できるかなぁ〜」

ひとりの男が不気味に笑い、
指をポキポキならした。

………気持ち悪い。

⏰:10/08/07 15:32 📱:840SH 🆔:IZUKH.O6


#441 [愛華]
ドクン…ドクン……
胸が痛い。苦しい。

「お願いだから…
やめて……ください……」

涙が勝手にこぼれる。

「ごめんねぇ、だめなんだー
…君かわいいね。なるべく
優しくしたげるよ、なるべくね」

ぎゃははは、と男たちが笑う。

⏰:10/08/08 12:29 📱:840SH 🆔:f7HhVWu6


#442 [愛華]
………もう、ダメか。

あたしの中で、ぷっつりと
何かが消えた。

「……なんでもすればいい」

「あー?なんか言った?」

「あんたたちなんか怖くない!!
どんなことしたって、あたしは
怖くない!!死なない!!」

どんなことがあったって、私は…
絶対生きてやる。
未来に絶望なんかしない。

⏰:10/08/08 12:34 📱:840SH 🆔:f7HhVWu6


#443 [愛華]
「あっそー」

ひとりの男が、あたしの上に
覆いかぶさってきた。
他の男たちは部屋から
でていった。

「終わったら呼べよー」

「はいはいー」

男は、あたしの涙をぺろっと
舐めた。寒気がした。

⏰:10/08/08 12:37 📱:840SH 🆔:f7HhVWu6


#444 [愛華]
……あたし、ヤられるんだ。


神様は意地悪だなぁ。
たった一つの願い。

『大好きな人と最期まで…』


たったひとつだけなのに。


私が汚れちゃっても………
隆則はそばにいてくれる?
そんな保証、ある?

頭がぼーっとする。
………ごめんね、隆則。

⏰:10/08/08 12:48 📱:840SH 🆔:f7HhVWu6


#445 [愛華]
「………なにしてんの」


男の後ろから声がした。
聞き慣れた声。
愛しい愛しい人の声。


「………なんだてめぇ」

「隆則………?」

⏰:10/08/09 11:23 📱:840SH 🆔:CX9fj47k


#446 [愛華]
「順番待てよな、まだ俺のば…」

男が話し終わる前に、
隆則が男を後ろに殴り倒した。


「……なっなにす………」

隆則はそのままあたしのところに
来て、ゆっくり立ち上がらせて
くれた。

⏰:10/08/09 11:27 📱:840SH 🆔:CX9fj47k


#447 [愛華]
「ごめんな」

隆則はそうつぶやいた。
震えた小さい声。

「お前なんなんだよ…」

「……あのさ、廊下にいる
男たち連れて早く逃げたほうが
いいよ」

「………んだと?
ざけてんじゃねーよコラ」

⏰:10/08/09 11:31 📱:840SH 🆔:CX9fj47k


#448 [愛華]
「言ってる意味、わかんない?
お前らコレ犯罪だからね?
あと10分もしないうちに
ケーサツ来るよ。いいの?」

男が焦ってるのがわかった。
隆則の手が温かくて、
あたしはぎゅーっと握った。

「下手な喧嘩はしたくないしさ
穏便にすまそうや。ダメ?」

「………わかったよ」

男は扉に走りだした。

⏰:10/08/09 11:35 📱:840SH 🆔:CX9fj47k


#449 [愛華]
「あ、忘れ物」

そう言うと、隆則は男の顔面を
思い切り殴った。

ドカッ!!!

鈍い音が響いた。
下には歯が2、3本
転がっていた。

男が声を出せずうめいていると、

「あと、コレ指示した女にも
言っとけ。次はねぇぞ。
女も………お前らも」

⏰:10/08/09 11:41 📱:840SH 🆔:CX9fj47k


#450 [愛華]
「………ふ……」

「わかる?わかんない?どっち」

隆則は男の頭を持ち上げた。

「わ……わかりまふ……」

「ん。じゃーいーよ。行け」

男は逃げるように部屋から
でていった。
そのあとの足音から
ほかの男も逃げていったのが
わかった。
……相沢と京極もいったのかな。

⏰:10/08/09 11:46 📱:840SH 🆔:CX9fj47k


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