その日が来る前に、
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#344 [愛華]
「まぁ梓ちゃんだからできた友情
でもあるな。
他のやつだったら逆恨みとか
で終わるだろ、多分。
梓ちゃんも那佑ちゃんも…
お前は恵まれてるよ。
大切にしてやれよ。本気で」
何度も同じことゆーなよな。
今になって梓の気持ちがわかる。
きっと大切にするよ。
ううん、絶対に。
:10/07/20 23:06
:840SH
:XDy/QIZQ
#345 [愛華]
長谷が帰って一人で那佑を
待っていた。
「大切にしてやれ」
長谷はそう言った。
梓もそう言った。
大切にしているつもりだ。
でも、なにかが足りない。
出会ってからの時間がまだ短い
から君の全てを知らないんだ。
:10/07/21 00:53
:840SH
:5gF9MWWw
#346 [愛華]
とは言っても、出会って半年。
君との時間はあっという間だ。
「おまたせー」
色々考えていると、那佑が来た。
初めて私服を見る。
初めて病院の外で会う。
「………おぅ」
うわ、声裏返った!
何緊張してんだ自分…
小学生じゃあるまいし。
:10/07/21 01:04
:840SH
:5gF9MWWw
#347 [愛華]
那佑はワンピースを着ていて
細い脚をだしていた。
ほそっ!!折れるぞ、あんなん…
とか冷静に思ってる自分がいた。
「長谷さんと会ってたの?」
「ん?あぁ。一昨日ロスから
帰国してな」
「どーせ暇つぶしに
呼んだんでしょ?長谷さん
疲れてるのに……」
:10/07/21 01:09
:840SH
:5gF9MWWw
#348 [愛華]
「出張だったっけ?」
「そ。半年前のこと話してた」
色々話したあと店をでて
少し歩いた。
退院したての那佑を気遣い、
その日は帰ることにした。
今日からいつでも会える。
会いに行けるんだ。
:10/07/21 01:13
:840SH
:5gF9MWWw
#349 [愛華]
横をゆっくり歩く那佑。
うまく歩調を合わせる。
凛と背筋を伸ばして歩く
那佑の姿はたまらなく
綺麗で……
正直、こんな綺麗だったっけ、
と思った。
ずっとこうして歩きたかったんだ
那佑とならんで。ふたりで。
影がかさなる。
冬が来て……
新しい日々が始まる。
:10/07/21 01:19
:840SH
:5gF9MWWw
#350 [愛華]
〜那佑Side〜
:10/07/21 01:20
:840SH
:5gF9MWWw
#351 [愛華]
久しぶりの外の世界。
景色が違って見えた。
ちょっとだけ
未来が明るく照らされた気がした
あたしには隆則がいる。
初めて親友と思えた梓もいる。
居場所はちゃんとある。
だから大丈夫。大丈夫だよ。
私はまだ……強くいられる。
:10/07/21 20:31
:840SH
:5gF9MWWw
#352 [愛華]
梓は
「タカの大切な人は
あたしにとっても大切なんだ。
あたしは那佑を支えたい」
そう言ってくれた。
隆則をまだ好きなことが
痛いほど伝わってきた。
だから精一杯生きようと思った。
隆則の笑顔のために。
:10/07/21 20:35
:840SH
:5gF9MWWw
#353 [愛華]
「ただいま」
「あ…那佑おかえり!!
今日はごちそう用意したの。
三人でお祝いしましょ?」
「那佑。席につきなさい」
……またか。べつにいーのに。
「いらないよ。あたし疲れたから
もう寝るね。明日学校だし」
「あ…そっか…おやすみなさい」
バタン!!
:10/07/21 20:40
:840SH
:5gF9MWWw
#354 [愛華]
あれから何も変わらない。
何も。
変わったのはあたしだけ。
お母さんとお父さんを拒絶
しつづけて……
ふたりの傷ついた顔も見飽きた。
傷つけばいい。
苦しめばいい。
あんたたちなんか、私が苦しんだ
何倍も………何十倍も。
:10/07/21 20:45
:840SH
:5gF9MWWw
#355 [愛華]
あんたたちが病気のあたしを
おいてアメリカに戻ったあと
あたしがどんなに苦しんだか
きっと一生わからないでしょ?
あの一年は……あたしにとっての
闇そのものだった。
助けをもとめても誰も
助けてくれない。地獄の日々。
あたしは真っ暗闇の道を
一人で歩いてきたんだ。
それを望んだのはあたし自身。
:10/07/21 20:52
:840SH
:5gF9MWWw
#356 [愛華]
あなたたちなんか頼らない。
絶対に……頼らない。
あたしの心にはまだ……
深い傷跡が残っていた。
でも隆則には言わない。
これはあたしが望んで
自分でつけた傷だから。
:10/07/21 20:56
:840SH
:5gF9MWWw
#357 [愛華]
……朝日がまぶしい。
朝だ。
今日から…新しい日々が始まる。
クローゼットにしまったままの
パリパリの制服。
それに身を包むと、
自分でも、よくわからない
気持ちが溢れてきた。
不安と期待。
……ちゃんと上手くできるかな。
:10/07/21 21:37
:840SH
:5gF9MWWw
#358 [愛華]
「那佑!おはよう。
朝ごはん食べたらお母さんが
送ってあげるから」
「いいよ。歩きたいから」
「そっ……か」
罪悪感。でも心は痛まない。
かばんを持って外に飛び出した。
いつもと違う朝。
青空が限りなく広がってて
雲が近く見える。つかめそう。
:10/07/21 21:49
:840SH
:5gF9MWWw
#359 [愛華]
「がんばんなきゃ…」
自分で自分に喝を入れる。
通学路を歩いていると
後ろからドンっと誰かが
ぶつかってきた。
「おーはよっ!那佑!
びっくりしたぁ?」
「梓!おはようー」
梓は心配して、わざわざ
遠回りして迎えにきてくれた
みたい。
……悪いことしちゃったかな。
:10/07/21 22:00
:840SH
:5gF9MWWw
#360 [愛華]
「那佑あんた制服似合うねぇ」
「そう?ありがとー」
「同クラだから一緒に
教室行こ?久しぶりだから
わかんないっしょ?」
「うん。ありがとー」
梓の心遣いが嬉しかった。
学校に入るとこれでもか、
ってくらいの視線が刺さる。
:10/07/21 23:36
:840SH
:5gF9MWWw
#361 [愛華]
「…あれって白石…でしょ?」
「なんで今さら…ったのかな?」
おーおーなんか言ってるな(笑)
でも気にしない。
正直ヒソヒソ話されるのは
嫌だったけどね?
ガラッ
教室に入ると視線が集まる。
みんな穴があくほどあたしを
見つめる。
ぶっちゃけ名前なんて覚えてない
:10/07/21 23:55
:840SH
:5gF9MWWw
#362 [愛華]
「那佑、気にすんなよ。
席つきな」
「…んー?うん」
……じろじろ見んなよ。
刺さるような視線の中
朝のホームルームが終わり
あたしは職員室へ向かった。
そこには担任の尾川先生がいた。
:10/07/22 00:18
:840SH
:nv6xPfQQ
#363 [愛華]
「おー久しぶりだなぁ白石。
調子はどうだ?」
「悪くないです。
先生も元気そうで安心しました」
先生だけは何も変わらずに
接してくれた。
それが何より嬉しかった。
「ご両親から話は聞いてるよ。
周りの目も気にはなるだろうが
すぐ慣れる。気にするなよ」
「……ありがとうございます」
あたしは職員室をでた。
:10/07/22 20:46
:840SH
:nv6xPfQQ
#364 [愛華]
いつもと違う日。
時間がたつのが遅く感じる。
……隆則に会いたいなぁ…
そんなことを考えてるうちに
お昼になった。
お昼になっても周りの視線は
消えないまま……
正直、疲れる。
聞きたいことあんなら聞けばいい
言いたいことあんなら言えばいい
:10/07/22 20:54
:840SH
:nv6xPfQQ
#365 [愛華]
「那佑、ごはん食べよーか?」
「あーうん。そうだね」
「疲れてるっぽいけど大丈夫?」
「大丈夫だよ!ほら食べよ」
梓に無理矢理笑顔を見せ
さっき購買で買ったパンと
お茶を取り出した。
:10/07/22 21:00
:840SH
:nv6xPfQQ
#366 [愛華]
二人でご飯を食べていると、
前から二人の女子が
近づいてきた。
見るからにケバい感じ。
化粧が濃くて、近くにくると
香水のキツイ臭いがした。
「白石……だっけ?
ちょっとどいてくんない?」
ひとりの女子が言った。
髪はロングで巻いてる。
猫みたいな感じ。
:10/07/22 21:13
:840SH
:nv6xPfQQ
#367 [愛華]
「はぁ?どーゆー意味?
ご飯食べてんじゃん?」
あたしが言うと、もうひとりの
女子が、
「あんたが何で速水と仲いい
のか知らないけど。
あんたに用ないから。
速水に用があんの。」
とイライラした様子で言った。
こっちの女子はショートのボブ。
ピアスの穴が5個くらい空いてる
これまたケバい。
:10/07/22 21:20
:840SH
:nv6xPfQQ
#368 [愛華]
あたしは、二人の態度と
周りの女子、男子の反応を見て、
この二人がこのクラスの
女子のリーダーだということが
わかった。
「…なに?あたし あんたらに
なんかしたっけ?」
あたしが何かを言う前に
梓が口を開いた。
その瞬間。
ガンッッ!!!
:10/07/22 21:37
:840SH
:nv6xPfQQ
#369 [愛華]
「とぼけてんじゃねーよ!!
あんた、あたしの彼氏に手ぇ
だしただろーがよ!!」
ショートの女子が机を
蹴っ飛ばし、怒鳴る。
あたしはビビったけど
梓は微動だにしない。
「……手ぇだす?
あたしは告られただけ。
んで振っただけ。
手なんか出すわけないじゃん。
自分の非を人のせいにしないで」
ガンッッ!!
:10/07/22 21:41
:840SH
:nv6xPfQQ
#370 [愛華]
梓の言葉が気に障ったのか
今度はロング女子が椅子を
思い切り蹴っ飛ばす。
……公共物〜大事にしてよ〜
「ここまで来て言い訳?
マジむかつくんだけど」
……ムカつくのはあんたたちだよ
あたしは心の中で呟いた。
あたしがどーにかできる
問題じゃないと悟った。
:10/07/22 21:46
:840SH
:nv6xPfQQ
#371 [愛華]
「今、那佑とご飯食べてるから。
話なら後にしてよ」
「んなわけねーだろ!!
それなら白石、どっかいけよ
邪魔なんだよ!!」
……はぁ!?
…………やば、限界くるぞー
:10/07/22 21:53
:840SH
:nv6xPfQQ
#372 [愛華]
「白石もさぁ、こんな奴と
つるむなよ。
久しぶりに来て無理矢理
友達にさせられた感じ?」
「病気の那佑ちゃんに
優しいフリしてるだけだって」
教室がざわつく。
…こいつら…どこまで知ってる?
なんで知ってる?
:10/07/22 21:56
:840SH
:nv6xPfQQ
#373 [愛華]
あたしは無言で二人を睨んだ。
……なんで?
ほとんど初対面のあんたらに
なんでそこまで言われなきゃ
ならないわけ?
「…那佑は関係ないでしょ?
てか、こんなとこで……
馬鹿なんじゃないの?」
パンッ!!
ショート女子が梓の頬を
ひっぱたいた。
教室は騒然。
:10/07/22 22:20
:840SH
:nv6xPfQQ
#374 [愛華]
あたしの病気のカミングアウト、
目の前での女子同士の喧嘩。
そこにあたしが何故か
加わってるっていうことも
クラスのみんなを混乱
させてるんだと思う。
「ムカつくんだよ!!」
ショート女子が梓に掴みかかって
取っ組み合いの喧嘩になる。
さすがにヤバいと、
あたしが止めようとすると…
:10/07/22 22:26
:840SH
:nv6xPfQQ
#375 [愛華]
ドカッ!!
ロング女子が
「黙って見てろ」的な目で睨み、
あたしを突き飛ばした。
クラスメートもどうにもできず
黙って見ているだけ。
…………なにこれ。
そんなにこの二人が怖いの?
あんたたち、あたま おかしいよ
:10/07/22 22:31
:840SH
:nv6xPfQQ
#376 [愛華]
あたしの中の何かがキレる。
それをこらえていると…
「あんたなんか死ねばいい!!」
ショート女子が叫んだ。
…………なんて言った?
シネバイイ?
誰が?
梓が?
………………シネバイイ?
:10/07/22 22:34
:840SH
:nv6xPfQQ
#377 [愛華]
「………ふざけんなよ!!」
あたしは気がつくと叫んでいた。
その場にあったお茶を
ショート女子の頭にぶちまけた。
「冷たっっ…なにすんのぉ!?」
「何も知らないくせに!!
梓とあたしのことなんか…
なにも知らないくせに!!」
こんなこと言うつもりなかった。
でも本当にムカついた。
ムカついたんだ。
:10/07/22 22:53
:840SH
:nv6xPfQQ
#378 [愛華]
「死ねばいい…?
そんな言葉カンタンに言うな!」
みんなが私を見る。梓も。
でも、今はどうでもいい。
どうでもいいんだよ。
「…こんなことして……
どうなるかわかってるわけ?」
ロング女子が冷めた目で
あたしを見る。
:10/07/22 22:58
:840SH
:nv6xPfQQ
#379 [愛華]
「なんでもすれば?
あたしはあんたたちの何十倍もの
地獄を味わってきたんだ。
本当の恐怖を知らない
あんたたちなんか…恐くない」
そうだよ、恐くなんかない。
あんたたちは知らないでしょ?
朝日を見ることが苦痛になる日々
明日が来ることへの恐怖。
そんな日々から救いだしてくれる
本当に大切な大切な人の存在。
:10/07/22 23:04
:840SH
:nv6xPfQQ
#380 [愛華]
あたしの後ろには隆則がいるの。
だから頑張れるの。
「……行こう」
ショート女子とロング女子は
教室からでていった。
緊迫の空気が解かれる。
クラスメートは何もなかったか
のようにお昼を再開した。
「………なんだよ、こいつら」
:10/07/23 16:42
:840SH
:viZu.MVU
#381 [愛華]
「那佑…ごめんね?
なんか巻き込んじゃって…」
「そんなの別にいーよ。
ってかさ。なんであいつら
あたしのこと知ってんの?」
「…あいつらだけじゃない。
学校の人ほとんどが
噂で那佑の病気のこと知ってる」
:10/07/25 01:05
:840SH
:fMnZyN5s
#382 [愛華]
噂って怖いなって思った。
「あんま心配かけたくなくて
黙ってたの。……ごめん。」
「梓は悪くないよ。
……あたしの余命のことも?」
「それはみんな知らない。
噂も曖昧なもんでさ。
那佑がなんかの病気らしい…って
ことぐらいしか」
梓はひそひそと話した。
:10/07/25 01:09
:840SH
:fMnZyN5s
#383 [愛華]
「さっきのあいつらは?」
「この学年の女子のリーダー。
ショートのほうが
相沢れな っていって、
ロングのほうが、
京極みさと ってゆーの」
学年の女子のリーダーか…
やっかいなやつらに
喧嘩売っちゃったなぁ…
久々の学校なのに(泣)
:10/07/25 01:13
:840SH
:fMnZyN5s
#384 [愛華]
「二人の怒りは完璧
那佑のほうに向いちゃってる
と思う。…なにおこるか
あたしにもわかんない。
でも、あたしが那佑のそばに
いるから」
「……ありがとう。」
久々の学校初日。
これから一波乱おこりそうな
そんな予感がした。
人生って楽にいかないなぁ…
:10/07/25 01:17
:840SH
:fMnZyN5s
#385 [愛華]
その日の放課後。
梓と校門でわかれ、
あたしは隆則と会うために
喫茶店へ向かった。
そこにいたのは…
「えーと……誰?」
「あ?なんだそのボケ」
隆則は髪を真っ黒に染めていた。
:10/07/25 13:03
:840SH
:fMnZyN5s
#386 [愛華]
「な、なにがあったの?」
「金髪だと目立つし、不良どもに
絡まれっからさ。めんどいんだ。
これだと絡まれなくて済むだろ」
あたしは隆則の気遣いがわかった。
あたしが退院して、一緒に
いることが多くなると
絡まれるとことか、あたしに
見られちゃうから。
:10/07/25 13:08
:840SH
:fMnZyN5s
#387 [愛華]
ケンカはしないけど
そーゆーの、あたしに
見られたくないんだよね。
………ありがとう。
それにしても……
「似合うね、黒。金髪より
全然いーよ!」
「マジ?」
:10/07/25 13:11
:840SH
:fMnZyN5s
#388 [愛華]
そう。隆則は黒が似合う。
びっくりしたけど、ほんとに
似合っていた。
……つまり、かっこいいんです。
あたしが見とれていると、
「そんな見んな」と、
デコピンされた。
その時の隆則は顔が赤くて。
でもそれを言ったら、今度は
ゲンコツされそうだったので
やめておいた。
:10/07/25 13:15
:840SH
:fMnZyN5s
#389 [愛華]
「久々の学校はどーだった?」
あ…そうだった。
すっかり忘れてた(泣)
でもあたしは。
「んー普通かな?周りの目は
多少痛かったけどねー」
隆則には黙っておく事にした。
:10/07/25 18:18
:840SH
:fMnZyN5s
#390 [愛華]
心配かけたくなかった
っていうのもあるし。
なにより、隆則にばかり
甘えていたくなかったんだ。
隆則がいなくたって…
自分でまいた種なんだから。
自分でなんとかしなくちゃ。
梓には口止めしておいた。
:10/07/25 18:21
:840SH
:fMnZyN5s
#391 [愛華]
隆則に黙ってることに対して
梓は反対したけど、
あたしの気持ちをわかって
くれたのか、
最後はしぶしぶ了解してくれた。
「明日学校まで迎えにいくか?」
「いーよ、恥ずかしいし。
また連絡するから」
そう言って、その日は別れる
ことにした。
:10/07/25 18:26
:840SH
:fMnZyN5s
#392 [愛華]
バス停まで来ると、隆則が
いきなりぎゅっとしてきた。
「………隆則?
ひと、見てるよ?」
「んーうん……
……なんかあったら言えな?」
「………うん。」
隆則はわかってたんだね。
でも優しいから。
………優しすぎるから。
だから私はいつも甘えちゃうの。
:10/07/25 18:36
:840SH
:fMnZyN5s
#393 [愛華]
次の日。
朝、学校に来ると、女子から
とてつもなく白い目で見られた。
下駄箱へ行くと、靴がなかった。
………予想はしてたけど。
でも、こんなもんで
終わるはずがないのが
高二の女子のイジメである。
:10/07/25 23:13
:840SH
:fMnZyN5s
#394 [愛華]
誰か見てくれてますかー?


:10/07/25 23:15
:840SH
:fMnZyN5s
#395 [りぃ]
見てます\^^/
:10/07/25 23:17
:W65T
:ZJ1NuiSc
#396 [愛華]
:10/07/26 16:33
:840SH
:VJ1QiRnE
#397 [愛華]
教室に行くと、昨日のように
視線が集まる。
でも、昨日とは明らかに
違う冷たい視線。
あたしの机には…
『死ねドブス』『消えろや』
などの言葉。
:10/07/26 16:37
:840SH
:VJ1QiRnE
#398 [愛華]
相沢、京極のほうを見ると
ニヤニヤ笑っていた。
その目は
『まだ、こんなもんじゃないよ』
と言ってるようで
恐ろしかった。
人間って、ここまで冷たい目を
できるんだなぁって。
そんな恐怖を覚えた。
:10/07/26 16:40
:840SH
:VJ1QiRnE
#399 [愛華]
机の落書きを消していると
梓が息をきらして
教室にはいってきた。
「…っ那佑!!
なんで先行ったの!!」
「え…だって梓遠回りに
なっちゃうし……」
「ばか!!ほんとばか!!
これからは絶対ひとりに
なっちゃダメだからね!!」
:10/07/26 16:44
:840SH
:VJ1QiRnE
#400 [愛華]
梓は心配して、こんなにも
息をきらして駆け付けてくれた。
それは嬉しかったし
申し訳なかったけど……
この時、ちゃんと梓の言うこと
聞いていれば
あんなことにならなかったのかな
あたしはまだ相沢と京極の
本当の狂気に
気づいてなかったんだ。
:10/07/26 16:48
:840SH
:VJ1QiRnE
#401 [愛華]
それからは常に梓が一緒。
イジメは止まらず、だんだん
ひどくなってはいったけど
梓がいてくれたから
耐えていられたし、
トイレに連れ込まれる、なんて
漫画で出てくるような
陰湿なものもなかった。
隆則には黙ったまま。
これも……間違いだったんだ。
事件が起こったのは……
登校再開から二週間後。
寒い寒い冬のまんなかの日
それは起こった。
:10/07/26 16:53
:840SH
:VJ1QiRnE
#402 [愛華]
「えぇ!?風邪ひーたの?」
「うん…ごめんね。
だから今日は学校行かない方が
いいと……思うんだけど」
梓が風邪をひいた。
梓は学校には行かない方がいい
と言うけれど……
「大丈夫だよ?ひとりでも。
一日だけだし」
「違う!!あいつらは……
……どうしても行くならタカに
話してからにして。
話したくないなら行かないで」
:10/07/27 23:34
:840SH
:JLD/blEM
#403 [愛華]
「わかったから。
だから梓、今日はやすんで」
そう言って電話をきった。
……結局あたしは甘えっぱなし。
誰かがいないと何もできない。
頼らなくちゃ何ひとつ……
あたしはそんなのが嫌で。
梓のいったことを聞かずに…
隆則にも何も言わず
学校へ向かった。
相沢と京極は……
この瞬間を待っていたんだ。
:10/07/27 23:38
:840SH
:JLD/blEM
#404 [愛華]
教室に入ると、いつもと同じ
空気が流れた。
でも、そのすぐ後
梓がいないことに気づいた
クラスメイトたちが
ひそひそ話し出した。
……やなかんじ。
梓がいなきゃ学校に来れない
とでも思ってるの?
…あたしはそこまで弱くない。
:10/08/01 00:16
:840SH
:myjYJc7Q
#405 [愛華]
ふと隣を見ると、そこには
相沢と京極がいて、ばっちり
目が合った。
その時の二人の笑みがたまらなく
気持ち悪かった。
1時間目の授業はひどく
憂鬱なものだった。
梓がいないから……不安なんだ。
でも今日は。あたしひとりで
頑張らなきゃ。
:10/08/05 11:12
:840SH
:dbuhEPfI
#406 [愛華]
ドカッ!!!
………何が起こったの。
あたしの机が吹っ飛ばされた。
「……来てよ、白石」
…………きた。
:10/08/05 11:14
:840SH
:dbuhEPfI
#407 [愛華]
「この前のあれ、何??」
おなじみのトイレに連れ込まれ
京極と相沢の尋問が始まる。
トイレの中には他にも八人
くらいの女子がいた。
「何ってなにが??」
「あんた、あたしたちに
逆らったら…どうなるか
わかってる?……わかんないよね
退院したての那佑ちゃんは」
:10/08/05 11:19
:840SH
:dbuhEPfI
#408 [愛華]
「友達が目の前でいじめられて
んのに黙ってろって?」
「ここではね。でもあんたは
あたしらに背いた。
どうなるか……わかるよね?」
「何いって……」
次の瞬間、腹部に重い痛みが
走って、あたしはうずくまった。
:10/08/05 11:24
:840SH
:dbuhEPfI
#409 [愛華]
「げほ、げほっ」
「あはははははー」
笑い声。誰の?あたしじゃなくて
ほかのひと。ほかのひと?
あたしの周りにいる女子は
悪魔のような顔で笑ってた。
……ふざけんな。
あたしは京極の顔を殴った。
人を殴るのは初めてだった。
:10/08/05 11:28
:840SH
:dbuhEPfI
#410 [りいさ]
いい話しですね!頑張って下さい☆
:10/08/05 16:51
:SH004
:☆☆☆
#411 [愛華]
>>410りいささん、
ありがとうございますF
頑張ります

:10/08/05 18:55
:840SH
:dbuhEPfI
#412 [愛華]
殴った手が痛い。
人はどうしてこんなに
冷たくなれるの。
こんなことをして今日が終わって
明日、もし自分が死んだら
あなたたちは後悔しないの?
しょうがない、で納得できるの?
「………なにすんのよ」
:10/08/05 19:06
:840SH
:dbuhEPfI
#413 [愛華]
相沢と京極は鋭い目で睨む。
「先に手だしたのはそっち。
こんなくだらないことして…
恥ずかしくないわけ?
ガキじゃあるまいし」
「…なんだとこのアマ!!」
手を振り上げた京極を相沢が
制した。
:10/08/05 19:45
:840SH
:dbuhEPfI
#414 [愛華]
「……よーくわかった。
ここでは、あたしらがルール。
本当は速水が先のつもり
だったけど……あんたでいーや」
相沢が見下すように言った。
あたしが……先?
なんの話?
あたしが疑問を抱いていると
女子たちはトイレから
ぞろぞろとでていった。
:10/08/05 19:53
:840SH
:dbuhEPfI
#415 [愛華]
ピンと張り詰めていた空気が
解ける。
あたしはズルズルと
しゃがみ込んだ。
殴られたお腹がチリチリと痛む。
「……いったぁ…あんにゃろ…」
……よかった。…お腹で。
あたしは自分の胸に手を当てた。
:10/08/05 21:39
:840SH
:dbuhEPfI
#416 [愛華]
トクン…トクン…
いつもより速い鼓動。
ちゃんと動いてる。
生きてる。あたしは生きてるんだ
自分のことは自分で守る。
この心臓は……今は絶対に
止めない。
絶対に絶対に動かし続ける。
:10/08/05 21:52
:840SH
:dbuhEPfI
#417 [愛華]
今になって梓の言葉を
聞かなかったことを後悔した。
………長い長い一日が終わろうと
していた。
帰りに梓の家に行こうかな。
なんか持って行って、
今日のこと報告して
謝らなきゃ。
:10/08/05 21:55
:840SH
:dbuhEPfI
#418 [愛華]
鞄をもって校門から出た。
少し歩くと、前に二つの
人影が見えた。
「…京極。相沢も…なんか用?」
「………」
相沢は何も言わずに近づいてきた
「なんのよ……」
バツンッッ
:10/08/05 22:05
:840SH
:dbuhEPfI
#419 [愛華]
〜梓side〜
:10/08/06 00:13
:840SH
:JBnrBytI
#420 [愛華]
久しぶりに大カゼをひいた。
ぶっちゃけ超きつい。
京極と相沢は、あたしと那佑が
バラバラになる時を狙ってる。
那佑が一人になるのを
狙って…
京極と相沢は、いじめたいから
誰かをいじめてるだけ。
彼氏をとったとかどーだとかは
いじめる為に必要な
ただの『理由』に過ぎなかった。
:10/08/06 00:19
:840SH
:JBnrBytI
#421 [愛華]
だから、あの日もあたしは
無視しようとした。
だけど、それを那佑がかばった。
……『理由』ができてしまった。
いじめの対象は那佑になった。
でも、今回はいつもの
京極と相沢のイジメと違った。
……なにか、とんでもないことを
企んでる。それがわかった。
でも、それを那佑に言うと
不安がると思った。
:10/08/06 00:24
:840SH
:JBnrBytI
#422 [愛華]
だから言わなかった。
久しぶりに手に入った自由。
那佑からそれを奪うのは…嫌。
今は、タカの大切な人だから…
とかじゃなくても
那佑が大切。
だから…那佑が黙っててって
言ったから。
タカにも言わなかった。
:10/08/06 00:28
:840SH
:JBnrBytI
#423 [愛華]
「……もうそろそろ放課後か」
あれだけ言ったんだから
学校には行ってないはず。
……京極、相沢はどこまで
那佑にやるつもりなんだろう。
頭に水をかけたぐらいで…
どこまでやる?
急に寒気がした。
……なに?なんか……やなかんじ
やな予感がする。
:10/08/06 00:34
:840SH
:JBnrBytI
#424 [あんちむ]
:10/08/06 02:04
:SH903i
:TlkjgAYE
#425 [愛華]
:10/08/06 09:17
:840SH
:JBnrBytI
#426 [愛華]
プルルルル……
……お願いだから出て。
那佑………おねがいだよ。
プルルルル………
こんなにコールしてるのに出ない
……出られない?
:10/08/06 09:19
:840SH
:JBnrBytI
#427 [愛華]
あたしは那佑の家に電話した。
「ガチャッ……もしもし」
「白石さんのお宅ですか?
那佑ちゃんのクラスメイトの
速水梓といいますが、
今日、那佑ちゃんは?」
「那佑なら学校へ行って
まだ帰ってきてません…けど」
「………!!」
……学校へ……行ったんだ。
:10/08/06 09:23
:840SH
:JBnrBytI
#428 [愛華]
「那佑に……那佑になにか
あったんですか!?」
「違いますよ、ちょっとした
行き違いです。失礼しました」
ガチャン!!
あたしは電話を置くと
コートを着て、すぐに学校へ
向かった。
:10/08/06 09:26
:840SH
:JBnrBytI
#429 [愛華]
お願いだから……
学校へ着くとたくさんの人が
学校から出てきた。
みんなが私を見る。
そんなのどうでもいい。
必死に那佑を探していると、
クラスメイトの一人が
出てきた。京極と相沢には
なんにも関わっていない。
「……ねぇ!!」
「……梓!!そんなカッコで…
どうしたの…?」
「今日……那佑は?」
「………」
この顔。なにか知ってる。
:10/08/06 09:33
:840SH
:JBnrBytI
#430 [愛華]
「……お願い、教えて」
「さっき……京極と相沢と
車に乗ってどっかいったのを
教室から見てたけど」
頭が真っ白になった。
クラスメイトになにも言わずに
学校を飛び出した。
真冬のはずなのに
真夏のように体が熱い。
:10/08/06 09:38
:840SH
:JBnrBytI
#431 [愛華]
那佑……那佑……
どうしよう、あたしのせい。
那佑はどこに連れてかれた?
見当もつかない。
あたしが……あたしが……
こんなことなら、タカに
話していればよかった。
タカ……タカ…?
あたしはハッとして
携帯電話をとりだした。
:10/08/06 11:44
:840SH
:JBnrBytI
#432 [愛華]
〜那佑side〜
:10/08/06 11:46
:840SH
:JBnrBytI
#433 [我輩は匿名である]
:10/08/07 01:00
:P03A
:☆☆☆
#434 [愛華]
:10/08/07 09:53
:840SH
:IZUKH.O6
#435 [愛華]
…………何?
話し声がする。
誰の声だろう?男の人の声だ。
でも…………隆則じゃない。
「…………ん……」
「あ、起きたじゃん。
れなーみさとー起きたぞ」
れな…みさと…?
どこかで聞いた名前。
聞きたくもなかった名前。
:10/08/07 10:06
:840SH
:IZUKH.O6
#436 [愛華]
「ったく遅いっての」
目の前には京極と相沢、
4人の男の人がいた。
………なに、これ。
「京極……どういうこと?」
「あの学校ではね、あたしたちが
ルールなの。あんたたちは
それを破ったから。
ちょっと痛い目にあわせないと
いけないでしょ?」
:10/08/07 10:11
:840SH
:IZUKH.O6
#437 [愛華]
言っている意味がわからない。
理解できない。
この部屋には窓がなくて
ここがどこなのかさえ
わからない。
………怖い。怖い。怖い。
あたし……何されるの…?
:10/08/07 10:14
:840SH
:IZUKH.O6
#438 [愛華]
「…ちょっと痛い目みなよ」
男の人たちが近づいてくる。
あぁ…私、今から……
やっと、これからされる事を
理解できた。
不思議と心は冷静で。
でも、体は正直で。
「やだ!!来ないで!!やだ!」
敵わないってわかってる。
でも、やだ。やだよ。
隆則じゃなきゃやだよ。
:10/08/07 10:23
:840SH
:IZUKH.O6
#439 [愛華]
必死に暴れた。
隆則!隆則!たすけてよ!
「おとなしくしてねぇと
腹殴るぞ」
「………!!」
ドクン…ドクン…
やだ。やだ。やだ…………
:10/08/07 11:34
:840SH
:IZUKH.O6
#440 [愛華]
「じゃ、あと頼むね?
それなりにメチャメチャに
してあげて」
そういうと、京極と相沢は
部屋からでていってしまった。
「手加減できるかなぁ〜」
ひとりの男が不気味に笑い、
指をポキポキならした。
………気持ち悪い。
:10/08/07 15:32
:840SH
:IZUKH.O6
#441 [愛華]
ドクン…ドクン……
胸が痛い。苦しい。
「お願いだから…
やめて……ください……」
涙が勝手にこぼれる。
「ごめんねぇ、だめなんだー
…君かわいいね。なるべく
優しくしたげるよ、なるべくね」
ぎゃははは、と男たちが笑う。
:10/08/08 12:29
:840SH
:f7HhVWu6
#442 [愛華]
………もう、ダメか。
あたしの中で、ぷっつりと
何かが消えた。
「……なんでもすればいい」
「あー?なんか言った?」
「あんたたちなんか怖くない!!
どんなことしたって、あたしは
怖くない!!死なない!!」
どんなことがあったって、私は…
絶対生きてやる。
未来に絶望なんかしない。
:10/08/08 12:34
:840SH
:f7HhVWu6
#443 [愛華]
「あっそー」
ひとりの男が、あたしの上に
覆いかぶさってきた。
他の男たちは部屋から
でていった。
「終わったら呼べよー」
「はいはいー」
男は、あたしの涙をぺろっと
舐めた。寒気がした。
:10/08/08 12:37
:840SH
:f7HhVWu6
#444 [愛華]
……あたし、ヤられるんだ。
神様は意地悪だなぁ。
たった一つの願い。
『大好きな人と最期まで…』
たったひとつだけなのに。
私が汚れちゃっても………
隆則はそばにいてくれる?
そんな保証、ある?
頭がぼーっとする。
………ごめんね、隆則。
:10/08/08 12:48
:840SH
:f7HhVWu6
#445 [愛華]
「………なにしてんの」
男の後ろから声がした。
聞き慣れた声。
愛しい愛しい人の声。
「………なんだてめぇ」
「隆則………?」
:10/08/09 11:23
:840SH
:CX9fj47k
#446 [愛華]
「順番待てよな、まだ俺のば…」
男が話し終わる前に、
隆則が男を後ろに殴り倒した。
「……なっなにす………」
隆則はそのままあたしのところに
来て、ゆっくり立ち上がらせて
くれた。
:10/08/09 11:27
:840SH
:CX9fj47k
#447 [愛華]
「ごめんな」
隆則はそうつぶやいた。
震えた小さい声。
「お前なんなんだよ…」
「……あのさ、廊下にいる
男たち連れて早く逃げたほうが
いいよ」
「………んだと?
ざけてんじゃねーよコラ」
:10/08/09 11:31
:840SH
:CX9fj47k
#448 [愛華]
「言ってる意味、わかんない?
お前らコレ犯罪だからね?
あと10分もしないうちに
ケーサツ来るよ。いいの?」
男が焦ってるのがわかった。
隆則の手が温かくて、
あたしはぎゅーっと握った。
「下手な喧嘩はしたくないしさ
穏便にすまそうや。ダメ?」
「………わかったよ」
男は扉に走りだした。
:10/08/09 11:35
:840SH
:CX9fj47k
#449 [愛華]
「あ、忘れ物」
そう言うと、隆則は男の顔面を
思い切り殴った。
ドカッ!!!
鈍い音が響いた。
下には歯が2、3本
転がっていた。
男が声を出せずうめいていると、
「あと、コレ指示した女にも
言っとけ。次はねぇぞ。
女も………お前らも」
:10/08/09 11:41
:840SH
:CX9fj47k
#450 [愛華]
「………ふ……」
「わかる?わかんない?どっち」
隆則は男の頭を持ち上げた。
「わ……わかりまふ……」
「ん。じゃーいーよ。行け」
男は逃げるように部屋から
でていった。
そのあとの足音から
ほかの男も逃げていったのが
わかった。
……相沢と京極もいったのかな。
:10/08/09 11:46
:840SH
:CX9fj47k
#451 [愛華]
「那佑……へいきか?
ケガしてないよな?」
「うん……だいじょぶ」
隆則は悲しそうに笑うと、
あたしをおんぶしてくれた。
「………ごめんな」
……どうして隆則が謝るの
:10/08/10 12:07
:840SH
:0jw3vy/Y
#452 [愛華]
外に出ると、建物ぜんぶを
見ることができた。
あたし……こんなとこに
連れ込まれてたんだ。
そこは廃墟。もとがラブホだった
らしい。
少し歩くと、梓がいた。
:10/08/10 12:09
:840SH
:0jw3vy/Y
#453 [愛華]
「……梓!!」
「那佑………」
梓は泣きそうな顔で
あたしを抱きしめてくれた。
「馬鹿那佑!!ばかばかばか!」
「……ごめんね、梓」
あたしは何度も謝った。
それしか、できなかったから。
とめどなく、涙が溢れた。
:10/08/10 12:13
:840SH
:0jw3vy/Y
#454 [愛華]
わたしは何もわかってなかった。
わかったつもりでいただけ。
それが、どれだけ大切な人達を
傷つけることになるかも知らず…
ばかだね。ほんとうに……
ごめんね。ごめんね。ごめんね。
ごめんなさい。ごめんなさい。
この心臓は………
私のちからだけで動いてる
わけじゃないんだ。
:10/08/12 01:46
:840SH
:CxyxJVhM
#455 [愛華]
「梓、ありがとな。
風邪こじらせるといけねーから
お前はもう帰っていーよ」
「でも那佑は…」
「俺が送るから平気 なっ」
隆則はあたしのほうを見た。
久しぶりに隆則の笑顔を見た
気がして嬉しくなった。
「……うん。梓、ごめんね。
…………ありがとう」
:10/08/12 14:06
:840SH
:CxyxJVhM
#456 [愛華]
「もう、こんなことすんなよ」
梓はニヒッと笑って
あたしの頭をくしゃくしゃ
撫でてくれた。
……梓はパジャマのまま
あたしを探してくれてたんだ。
胸がきゅぅっとなる。
あたしは弱くない。
けど決して強くない。
強くないんだ。
:10/08/12 14:09
:840SH
:CxyxJVhM
#457 [愛華]
隆則とふたりきりの帰り道。
「隆則。ごめんね」
「……俺おこってんだよ。
わかってる?」
「……うん。馬鹿なことして
ごめんなさい」
「そんなことじゃねーよ!」
隆則が声を荒げた。
あたしはビクッとなった。
背中越しに伝わって
しまったかもしれない。
:10/08/12 14:13
:840SH
:CxyxJVhM
#458 [☆]
1-100
101-200
201-300
301-400
401-500
すいません
:10/08/12 14:28
:N905imyu
:☆☆☆
#459 [☆]
:10/08/12 14:29
:N905imyu
:☆☆☆
#460 [愛華]
:10/08/12 16:51
:840SH
:CxyxJVhM
#461 [理沙]
更新楽しみにしてます

頑張って下さい(≧∀≦)

:10/08/12 22:56
:N01B
:3a3LJK8E
#462 [愛華]
>>461理沙様ありがとうございます

更新がんばります

:10/08/13 01:33
:840SH
:ejxSeFPk
#463 [愛華]
>>457「なんで黙ってた?
いじめられてること」
「……隆則に…甘えてちゃ
いけないって……」
ただそれだけだった。
信じてなかったわけじゃない。
でも、あたしだって人間。
強くなりたかったの。
「俺が行かなかったら
どうなってたか、わかるか?」
:10/08/14 17:07
:840SH
:nQzYEUQY
#464 [愛華]
……隆則が来なかったら。
きっと私は……
隆則のもとには戻れなかった
かもしれない。
深く消えない傷を負って……
「……頼むから。
どんな理由でもかまわない。
全部はなしてくれ。
お前の為とかそんなんじゃない。
俺の為に…隠し事なんてすんな」
:10/08/17 01:22
:840SH
:ARVVCuTQ
#465 [愛華]
隆則のために。
隆則の言葉は
私の心をきゅぅっと締めた。
「……俺の心臓がもたねぇ」
隆則はキスをした。
:10/08/17 01:24
:840SH
:ARVVCuTQ
#466 [愛華]
いつもみたいな
優しいキスじゃなくて。
心が痛くなるような
激しいキス。
「………んっ……ふ………」
息がもれるたび涙が出て。
でも抵抗すると、
隆則が離れてっちゃう気がして。
ただ黙って涙を流した。
こんなキスやだよ。
苦しいよ。
心がちぎれそうに痛いよ。
:10/08/17 01:30
:840SH
:ARVVCuTQ
#467 [愛華]
:10/08/18 01:07
:840SH
:24xqvK3A
#468 [愛華]
こんなに悲しいキスがあるなんて
知らなかったよ。
知りたくなかった。
隆則とするキスは
嬉しくてかけがえのないもので
。
その瞬間だけは
私は世界一しあわせだって
信じて疑わないの。
でも苦しかった。
隆則が苦しかったから
私も苦しかったんだ。
:10/08/18 01:11
:840SH
:24xqvK3A
#469 [愛華]
隆則
ごめんね
隠し事なんてしないから
離れちゃやだよ
でもそんな願いは崩れていく。
この日から
あたしと隆則の間には
ちょっとずつ
距離ができていった。
:10/08/18 01:16
:840SH
:24xqvK3A
#470 [愛華]
大好きだよ
きっとずっと……
あなたのために生きたいんだ。
私が願うのは
『私の未来に隆則がいること』。
ただそれだけ。
でももうひとつ願うのは
どうかあなたも
そうであってほしい。
私は星に祈るのです。
:10/08/18 21:16
:840SH
:24xqvK3A
#471 [愛華]
「えぇ!?会ってないの?」
「んー…まぁ……」
あれから5日。
隆則からの連絡はなく
一度も会っていない。
5日なんかたいした時間
じゃないかもしれないけど
胸が押し潰されそうな
そんな長い時間だった。
:10/08/20 22:50
:840SH
:6awY7GTY
#472 [愛華]
「梓にもメーワクかけて…
ごめんね?」
「もう謝んなくていい。
あたしにも責任あるし……
タカもさ、戸惑ってるだけだよ」
戸惑ってる?
そんなレベルかな?
「…あきれちゃったのかも」
「はぁ?タカが?那佑に?
それはありえないよ」
「なんで言い切れるの?」
:10/08/20 22:55
:840SH
:6awY7GTY
#473 [愛華]
「あたしは隆則と一緒にいたい。
例えどんなことがあったって
隆則にそばにいてほしい。
隆則も同じ気持ちであってほしい
そう思ってたよ、ずっと。
でも隆則があそこで来なかったら
あたしは……隆則のもとになんか
いつもどおり戻れなかった。
……隆則は同じ気持ちじゃない」
「ば…っっっかじゃないの!!」
:10/08/20 22:59
:840SH
:6awY7GTY
#474 [愛華]
一気に話したあと
梓が耳元で叫んだ。
「たった5日で何いってんの!!
もし那佑がタカの立場だったら?
タカにあきれて離れてく?
あたしが知ってる二人は
そんな人間なんかじゃない!!」
………梓……
何も言えなかった。
何が言えるっていうの?
「……タカは離れたりしない。
自分の大切な女を守れなかった
ことを悔いてる。
自分を責めて責めまくってる」
:10/08/20 23:04
:840SH
:6awY7GTY
#475 [愛華]
「………隆則は悪くないのに」
涙がぽろぽろこぼれた。
なんか、あたたかかった。
「タカを信じてあげてよ」
梓はあたしの頭をなでてくれた。
あたしが泣き止むまで
ずっと………
:10/08/20 23:07
:840SH
:6awY7GTY
#476 [愛華]
人のぬくもりをあまり知らない
人間は、そーいうことに
敏感になって臆病になる。
いつか自分から
離れてくんじゃないか……
だから甘えたくなくて
強くなろうと思う。
ちゃんと信じていないから。
でも違うね。
信じることも強さなんだね。
:10/08/20 23:10
:840SH
:6awY7GTY
#477 [愛華]
「そーいえば……
なんであたしがいる場所が
わかったの?」
落ち着いたころ、
気になっていたことを聞いた。
「あぁ、あそこはさ
元ラブホでベッドとかあるし
その…そーゆーことするのに
色々便利なので有名なんだよ。
タカには話をしただけで
どこに那佑がいるか
わかったみたいだね」
:10/08/20 23:17
:840SH
:6awY7GTY
#478 [愛華]
そうだったんだ……
隆則はすごいなぁ。
来てほしいって思ったら
すぐに来てくれる。
スーパーマンみたいだね。
「…すぐに来てくれるよ。
タカのやつ、那佑に
ベタボレだもん」
あたしの心を読んだように
梓が言った。
会いたい。
顔が見たいよ……
:10/08/20 23:20
:840SH
:6awY7GTY
#479 [愛華]
〜隆則side〜
:10/08/20 23:21
:840SH
:6awY7GTY
#480 [愛華]
梓から話をきいた時
本気で気が狂うかと思った。
男に連れ込まれる時の場所は
すぐに予想できたから
迷わず向かうことができた。
不思議なほど冷静だった。
那佑を見つけた時。
あぁ……俺。
:10/08/21 23:26
:840SH
:DOVW8oMw
#481 [愛華]
那佑と出会って、変われた。
そう思いこんでた。
でも違った。
俺の中には…黒い闇が残ってた。
殺してやろうと思った。
そんな自分に恐怖を感じて
拳をにぎりしめてこらえたんだ。
でも押さえられなくて。
気がついたら殴ってた。
:10/08/21 23:29
:840SH
:DOVW8oMw
#482 [愛華]
とまんねぇ………
さらに殴ろうとした時。
怯えた那佑が目に入った。
怯えさせてるのは誰?
こいつか?
それとも……俺か?
あぁ…………俺か。
:10/08/21 23:32
:840SH
:DOVW8oMw
#483 [愛華]
那佑をおんぶして帰るとき。
背中越しに震えているのが
わかった。
俺は冷静を保って那佑をしかった
怯えさせたくなかったから。
那佑は……泣いてた。
俺が守れなかった。
俺が那佑を泣かせた。
那佑に一生消えない傷を
負わせて………
:10/08/21 23:35
:840SH
:DOVW8oMw
#484 [愛華]
俺のせいなんだ。
那佑の一番そばにいたのに
気づいてやれなかった。
こんな俺が………
そばにいてもいいのか?
那佑には、ほかにもっと
いい男がいるかもしれねぇのに…
那佑は……こんな俺でいいのか?
俺は那佑にキスをした。
:10/08/21 23:38
:840SH
:DOVW8oMw
#485 [愛華]
優しくなんてできなかった。
ただ自分の中の
ぐちゃぐちゃの感情を
どうにかしたくて。
那佑にふれたくて。
今までとは全く違うキス。
那佑は苦しそうな顔して
涙を流していたけど
抵抗しようとはしなかった。
そんなに怯えんなよ。
泣くなよ。
あ、泣いてんのは俺のせいか。
:10/08/22 12:42
:840SH
:XZXcoG9I
#486 [愛華]
何やってんだよ、俺。
那佑を怖がらせて
泣かせて
守れなかったくせに
無理矢理キスして。
………………最低じゃんか
:10/08/22 12:44
:840SH
:XZXcoG9I
#487 [愛華]
あれから5日。
那佑とどんな顔で会えばいいか
わからず、連絡もとっていない。
向こうからも来なかった。
「そんな落ち込むなよー」
誨がコーヒーを入れてくれた。
コーヒーの香りが
俺の心をにごしていった。
「……独占欲つよいんだなー俺」
:10/08/22 12:48
:840SH
:XZXcoG9I
#488 [愛華]
「……んぁ?お前がか?」
「そーだよ。ってゆーか…
そんな可愛いもんじゃないかも
しんねぇなぁ…」
俺はコーヒーをすすった。
腹ん中があったかくなったけど
それは一瞬で消えた。
「……ってゆーかさ。
俺が見てる感じでは……
信用しなさすぎじゃね?
お互いのことをさ」
:10/08/22 12:53
:840SH
:XZXcoG9I
#489 [愛華]
俺が……那佑を?
「そんなことねぇよ」
「そーかなぁ…なんかさ
タイムリミットがある恋愛って
リミットが来る前に相手が
離れていったらどうしよう…
って不安があるわけじゃん?
でも裏返せば、それは相手を
信用しきれてないって事じゃん。
それが今回のことでわかったろ。
お互い信用しきれてないんだよ」
:10/08/22 12:58
:840SH
:XZXcoG9I
#490 [愛華]
「………」
何も言えなかった。
誨の言うことがもっともすぎて。
「だから俺は理解できねんだよな
こーゆー恋愛はさぁ……」
「……あのままだったら
那佑はヤられてた」
「そうなったらはお前の責任だ。
でも、たすけたろ?
それはお前のおかげじゃん」
:10/08/22 13:06
:840SH
:XZXcoG9I
#491 [愛華]
「どっちにしたってさ、
お前が助けたんだよ。
だから大丈夫だって」
「………うん」
「このままだったら誰かに
もってかれちまうぞ」
「………それはヤダ」
「だったら会え!!会って話せ!!」
もうすぐクリスマスだ
:10/08/22 14:54
:840SH
:XZXcoG9I
#492 [愛華]
〜那佑side〜
:10/08/22 14:55
:840SH
:XZXcoG9I
#493 [愛華]
長く息を吐き出す。
白い煙みたいになって
真冬だということを
改めて実感させる。
…………寒いなぁ。
隣に誰もいないって
こんなに寂しいものなんだ。
一人なんて慣れっこだった
はずなのになぁ………
とか思う。
:10/08/24 16:38
:840SH
:PXXfJ0OA
#494 [愛華]
温もりを知ってしまったから
だから寂しいんだなぁ。
放課後。
帰ろうとした時に京極と相沢と
ばっちり目があった。
あたしは思い切り睨んだけど
気まずそうにそらされてしまった
あの事件から京極と相沢は
怯えるようにあたしを見る。
:10/08/24 16:45
:840SH
:PXXfJ0OA
#495 [愛華]
やっぱり隆則の脅しが
効いたんだと思う。
どうやって二人に伝わったのか
知らないけれど
これで二人があたしに手を出して
くることは多分ない。
これによってクラスでも
ちょっとずつ友達ができてきた。
やっぱり嬉しい。すごく。
:10/08/25 20:20
:840SH
:75bqmNoo
#496 [愛華]
すごく嬉しいけど
すごく寂しい。
あなたが隣にいないから。
もうすぐクリスマスだよ、隆則。
:10/08/25 20:22
:840SH
:75bqmNoo
#497 [愛華]
「那佑、クリスマスどーすんの」
寒そうに手をすりあわせて
梓が心配そうに聞く。
「んー…どうなんだろ……
隆則から連絡ないしなぁ…」
「んなこといって……
あと4日だよ??会わないの?」
「………んー……」
「…………もうっっ!!」
:10/08/25 21:55
:840SH
:75bqmNoo
#498 [愛華]
「じゃあプレゼントだけでも
買おーよ。ね?」
「プレゼントかぁ。いーかもね」
あたしは梓につきあってもらい
プレゼントを買うことにした。
「これなんかいくない?
タカに似合いそーじゃん?」
「あ、ほんとだぁ。いいね」
「タカは黒が好きだから…」
:10/08/25 21:58
:840SH
:75bqmNoo
#499 [愛華]
梓は隆則のことを色々知ってる。
隆則が好きだったから。
ううん……好きだから。
「……いいなぁ梓は」
「んーなにが?」
「……隆則にすごく近い。
あたしは近いようで…遠いよ」
:10/08/25 22:01
:840SH
:75bqmNoo
#500 [愛華]
「あ…ねー梓、これも良くない?」
あたしは自分が言ったことを
ふっきるようにプレゼントを
選んで手にとった。
なにいってんだあたし……
いやがらせかっっ!!
あたし梓にいやがらせ
してんのか!!ばか!!
無我夢中に帽子やら
手袋やらを探す。
:10/08/25 22:07
:840SH
:75bqmNoo
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