その日が来る前に、2
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#72 [愛華]
直純がいなくなる日。
澄んだ空気と空。
ムカつくくらい気持ちのいい日
「…………タカっ!!」
「……梓。学校どうしたお前」
「そんなことどうでもいいの!
………直純は?まだ?」
父さん母さんの葬式以来に会うのに、梓はなにも触れなかった。梓のそういうところ好きだ。
:10/10/12 00:05
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#73 [愛華]
しばらくすると、中から直純と
弘樹じいちゃんが出てきた。
次いで、じいちゃん、ばあちゃん
「……あ、梓ちゃん………
お見送りにきてくれたの?」
「梓!学校どうしたんだよ」
「直純!タカと同じこと言わないでよね。 おばあちゃん、こんにちわ。」
:10/10/12 00:08
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#74 [愛華]
梓は弘樹じいちゃんを見て、軽く頭を下げた。
梓には電話で事情を話してある。
電話ごしに泣いてるのがわかった
「………それじゃ、行くかね」
弘樹おじいちゃんが車を呼んだ。
夏休み前の転校。
直純は不安の表情だった。
:10/10/12 00:12
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#75 [愛華]
うるさいくらいに蝉が泣き
炎天下のこの日
直純はいなくなった。
「……会いに行くからな。
電話もするし手紙も出すから」
「恋人じゃねんだから!大丈夫だよ!たまーにでいいからさ」
「直純!あたしも!あたしも
手紙出すからね!!」
「おぅ!!………梓、隆兄のこと頼むな。面倒見てやって」
:10/10/12 00:28
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#76 [愛華]
………こんな時に俺の心配なんかしてんじゃねーよ、ばか。
「……直純のこと頼みます」
俺は深く弘樹じいちゃんに頭を
下げた。
俺はまだ子供で。
一人でなんか運命は変えられない
だから、頼るんだ。
:10/10/12 18:58
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#77 [愛華]
「……隆兄……………
ばいばいっ!!!」
頼らなければ生きられない。
だから人は支えあう。
いつか自分も、誰かに頼られる
そんな人になれるように
「強く生きろよ!!
……そうだな、ゴキブ…」
「言わなくていい!!」
梓に頭をはたかれる。
:10/10/12 19:07
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#78 [愛華]
「あはははは!!ばかだ!!」
直純は笑っていた。
最後まで笑っていた。
笑いすぎて……涙が出ていた。
車が見えなくなるまでずっと
手を振っていた。
腕が疲れても、ずっと………
:10/10/12 19:14
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#79 [愛華]
「……泣かないの、タカ」
梓は涙をぬぐいながら言った。
「泣かないよ。今は泣かない。
取っておくんだ。今はまだ…」
直純。
あの日がお前と別れた最後で
次に出会うのは6年後。
あの時、自分に誓ったもの。
:10/10/12 19:21
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#80 [愛華]
お前が幸せになって笑って
いつか笑って話して
でもそれはただの夢で
あの時あの手を離さなければ
そうすれば…何か変わったのか
今となってはわからないまま。
あの6年間で何があったのか
知るのは俺が19の時で
まだこの時は知る由もなくて。
:10/10/12 22:28
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#81 [愛華]
なぁ直純。
俺達の別れがあって
そしてまた出会って
今考えるとさ、
あの別れは
ただの始まりにすぎなかった。
別れの始まりの物語。
:10/10/12 22:31
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