その日が来る前に、2
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#601 [愛華]
「うん。なんか用?」

「そーゆーわけじゃないけど…
直純、大丈夫かなって」


大丈夫なわけないだろ。
あんなこと聞かされて……
でも、それは梓も同じか。
親友の死が身近に迫ってる。
平気なわけないよな。


「………びっくりしたよ。
いつかはこんな日が来るだろうって思ってたけど……今なんてな」

⏰:10/12/21 17:19 📱:840SH 🆔:yAxc/byQ


#602 [愛華]
今日の放課後。
誰もいない教室で、梓と俺に
白石から告げられた事実。


白石は、20歳まで生きられない
かもしれないということ。

手術は成功すれば治るけれど、
確率はかなり低いということ。

手術を受けるつもりはない、ということ。


俺も梓も何も言えなかった。
今日まで白石は……この事実に
どれだけ苦しんだんだろうか。

⏰:10/12/21 17:24 📱:840SH 🆔:yAxc/byQ


#603 [愛華]
「………あたしも同じだよ……」

梓は消え入りそうな声で言った。


「どうして那佑なんだろね。
那佑じゃなきゃだめだったのかな
他の誰かじゃだめなのかな」

「梓………」

「ひどいこと言ってる?あたし。
でもこんな気持ちになるなら…


自分が病気のほうがよかった」

⏰:10/12/21 17:32 📱:840SH 🆔:yAxc/byQ


#604 [愛華]
『あたしは梓とか直純くんよりも
先にいなくなっちゃうかもしれない』


白石は今日そう言った。


『でも、諦めない。絶対に
諦めない。一生懸命、生きる』


強い瞳でそう言った。


『……だから、側にいて下さい
笑ってて下さい。あたしを……
支えてください…』

⏰:10/12/21 17:39 📱:840SH 🆔:yAxc/byQ


#605 [愛華]
当たり前だろ、そんなの。
白石が嫌だっつっても……
側にいて支えてやるから。


「……梓。誰がなったってきっと同じだったんだよ」

「うん………」

「俺たちは白石を支えよう。
いつも通り笑えばいいんだ。


「うん。うん…………」


俺たちができるのは笑うこと。
白石が不安にならないように
支え続けることなんだ。

⏰:10/12/21 17:44 📱:840SH 🆔:yAxc/byQ


#606 [愛華]
「………タカには……」

「隆兄には言うな。やっと
2人の傷が癒えてきたのに、またこのことで掘り返す必要はない」

「……ん。わかった……」



本当は、怖かった。
今2人が再会したら、
もしかしたら………って。

汚いかもしれないけれど。

⏰:10/12/21 17:48 📱:840SH 🆔:yAxc/byQ


#607 [愛華]
今はまだ会わせたくない。
白石をとられたくない。


俺だって毎日必死なんだ。
大事なものを守ることに


必死なんだよ。




大丈夫。明日、また笑える。
いつも通りに、笑える。

⏰:10/12/21 17:51 📱:840SH 🆔:yAxc/byQ


#608 [愛華]
-那佑side-

⏰:10/12/21 17:51 📱:840SH 🆔:yAxc/byQ


#609 [愛華]
「はぁぁぁ!?」

「え?え?ダメ?」


いつもの昼休み。
梓と、直純くんと、あたしと。


「バイトしたいってあんた…
する必要なんかないでしょ?」

「したことないからしたいの!」

梓と直純くんは怪訝そうな顔。

⏰:10/12/21 22:36 📱:840SH 🆔:yAxc/byQ


#610 [愛華]
あの事実を話してからも、
2人はいつも通り接してくれる。
それが何より嬉しくて。



「なんか働いてみたいんだよね。
時間がもったいない気がしてさ」

「そんなにバイトしたいの?」

「うん!!」

⏰:10/12/21 22:40 📱:840SH 🆔:yAxc/byQ


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