その日が来る前に、2
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#700 [愛華]
:11/01/05 15:38
:840SH
:22xhhoZo
#701 [愛華]
もうすぐ夏なのに、
喉の奥がスンとする。
寒いのか、暑いのか
もうそんなものもわからない。
『日曜日、2人で出かけよう。
大切な話があるんだ』
そういった直純くんは
ほんとうにいつも通りで。
あの保健室での直純くんは
まるで幻だったみたいで。
:11/01/05 15:42
:840SH
:22xhhoZo
#702 [愛華]
大切な話ってなに?
聞きたくないよ。
なにが正しくてなにが間違い
なのかわからない。
ただ、あたしは………
みんなで笑っていたいだけ。
隆則も大切で、直純くんも大切で
それは……直純くんを傷つける
原因にしかならないのかな。
:11/01/05 15:46
:840SH
:22xhhoZo
#703 [愛華]
「………白石さん、大丈夫?」
「………え、はい」
店長に話しかけられて、
我にかえる。
やば………バイト中だった。
「……店長、すいません。
那佑調子悪いみたいなんで
休憩室で休ませていいですか?」
「それはかまわないけど……」
:11/01/05 15:50
:840SH
:22xhhoZo
#704 [愛華]
「梓、あたしは大丈夫……」
「ほら、いくよ」
あたしの言葉を無視して梓は
休憩室に引っ張っていく。
「ほら、横になって。少し
寝なよ。薬は?飲んだ?」
「あ、忘れてた………」
「……………馬鹿だね」
:11/01/05 15:53
:840SH
:22xhhoZo
#705 [愛華]
薬を飲んで、横になってると
少しだけ気分が楽になった。
その間、梓はずっと側にいて
くれた。何も言わず、ずっと。
「………ありがとう、梓」
「べっつにー。仕事サボれて
ラッキーだよ」
「…………ん」
素直じゃないこのひとの
優しさに何度助けられただろう。
:11/01/05 15:56
:840SH
:22xhhoZo
#706 [愛華]
「……………梓、あのね…」
「うん?」
「……直純くんに大切な話が
あるって言われたの。あたし
どうしたらいい?また直純くんを傷つけちゃう気がする」
思い出すと、また苦しくなる。
:11/01/05 15:58
:840SH
:22xhhoZo
#707 [愛華]
「那佑はさ………結局はまだ
タカが好きなんでしょ?」
「……わからない…………」
「直純は、那佑自身でさえ気づいてない那佑の気持ちを全部
わかってるんだよ。
那佑が今、何を望んでるか。
もうすぐだよ。直純が……
終わらせてくれるから。
きっと那佑の望んでいる通りに
なるから」
:11/01/05 16:03
:840SH
:22xhhoZo
#708 [愛華]
あたしの………望み?
梓の言っていることは
なにひとつわからなかった。
「いつも通りに直純に会って
おいで。大丈夫だよ」
梓はそう言って微笑んだ。
大丈夫…………?
日曜日に、何かが終わって
また何かが始まるような
そんな気がした。
:11/01/05 16:07
:840SH
:22xhhoZo
#709 [愛華]
気がつくとあたしは眠りに
ついていて。
その日は、夢を見なかった。
……なんだろ、気持ちいい。
あったかくて優しい………
あたし、このあったかさを
知ってる。
:11/01/05 16:13
:840SH
:22xhhoZo
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