天使と悪魔の暇潰し
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#153 [匿名]
その言葉は、僕の心配を晴らしてくれるための物ではなく、自分自身に言い聞かせてる物だと感じた。

「手術とかって?」

僕はまた質問をした。


「うん…今の技術だと手術出来ないんですって。ただ進行するのを緩める事しかないみたいなのよ。」

⏰:10/11/21 14:24 📱:F06B 🆔:☆☆☆


#154 [匿名]
「そうなんですか。」

いかにも深刻そうな相づちに聞こえるように演技した。

「新しい技術が開発されて、手術が出来るようになるまで、さやの体がもつかわからないのよ。」

お母さんは必死に涙を堪えている。

それにしても、初めて会った、娘の友達と名乗る男に、よく話してくれたものだ。追い詰められて、一人では抱え込めないのかもしれない。

「大丈夫ですよ!」

何の根拠もないのに、僕は励ました。

⏰:10/11/21 21:03 📱:F06B 🆔:☆☆☆


#155 [匿名]
三日目



彼は今日も同じ時間に、ターゲットの所へ足を運んだ。相変わらずくだらない事ばかり話している。

ターゲットは声を出して笑っていた。

その姿を見ると、もうすぐ死んでしまうとは、とても思えない。

若い人は進行が早く、急に死んでしまう事もあるらしい。昨日ターゲットのお母さんが話してくれたのだが、難しい話で、あまり頭に入ってこなかった。

⏰:10/11/24 11:33 📱:F06B 🆔:☆☆☆


#156 [匿名]
とにかく、いつ死んでもおかしくない病気なのだ。明日朝になっても、目を覚まさないかもしれない。

この暇潰し五日間の間に体調が急変して、死んでしまった場合は、僕達の勝負は引き分けとなる。

負ける事よりもモヤモヤする引き分けだけには、絶対になりたくなかったので、急変だけはやめてくれ!と神様に祈った。

神様は聞いてないけど。

⏰:10/11/24 11:38 📱:F06B 🆔:☆☆☆


#157 [匿名]
「お前が死ぬのは明後日だ。」

彼の低い声が聞こえた。

「何で明後日なの?私今すぐにでも死にたいのに。」

ターゲットは頬っぺたをぷくっと膨らませた。まるで、彼氏に我が儘を言う彼女のようだ。

なんで今日会えないの?早く会いたいのに。…うん、こんなかんじだ。

⏰:10/11/24 11:46 📱:F06B 🆔:☆☆☆


#158 [匿名]
「お前はやり残した事とかないのか?」

普段の彼は、人間にそのような事は聞かない。
やり残した事があると主張してきた人間には、知るかと冷たい一言を発するのが、彼の流れだ。

「やり残した事か。…そんなのいっぱいあるよ。大学だって行きたかったし、結婚もしたい!独り暮らしとか海外に行くとか…やり残した事だらけだよ。」

ターゲットは寂しそうな顔をした。今まで考えないようにしていたのかもしれない。

⏰:10/11/24 11:54 📱:F06B 🆔:☆☆☆


#159 [匿名]
「明日、一つだけ叶えてやる。だから今日のうちにやり残した事を一つに絞っとけ!」

「え?そんな事できるの?」

「誰だと思ってんだよ。」

「神様?」

「あんな自分の事で精一杯で、人間の願いの一つも聞けねぇようなやつと一緒にすんなよ!」

「え?」

「神様なんかより、俺の方がもっとすげぇよ!」

⏰:10/11/24 11:58 📱:F06B 🆔:☆☆☆


#160 [くぽ]
あげ(´・ω・`)

⏰:10/11/29 23:47 📱:S001 🆔:GpLvkPFQ


#161 [匿名]
>>160くぽさん
ありがとうございます!

⏰:10/11/30 09:41 📱:F06B 🆔:☆☆☆


#162 [匿名]
彼はそう言い残して帰って来た。

「暇潰しになると、君は人間に優しくなるの?」

僕は嫌味っぽく聞いてみた。

「別に優しくしてねーよ!俺は突き落とすのが好きなんだ!」

必死に怒鳴る彼は、子供っぽく感じる。

⏰:10/11/30 12:31 📱:F06B 🆔:☆☆☆


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