天使と悪魔の暇潰し
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#25 [匿名]
「お前は鈍感だな。」
ポンと彼に肩を叩かれムッとする。彼にだけは言われたくない。
「それよりお前はいいのかよ、ターゲット」
あぁ、忘れていた。
「今日はいいよ、帰ろう。」
「もう帰るのかよー。」
駄々をこねる子供の真似をする彼を無視し、僕は上へ帰った。
:10/10/18 16:37 :F06B :☆☆☆
#26 [匿名]
それにしても人間の女は解らない。
心を読む気にもなれない。
人間に僕達の正体がばれるのはとても面倒なのだ。
ばれると一年間くらい地上に降りられなくなる。
大好きなハンバーガーが食べられなくなるのだ。
まあ、ばれた事はない。
彼の言う通りだ。
:10/10/19 10:53 :F06B :☆☆☆
#27 [匿名]
二日目
「いってくるわ」
なんだかだるそうに、彼はふわっと降りて行った。
それほど興味はないのだが、僕も今日はターゲットと接触するつもりだったので眺める事にした。
今日のターゲットは休みのようで私服姿でスーパーにいた。
その私服も地味だ。
御世辞にもお洒落だなんて言えない。
:10/10/19 11:34 :F06B :☆☆☆
#28 [匿名]
沢山着たんだなー、これはTシャツも幸せだと感心するほどヨレヨレになった服は、お腹の脂肪を引き立てる。
彼はターゲットの後を2メートルほど開け追跡している。見事に怪しい。
だが他の客は、いかにお得な商品を買うかで一生懸命なのだろうか、商品しか見ていない。
:10/10/19 11:42 :F06B :☆☆☆
#29 [匿名]
彼は手に小さなお菓子の様な物を持っている。
あれだけ持っているのは怪しい。見た目が子供だったら文句はないが。
ただそんな怪しい彼を誰も怪しいだなんて思わないみたいだ。興味がないのだろう。
彼がサッとターゲットに近づくと、手に持っていたお菓子をターゲットの鞄の中に入れた。
:10/10/19 11:58 :F06B :☆☆☆
#30 [匿名]
何事もなかったように彼はまたターゲットとの距離を開け、さっきよりは自然に後をつけていた。
何も知らないターゲットはレジに並び会計を済ます。
自動ドアを出た所で彼が近づいた。
「あの!」
突然話しかけられたターゲットはびっくりして、恐る恐る彼を見上げてる。
「え、なんでしょうか?」
:10/10/19 17:36 :F06B :☆☆☆
#31 [匿名]
「万引き」
「…はい?」
「万引きしただろ?」
「え、何を言ってるんですか?してないですよ!!」
ターゲットは両手を前に出しぶんぶん振って否定をしていた。頭も激しく横に振る。
その姿がとても気持ち悪かった。
:10/10/19 17:40 :F06B :☆☆☆
#32 [匿名]
「嘘つくな!いーから来い!」
勢いよく背中を押す彼は何だか楽しそうに見えた。
「い、痛い!!嘘じゃないですよー僕はなにも…!!」
ターゲットは嘘などついていない。
嘘などついていないのに、ひどい扱われようだ。
:10/10/19 17:44 :F06B :☆☆☆
#33 [匿名]
「すみません、あなた店長ですよね?この人万引きしてたんですけど」
彼はスーパーの中までターゲットを連れて行き、レジ付近にいる店長と呼ばれた男に言った。
「え、本当ですか?びっくりだなぁ」
年齢は四十代前半。髪の毛は白髪混じりだが整えられ、お腹の肉もさほどない。ガリガリではなくガッチリした体格。学生時代ラグビーをやっていました!と自己紹介をしてきそうな雰囲気がある。
:10/10/22 13:15 :F06B :☆☆☆
#34 [匿名]
びっくりだなぁと笑いながら言う店長に彼は少し苛立った顔をした。
「とりあえず事務所で話を聞こう。」
君はどうもありがとう。とターゲットだけを中に入れた。
「ちょ、ちょ、あの待って下さい!!僕何もしてないんですよ」
ターゲットは泣きそうな顔で店長にすがり付く。
「中で聞きますから」
なだめるような言葉にターゲットは下を向き歩き始めた。
はぁ、本当についてない。ターゲットの心の声が聞こえてきそうだ。
:10/10/22 13:22 :F06B :☆☆☆
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