天使と悪魔の暇潰し
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#132 [匿名]
「知ってるよ。ずっとやりたいと思ってた。君もだろ?」
「おう!やろうぜ。どーせ暇だしよっ。」
暇じゃなくても、彼は無理矢理暇を作って、遊ぼうとしてきただろう。
ターゲットは彼が決めた。大きな病院に入院している高校生の女の子。
髪の毛は黒く、大きな目、小さめな鼻に、薄い唇。華奢なので、どこかか弱そうに見える。
:10/11/15 10:53 :F06B :☆☆☆
#133 [匿名]
「まぁ、とりあえず行ってくるわ!」
彼は何の作戦も考えていないのに、下に降りて行った。僕には真似出来ないな、と少し感心した。
ターゲットは屋上で空を眺めていた。
「なんか見えんのか?」
何の躊躇いもなく、彼はターゲットの隣に立つと、声をかけた。
「ずっと空を見てたら、天使が見えたりしないかなーって。」
ターゲットは警戒もせず答える。
:10/11/15 12:24 :F06B :☆☆☆
#134 [匿名]
「天使じゃなくて、悪魔じゃダメなのか?」
その言葉に、ターゲットは一瞬戸惑うような顔付きになったが、すぐに緩んだ。
「悪魔は何かしてくれるの?」
「うーん、自殺を促す。」
彼は少し考えたが、あまりいい答えが出来ていないようだ。だがターゲットは笑った。
:10/11/15 12:30 :F06B :☆☆☆
#135 [匿名]
「じゃあ、悪魔に会いたいかも!天使を待つのはもう意味ないから。」
「意味ない?」
「うん、意味ないの。」
「なんで?」
「天使っているの?」
「いるよ。悪魔もいる。」
「悪魔に会いたい。」
ターゲットは僕には会いたくないらしい。隣に悪魔がいるからなのか。
:10/11/15 12:39 :F06B :☆☆☆
#136 [匿名]
それから二人は近くにあったベンチに座って、話をしていた。
天使がどーとか、悪魔は凄いとか。病院の怖い話だったり、今流行っているアイドルグループの話。
彼は何がしたいのか。ターゲットを追い詰めるなりして自殺させないと、負けてしまうというのに、楽しく話している。
:10/11/15 12:51 :F06B :☆☆☆
#137 [匿名]
「あ!やっべ、もう行かなきゃ。」
そう、彼が下に降りてから、もうすぐ二時間が経つのだ。
「あ、そっか。」
「おう、じゃあな。」
彼は立ち上がり、歩き出す。
「次はいつくるの?」
ターゲットは彼を呼び止めた。
「明日かな。」
「わかった。この時間に、私明日もここにいるから、気が向いたら来てよ!」
「おう、気が向いたらな。」
ターゲットは笑顔で手を振った。
:10/11/15 19:16 :F06B :☆☆☆
#138 [匿名]
「何で仲良くなってるの?」
二時間たっぷりと使い、彼が今日した事は、会話。時には笑い、時には真剣に、会話。
「いや…これからだよ!ったくお前はいつもせっかちなんだよ!」
彼にだけは言われたくない台詞だ。だけど僕は我慢して、作戦?とだけ聞いた。
「お、おう!当たり前だろぉが!仲良くしといて、いろいろ情報を集めてから、突き落とす!」
絶対に今考えた。僕は断言出来る。
:10/11/16 00:00 :F06B :☆☆☆
#139 [匿名]
「てかお前は俺の心配してる場合かよ!いーのかよ、行かなくて。」
彼は下を眺めながら言う。
正直僕は、初めての暇潰しだから、しっかりと作戦を考えてから行動したかった。
何も考えずむやみにターゲットに近付くのは、危険な気がしたのだ。特にこのターゲットは何らかの病気なはずで、慎重にいく必要がある人間だと思っていた。
:10/11/16 00:07 :F06B :☆☆☆
#140 [匿名]
仲良くなるのも一つの手だとは思ったが、彼に先を越されてしまった。
しかもターゲットはあんなに楽しそうに笑っていたので、僕はそれ以上にターゲットを楽しませる自信がなかったのだ。
女は難しい。
人間も、天使も、悪魔も。
:10/11/16 00:11 :F06B :☆☆☆
#141 [匿名]
二日目
結局僕は、考えても考えても、良い作戦は思い浮かばなかった。
人間は何が起きた時、死にたくないと思うのだろうか。死なない僕には検討も付かなかった。
「そろそろ時間だ。」
と彼は独り言を呟き、下に向かった。昨日と同じ時間。同じ場所。
:10/11/16 00:21 :F06B :☆☆☆
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