天使と悪魔の暇潰し
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#218 [匿名]
やっぱり彼は楽しそうだ。人間の不安や恐怖心を煽るのが、この上ない楽しみのようだ。
悪魔だからいいものの、天使や人間だったら、かなりの悪趣味だと思う。
「僕だったら泣いちゃうかも。」
ちょっと馬鹿にして言ったつもりだったのだが、彼には理解されていなくて、ただ自信を付けさせてしまったみたいだ。
:10/12/23 18:08 :F06B :☆☆☆
#219 [匿名]
「まあ、作戦も決まった事だし!…あれでも食いにいくか?」
彼の言うあれとは、ハンバーガー。僕達の大好物だ。
作戦が決まったのは彼だけで、僕は何も決まっていないが、彼の話に乗る事にした。
ハンバーガーが食べれるなら、勝ち負けなんてどうでもいい。と、思ったりもする。
:10/12/23 18:12 :F06B :☆☆☆
#220 [匿名]
二日目
とりあえずターゲットの様子を見る事にした。
仕事に行く時や、どこかに出掛ける時などに、偶然を装い遭遇出来たらいいなと考えた。
が、一向に外へ出ない。朝から様子を見て、もう18時を回ってしまった。
ずっとパソコンをいじっていて、そこから動こうとしない。ポテトチップスやらのお菓子の袋やカップラーメンのカップなどが散乱している。
:10/12/26 11:35 :F06B :☆☆☆
#221 [匿名]
「あいつヒデェ生活してんなー。あの散らかりよう見ると、毎日こんな生活してんじゃねぇの?」
彼はターゲットを見る時、いつも苦い顔をする。生理的に受け付けないんだろうな。彼と一緒で、僕も受け付けない。
人を殺しておいて、いつもと変わらない毎日を送っているなんて、信じられない。
「僕、あの家行って来ようかな。」
一軒家で、両親と住んでいる事は分かった。父親はいなかったが、きっと仕事だろう。母親がせっせと晩御飯を作っている。
:10/12/26 11:44 :F06B :☆☆☆
#222 [匿名]
「じゃあ俺も行くよ。幽霊になってな!」
あまり乗り気にはなれなかったけど、彼と一緒に行く事にした。勿論彼は姿を消している。人間には見えないけど、僕には見える。彼の前に来たらうっすら姿を現すんだろう。
ターゲットの家の前。何のへんてつもない普通の一軒家だ。「金子」というらしい。
ピンポーン。
彼がインターホンを勝手に押した。
:10/12/26 11:52 :F06B :☆☆☆
#223 [匿名]
「はい!」
きっと母親だろう。女性の声が聞こえる。
「あ、すみません。鈴木と申しますが、息子さんとお話がしたいんですけど。」
鈴木と適当に名乗った。
「お前なんか怪しくねーか?もっとそれらしーこと言えねぇのかよ。」
「君が勝手に押したから、何も考える時間なかったんだよ。」
:10/12/26 11:57 :F06B :☆☆☆
#224 [匿名]
僕たちが言い合っていると、ガチャっとドアが空いた。
「どうも。あのーどういったご用件で。うちの息子は人と関わりを持たない方なので…。」
とても優しい雰囲気を感じたが、どこかビクビクしていて、何かに怯えているようだった。
「この間知り合いましたので、もう少しお話がしたいと思いまして。」
当たり障りのないように言ったつもりだった。
:10/12/26 12:05 :F06B :☆☆☆
#225 [匿名]
「あぁ。とてもありがたいのですが、話すことが苦手な子なので、あなたには会うかどうか…。でも、どうぞ。せっかくですので上がってください。」
結構簡単に家に入れてくれた。とても綺麗で、埃一つないほどだ。居間でお茶を入れてくれ、息子に声をかけてきますね、と二階に上がって行った。
僕は二人の会話を聞くことにした。
:10/12/26 12:15 :F06B :☆☆☆
#226 [匿名]
「たけるー?お友達がきてるわよ。」
ドアをノックして、中には入らずにターゲットに声をかけている。ターゲットは「たける」というらしい。
「……………」
ターゲットの部屋からは何の声も聞こえて来ない。無視している。
「たけるー?」
母親はもう一度呼び掛けた。
その瞬間ドンっと何かがドアに当たる音がした。たまらず短い悲鳴をあげてしまった母親や、何も言わずに僕達がいる居間に下りてきた。
:10/12/27 17:07 :F06B :☆☆☆
#227 [匿名]
だいたいの予想はつく。
ターゲットは母親との会話を拒否し、僕たちとの面会も拒否した。
昨日会った時の印象と、何も変わらない。ただただ、不愉快だった。
「ごめんなさいねぇ。あの子いつもあんな感じなのよ。」
母親は苦笑しながら言う。そして遠回しに帰ってくれないかしら、と僕に伝えて来た。
:11/01/03 22:46 :F06B :☆☆☆
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