亡き君に告ぐ
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#136 [不発花火]
毎度の如く、同じ夢。
自分が殺した少女の夢。
「くそッ…」
眠りについて直ぐに見る夢は、自分が3年前に殺した少女の夢ばかりだった。
毎日のように夢に現れる少女の顔を見る前に、必ずと言っていい程に目が覚める。
:11/01/08 16:12
:SH04B
:GxI.VZ8M
#137 [不発花火]
だが、3年前より明らかに長く夢を見るようになった。
殺した翌日は真っ暗な闇だった。
半年してから泣き声が聞こえるようになった。
1年が経過すると少女の姿が僅かに見えるようになった。
2年が経つと、少女の姿ははっきりと見えるようになった。
:11/01/08 16:13
:SH04B
:GxI.VZ8M
#138 [不発花火]
そして3年が経過した今、少女が語りかけてくるようになった。
少しずつ少女が自分に近付いているのを感じた。
だが、3年の長い年月の中で自分は今だに警察に身元が割れていない。
警察は最初の捜査で躓いたのだ。
:11/01/08 16:14
:SH04B
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#139 [不発花火]
自分ではない全く関係のない人間に容疑をかけ、2年に渡り裁判を続けた。
しかし、結局無実だと発覚した訳だが後の祭。
長い月日は自分が犯人だという真実を消すには充分過ぎる時間だった。
一番最初の捜査で躓くと、解決は極めて困難になるというのは本当だったのだ。
:11/01/08 16:14
:SH04B
:GxI.VZ8M
#140 [不発花火]
時効がない今、無実になることは未来永劫ないが、恐らく自分は永遠に捕まることはないだろう。
完璧な殺人だった。
目撃者すらない完璧な殺人。
加えて、無差別の快楽殺人。
溜まっていた鬱憤を晴らす為に幼い少女の命を奪った。
:11/01/08 16:15
:SH04B
:GxI.VZ8M
#141 [不発花火]
自分と少女や少女の家族とは何の接点もない。
そして証拠も残っていない今、自分が捕まることは皆無だった。
無抵抗の少女を殺すのはとても心地が好いものだった。
恐怖に怯えた大きな瞳に自分が写った瞬間、どんな残忍な方法で殺してやろうか悩んだ。
:11/01/08 16:16
:SH04B
:GxI.VZ8M
#142 [不発花火]
細い少女の首に手をかけ、力を込めると意図も安易く鈍い音を立てて折れてしまった。
少女が事切れた刹那、抑えようのない快楽が体を支配し、セックスよりも酷く興奮した。
自分でも異常だと思ったが、罪悪感すら湧かなかった。
だが、少女が夢に現れてからまともに眠れない日々を過ごしているうちに段々、恐怖と僅かながらの罪悪感を感じるようになった。
:11/01/08 16:16
:SH04B
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#143 [不発花火]
自分は、あの夢に恐怖していた。
「何なんだ…言いたいことがあるなら言え!クソっ…」
死人に口ナシとは本当によく言ったものだ。
「ちくしょう…今日もまともに寝れやしねぇ」
:11/01/08 16:16
:SH04B
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#144 [不発花火]
布団から起き上がり立ち上がると、少女を殺した後も変わらず住み続けているボロアパートの床はギシギシと悲鳴を上げた。
「…酒でも呑むか…」
それと、一人言が増えた。
一人暮らしは高校を卒業してから田舎を離れてからしているし、もう長い時間が経つが元から余り喋るのが好きじゃなかった為慣れてはいるが、少女を殺したあの日から一人が格段に増えた。
やはり自分は恐怖しているのか。
:11/01/08 16:17
:SH04B
:GxI.VZ8M
#145 [不発花火]
幼い少女を殺し、未来を奪ったことに。
裁かれることに。
冷蔵庫を開けると、暗い部屋がぼんやりと明かりに照らされる。
冷蔵庫に敷き詰められたビールや焼酎、酎ハイの缶から厳選していると、後ろから夢と同じ泣き声が聞こえた。
「―…ッ!?」
:11/01/08 16:17
:SH04B
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