亡き君に告ぐ
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#180 [不発花火]
「凍死するしかないよ」

隣で少年が笑いながら言う。

あれから少年は、私の傍にくっついて回った。

私自身は確かに一度死んだはずなのに、なぜだか他の人間に見えてはいるが(普通にコンビニで買い物が出来たのが証拠)、少年は誰にも見えていなかった。

⏰:11/01/27 10:33 📱:SH04B 🆔:0FYnLcmw


#181 [我輩は匿名である]
「凍死なんて出来る訳ないでしょ。冷凍庫にでも押し込むつもり?」

少年の皮肉に、私も皮肉で返すが少年は気にしていないようでまだ笑っている。

「僕なんて首が180度曲がって口から血の泡を吹いて死んだんだよ。それに比べたら冷凍庫に入って凍死のがいいでしょ」

⏰:11/01/27 10:33 📱:SH04B 🆔:0FYnLcmw


#182 [我輩は匿名である]
どこがいいんだ。
業務用冷凍室のような広いところならともかく、家庭用の冷凍庫に押し込められて死ぬなんてドリフのコントでもそんなのはない。

それはともかく、少年の言葉が気にかかった。

傍にいる、名前も知らない少年の死に方。

事故だろうか。

⏰:11/01/27 10:34 📱:SH04B 🆔:0FYnLcmw


#183 [我輩は匿名である]
「…君は殺されたの?」

少し遠慮がちに聞くと、少年は一瞬笑顔を消すが、またニコニコと笑い始める。

「…違うよ。事故だったんだ」

「…事故…」

少年は見た目からして小学2、3年生くらいだろうか。

⏰:11/01/27 10:39 📱:SH04B 🆔:0FYnLcmw


#184 [我輩は匿名である]
その年齢なら事故死でも納得がいくが、まだ幼い少年の急な死を憐れに思った。

「僕はブランコから投げ出されたんだよ…」

少年の笑顔の中にどこか悲しげなものが混じっていたのは、きっと気のせいじゃない。

⏰:11/01/27 10:40 📱:SH04B 🆔:0FYnLcmw


#185 [我輩は匿名である]
「この話は終わり!さあ、お姉さんはどうやって美しく死ぬつもりなの?」

「…私は」

美しく死ぬことは難しい。
餓死は醜いし、きっと誰かしら異臭に気付き腐敗してる遺体を見付けるだろう。

それだけは嫌だった。

やはり凍死が一番理想的だが、用意が出来ない。

⏰:11/01/27 10:41 📱:SH04B 🆔:0FYnLcmw


#186 [我輩は匿名である]
エベレストにでも行く?

なんて、冗談。
それならば。

「…樹海に行く。綺麗なドレスを着た白骨死体なんて素敵じゃない?昔お母さんが話してくれた令嬢も、綺麗なドレスを着た白骨死体で見つかったの」

彼女のような、死して尚愛されるような美しい死体に。

⏰:11/01/27 10:41 📱:SH04B 🆔:0FYnLcmw


#187 [我輩は匿名である]
「…磁場が狂う程奥に行かなければ死体なんてすぐに見付けられちゃうよ」

「樹海でコンパスが効かないなんて話、信じてるの?それに失敗すればまたやり直せるんでしょう?」

満足のいくまで、私は何度だって死んでみせる。

その時の私は、自分が一度感じた死への恐怖にまだ気付けないでいた。

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⏰:11/01/27 10:41 📱:SH04B 🆔:0FYnLcmw


#188 [我輩は匿名である]
報復など、醜いだけだと


―死して尚、屍―

⏰:11/01/29 21:15 📱:SH04B 🆔:T5g04vLM


#189 [我輩は匿名である]
『僕は君の友達だよ』


僕の友達は、僕を置いて逃げたんだ。

事故なのはわかっていた。

けれど、僕は薄れゆく意識の中で走り出す君の背中を見たんだ。

僕はあの時、確かに生きていたのに。

⏰:11/01/29 21:15 📱:SH04B 🆔:T5g04vLM


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