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#14 [。Я]
 
ナツミは彼女が何故か気になって、何気なく見ていた。

その女子高生は化粧品コーナーに向かい、商品のつけまつ毛をひとつ手にとった。

それをそっとカーディガンのポケットに入れた。

ナツミは見てしまった。

ナツミの視線に気づいたのか、女子高生はそちらを見た。

ナツミは声も出ず、口が軽く開いていた。

女子高生は小悪魔のような笑顔を作る。
 

⏰:11/02/03 18:11 📱:Premier3 🆔:d3Soa1Cw


#15 [。Я]
 
そのままナツミの方に向かって歩いてきた。

ナツミの横を歩きながら、彼女の右肩を軽く2回叩いた。

ナツミにはそれが『誰にも言わないで』というサインに思えた。

女子高生は店を出ていってしまった。

店員に言おうか迷ったが、やっぱり言えなかった。

真面目なナツミは少し罪悪感を抱えながら、家に帰った。

万引きなんてよくあることだ、と自分に言い聞かせた。
 

⏰:11/02/03 18:22 📱:Premier3 🆔:d3Soa1Cw


#16 [。Я]
 
‐4‐

電車の中は少し暑いくらいだった。

外は晴れていて、雲はほとんど見えない。

太陽の光が、暖房の少し効いた電車の中に差し込む。



ナツミは前の駅で友達と別れて、一人で長い座席に座っていた。

その目の前に誰かが座った。

ナツミはすぐに分かった。

確かにあの女子高生だ。
 

⏰:11/02/03 18:34 📱:Premier3 🆔:d3Soa1Cw


#17 [。Я]
 
ナツミが携帯を触っている彼女を少しの間見ていると、彼女は顔を上げた。

すかさず目をそらした。

だが、その女子高生はナツミのことを覚えていたらしく、ナツミのすぐ横に移動してきた。

彼女はナツミを笑顔でじっと見ている。

ナツミは無視し続けた。

女子高生もめげずに見続けた。

二人にはすごく長く感じただろうが、ほんの数秒のことだった。
 

⏰:11/02/03 18:42 📱:Premier3 🆔:d3Soa1Cw


#18 [。Я]
 
先に口を開いたのは、意外にもナツミだった。

「何ですか?」

「こないだ100円ショップにいた子だよね?」

ナツミが言ったあとすぐ、女子高生も口を開いた。

「えっ…。」

ナツミは一瞬戸惑ったが、軽く頷いた。

「あの後、店員に言ったの?」

「言ってないです。」

ナツミは下を向いたまま答えた。

「なんで言わなかったの?」
 

⏰:11/02/03 18:50 📱:Premier3 🆔:d3Soa1Cw


#19 [。Я]
 
女子高生の言葉が意外だったので驚いた。

「なんでって…。あんなふうに肩叩かれたら言えない…」

ナツミはおどおどしながら答えた。

「それでも言う人はいるよ。」

そう言って、彼女は急におとなしくなった。

しばらくの間沈黙が続いた。

不思議な間だった。

普通、沈黙というのは居心地が悪いものだ。
 

⏰:11/02/03 18:57 📱:Premier3 🆔:d3Soa1Cw


#20 [。Я]
 
相手次第で長く、重く、感じることもある。

しかし、穏やかだった。

天気のせいだろうか。



沈黙の1分間 ― 。

この時間は、二人を落ち着かせた。

この時間のおかげで、二人の距離が縮んだように思えた。
 

⏰:11/02/03 19:04 📱:Premier3 🆔:d3Soa1Cw


#21 [。Я]
 
今度は、女子高生が先に口を開いた。

「ねぇ、また会える?」

さっきと明らかに声のトーンが違う。

ナツミは驚いて、やっと女子高生の方を見た。

答えることができなかった。

電車が駅に着いた。

「ここで降りるね。じゃあ、また。」

女子高生は得意の笑顔でそう言って、電車を降りていった。
 

⏰:11/02/03 19:12 📱:Premier3 🆔:d3Soa1Cw


#22 [。Я]
 
よく運命の人とは『赤い糸』で結ばれているという。

それは男女の関係のことをさす。

しかし、それだけではないのではないだろうか。

例えば、家族、友達、上司や先輩、後輩。

どんな関係にも結びつけられるだろう。




あの二人もそうかもしれない。
 

⏰:11/02/03 19:21 📱:Premier3 🆔:d3Soa1Cw


#23 [。Я]
 ‐5‐

テスト期間に入った。

午前中に1日目のテストが終わり、ナツミは友達と塾へ向かっていた。

その途中でコンビニに立ち寄った。

そう、そこでまた二人は再会した。

あの女子高生がレジの中にいた。

ナツミは、はっとした。

彼女もナツミに気づいた。

二人はお互い名前も知らない。

どうやって声をかけたらいいか分からない。

ナツミは商品を選び、すぐにレジへ向かった。
 

⏰:11/02/05 11:17 📱:Premier3 🆔:37kV7Qhg


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