◎△ モダン。
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#31 [。Я]
ナツミはリオの目から視線をはずして言った。
「じゃあ、お金はなんで存在するの?お金なんて人間の心を左右する悪い欲の塊なのに。」
ナツミは黙りこんだ。
少し不気味に感じた。
「小さい子が物を盗んだりするのは、お金の価値を知らないから。大きくなるとお金の価値を知るから、別の感情から万引きをする。」
:11/02/05 12:25
:Premier3
:37kV7Qhg
#32 [。Я]
「思春期の時期にする万引きは物欲じゃない。ストレス発散や自分の気持ちを誰かに気づいてほしくてするの。成長するにつれてお金の価値を知ってしまうと、醜い部分が生まれるんだよ。」
「何が言いたいの?」
ナツミは恐る恐る聞いた。
「考えたことない?お金が無かったら、人間はこんなにも欲にまみれてなかったかもしれないって。私はお金が嫌いなんだ。」
:11/02/05 12:33
:Premier3
:37kV7Qhg
#33 [。Я]
ナツミは首をかしげた。
リオが何を言っているのか、よく分からなかった。
「別に万引きが正義だって言ってるわけじゃないけど。」
少しの間沈黙が続いた。
コンビニの駐車場では、車が多く出入りしている。
リオがまた口を開いた。
「ごめんね、暗い話聞かせちゃったね。」
久しぶりに笑顔を見せた。
:11/02/05 12:44
:Premier3
:37kV7Qhg
#34 [。Я]
沈黙の前の暗く重い空気が嘘みたいだった。
ナツミはリオの笑顔の力を感じた。
「あっ!せめてアドレス教えて欲しい!!」
リオはそう言って、慌ててポケットから携帯を取り出した。
「うん!」
ナツミは初めてリオの前で笑顔を見せた。
不思議とさっきの不安はナツミから消えていた。
何故かリオは信頼できるような気がした。
:11/02/05 12:53
:Premier3
:37kV7Qhg
#35 [。Я]
ありえない話だ。
しかし、生きていると、思ってもみなかったことが沢山起こる。
予想していたことのだいたいははずれ、良い方向にも悪い方向にも、事態は急展開する。
そんなことに誰もが何度も遭遇したことがあるだろう。
:11/02/05 13:24
:Premier3
:37kV7Qhg
#36 [。Я]
それから二人はよく会うようになっていた。
ナツミは少し勉強がおろそかになっていた。
掲示板に書き込む回数も減ってきた。
今までにないくらい、毎日が楽しかった。
勉強やネットに逃避していた毎日とは違った。
リオとの出会いがナツミの人生を変えた。
良い方向にも悪い方向にも。
:11/02/05 13:25
:Premier3
:37kV7Qhg
#37 [。Я]
‐6‐
赤や緑、青や白などの何色もの光が街中に広がっている。
クリスマスの時期だ。
夜の街は自然とカップルたちの姿が目立ってくる。
その中をナツミはひとりで家に帰っていた。
住宅地にもたくさんのイルミネーションがはりめぐらされている。
明るい夜だ。
しかし、空は暗かった。
:11/02/15 09:23
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:A2nrjRCA
#38 [。Я]
「ただいま〜。」
玄関に入ると、両親の靴があることに気づく。
めずらしく早帰りだ。
廊下は電気がついておらず、暗かった。
そのせいか、余計にリビングから廊下にもれた光が目立った。
リビングのドアを開け、ナツミが中に入る。
その時目に入った光景は、クリスマスの時期とは思えない暗い雰囲気の漂うリビングだった。
:11/02/15 09:32
:Premier3
:A2nrjRCA
#39 [。Я]
ソファに弟が座っていた。
その横に母親。
父親はそのそばで立っていた。
机の上には小さな文房具がいくつか置いてある。
母親は膝に肘をつき、両手で顔を覆っている。
あとの2人も暗い表情だった。
ナツミは事態が読み込めなかった。
ただ分かることは、何か良くないことが起こったということだけ。
そして、これから何が起きるのか不安で仕方なかった。
:11/02/15 09:41
:Premier3
:A2nrjRCA
#40 [。Я]
ナツミは3人に近寄った。
それに気づいた父親はナツミの方を見た。
「おかえり。」
父親は静かに言った。
母親が顔をあげた。
何もかもに疲れきったような顔をしていた。
「どうしたの?」
ナツミは恐る恐る聞いた。
「達也がね、万引きした。」
そう言って、母親はまた下を向いて両手で顔を覆ってしまった。
:11/02/15 09:54
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