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#317 [愛華]
「……そろそろ行こうよ。
なんかちょっとまずいし…」


女子たちはパタパタとドアに
走ってゆく。


あたしはそれを見ることもなく
ただ手でぎゅっと首を抑える。


すると、ドアが開く音と共に
ついさっきまで頭に想い浮かべて
いた人の声がした。


「なにがまずいんですか?」

⏰:11/03/22 23:07 📱:840SH 🆔:1HSINVcg


#318 [愛華]





…………え。




「あ、ここにいたんですか」

「天宮……なんで……」


天宮はあたしの質問には答えずに
あたしから女子たちに視線を
移した。

⏰:11/03/22 23:10 📱:840SH 🆔:1HSINVcg


#319 [愛華]
「……あんたら、2組の女子
だよな。陽向さんに何か用?」

「いや、あの………」


天宮はもう一度あたしに視線を
移した。いつもの、微笑み。



「……陽向さん、教室に
戻ってて?俺もすぐ行くから」

「………わかっ……た」


あたしは首から手は離さずに、
ドアとは反対の方に走った。

⏰:11/03/22 23:14 📱:840SH 🆔:1HSINVcg


#320 [愛華]
どうして、来たんだろう……。
首のケガ見えてしまったかも
しれない。


さっきいつもの微笑みの後に
一瞬見えた冷たい目。


あれは天宮が怒っている証拠。


さっき教室で言ったことを
怒ってるのかもしれない。
というかそれしか考えられない。


目が熱くなってきた気がした。

⏰:11/03/22 23:18 📱:840SH 🆔:1HSINVcg


#321 [愛華]










俺はふーっと長い息をはく。


怒りを吐き出すように。
心を、落ち着けるように。


「……で?陽向さんになんの用」

⏰:11/03/22 23:20 📱:840SH 🆔:1HSINVcg


#322 [愛華]
「……噂が、本当かどうか
確かめようかと思って……」

「陽向さんの首やったのも
あんたたちか?」

「わざとじゃなくて………」



俺は頭をかいた。
まさかこんなに早く
事態が動くとは………。


「結論から言うと噂は嘘だ。
陽向さんはちゃんと転入テストを受けて円に入った。」

⏰:11/03/22 23:24 📱:840SH 🆔:1HSINVcg


#323 [愛華]
女子たちはもじもじとして
早くここを立ち去りたい、
というバツの悪そうな顔を
している。


「……他に聞きたいことは?」


俺がそう聞くと、女子たちは
顔を見合わせ首を横にふる。


「……陽向さんに、変なこと
しないようにね。もしまた
ケガさせたりしたら何するか
わかんないよ」

⏰:11/03/22 23:29 📱:840SH 🆔:1HSINVcg


#324 [愛華]
「え……羽田さんが?」

「いや俺が。」



女子たちは一瞬だけ固まって
引きつった笑顔を浮かべると
一目散にドアに駆け出した。



…俺そんなに怖い顔してたかな。
まぁいっか。あれぐらいで。


教室に行こうと足を進めると
さっきまで気がつかなかった
花の香りが鼻をかすめた。

⏰:11/03/22 23:34 📱:840SH 🆔:1HSINVcg


#325 [愛華]










あたし、何やってんだろ。

頭の中がガンガンする。



「お前は何もしなくていい。
俺の言うことだけ聞いてろ」

⏰:11/03/23 22:05 📱:840SH 🆔:gWV8zvo6


#326 [愛華]
ごめんなさい。
ごめんなさい。



「あんたみたいなやつが
この高校に入れるわけない」



ごめんなさい。
ごめんなさい。




誰もあたしを見てくれない。
あたしを……信じてくれない。

⏰:11/03/23 22:08 📱:840SH 🆔:gWV8zvo6


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