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#531 [愛華]
なのに今は………怖いよ。



あたしは俯いたままゆっくりと
天宮の前に座る。

すると天宮はあたしを引き寄せ
後ろから抱きしめるようにして
腕をあたしの前で組んだ。


天宮の体温と心音が
直にあたしに伝わってくる。

⏰:11/07/10 19:01 📱:840SH 🆔:JPLGslaw


#532 [愛華]
「………陽向さんいいにおい」

「天宮のヘンタイ」

「それにあったかいね」

「無視ですか」


肩に乗ってる天宮の顎が
心なしか震えてる気がした。


「……話ってなに?」

「あ、うん。あのね。


陽向さん、一人暮らしは嫌?」

⏰:11/07/10 19:06 📱:840SH 🆔:JPLGslaw


#533 [愛華]






イマ、ナンテ?


ヒトリグラシ?ダレガ?



「あたし………が?」


しばらくの沈黙の後に出た自分の声は驚くほどかすれていた。

⏰:11/07/10 23:09 📱:840SH 🆔:JPLGslaw


#534 [愛華]
「はい。陽向さんも年頃ですし。
一人暮らしの方が気が楽でしょ?
実はもう部屋も……」

「嫌だよ!聞いてないよ!!」


天宮の手を振りほどいて、
振り返りながら叫ぶ。



嫌、だ。

どうして?どうして?


頭が真っ白だ。

⏰:11/07/10 23:14 📱:840SH 🆔:JPLGslaw


#535 [愛華]
「………陽向さん。俺は…」


「あたしの………せい?」


天宮の目が大きく見開かれる。


「あたしが……天宮が警戒しろって言ったのにしないから?」

「違う……」

「天宮に頼ってばっかで……」

「違う……」

⏰:11/07/10 23:23 📱:840SH 🆔:JPLGslaw


#536 [愛華]
腕に力が入らなくなってきた。
視界がぼやけてゆく。


「あたしが……天宮に依存
しすぎてるから……?」

「……………」


「あたしのこと嫌いになっ……」


その続きは、天宮があたしを
強く抱きしめたことで遮られた。


「そんなわけない………」

⏰:11/07/10 23:27 📱:840SH 🆔:JPLGslaw


#537 [愛華]
嫌。
ひとりは嫌。



もう、戻りたくない。
ひとりぼっちの夜は辛すぎるよ。きっと耐えられない。


天宮がいなきゃ………
あたしは、あたしじゃなくなる。



「………じゃ、なんで……?」

⏰:11/07/10 23:30 📱:840SH 🆔:JPLGslaw


#538 [愛華]
「……陽向さん。俺たちは
『家族』であると同時に、
ただの男と女でもあるんです。

このままじゃダメなんです」

「いみ……わかんなっ…」


涙のせいで上手く言葉が
繋がらない。
天宮はゆっくり体を引き離すと、あたしを哀しそうに見つめる。




「依存してるのは、俺なんです」

⏰:11/07/10 23:39 📱:840SH 🆔:JPLGslaw


#539 [愛華]
あたしの頬を包む優しい両手の
掌は、あたたかかった。



「会えなくなるわけじゃない。
学校でも会えますし。

だから、もう泣かないで」


そう言うと、天宮は
涙で濡れたあたしの瞳にキスを
落とした。

次に頬、耳、額、首。


天宮の熱が刻まれる。

⏰:11/07/10 23:47 📱:840SH 🆔:JPLGslaw


#540 [愛華]
「……天宮ぁ……」

「だから泣くなっつの。

そんな顔されたら揺らぐだろ」


天宮は吐息がかかるほど近い
距離でそう呟いた。


敬語じゃないのに優しい口調。




もう、わからない。
天宮の本音がどこにあるのか。

⏰:11/07/10 23:52 📱:840SH 🆔:JPLGslaw


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