†horror†
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#241 [輪廻◆j6ceQ96kak]
男性がとっさにリュックを手に取って中身を確認する。
男性『響歌ちゃん! 携帯ってこれ?』
響歌『…そ、それです!』
男性が倒れた男に背を向けてリュックの中身の確認を続けている時―
男性の後ろで、動かなくなっていると思っていた男が静かにポケットからナイフを取り出した瞬間を響歌は目撃した。
:11/07/05 00:12 :T004 :Ps175YeA
#242 [輪廻◆j6ceQ96kak]
響歌『うっ、後ろ!!』
響歌がそう叫んだのとほぼ同時だった―
男性『……ぐふっ!』
男は背後から男性の下腹部を一瞬にして刺した。
そして一瞬にして男性はその場に倒れた。
地面に大量の血が広がっていく。
響歌『いやああああああああああ!!』
女性『……え?』
響歌の隣にいた女性も、男性の変わり果てた姿を見てその場に崩れ落ちた。
:11/07/05 00:18 :T004 :Ps175YeA
#243 [輪廻◆j6ceQ96kak]
血まみれのナイフを持ったまま男が立ち上がり二人に向かってゆっくりと歩み寄ってくる。
男『次は君達の番…』
響歌『…お、お姉さん…く、車…車で早く逃げないと…』
女性『む、無理だよ…。ウチ、免許取ったばっかだし…』
響歌『い、今はそんな事言ってる場合じゃないです!』
二人はなんとか立ち上がって、車へとフラフラ向かう。
:11/07/05 00:24 :T004 :Ps175YeA
#244 [輪廻◆j6ceQ96kak]
なんとかたどり着いたが、運転席を見た女性が困り顔をした。
女性『あれ…? 車のキーがない……あっ!』
響歌『ど、どうしたんですか? 早くしないと…』
女性『車のキー、確か剛史が車を降りる時にポケットに…』
響歌『…じゃ、じゃあ鍵はあの人のポケットにあるって事ですか…?』
:11/07/05 00:31 :T004 :Ps175YeA
#245 [輪廻◆j6ceQ96kak]
女性『ど、どうしよう…』
男性はあの男の後ろに倒れていて、男性と響歌達がいる車を挟んで男がこちらに迫ってきている状態だ。
鍵を取りに行くとしても、正面にいる男を突破しなければ彼の元へはたどり着けない。
警察はいつ到着するかわからない。
選択肢は二つしかなかった。
:11/07/05 00:38 :T004 :Ps175YeA
#246 [輪廻◆j6ceQ96kak]
警察の到着までの間ひたすら逆方向に逃げるか、男の脇を全速力で走って突破して鍵を取りに行くかだった。
しかしこの状況で逃げた場合、後々警察との行き違いや誤解などが発生するという問題もある。
響歌は覚悟を決めた。
響歌『あ、あの…私が鍵を取りに行くのでお姉さんは車の中で待っててください!』
:11/07/05 00:47 :T004 :Ps175YeA
#247 [輪廻◆j6ceQ96kak]
女性『で、でも…』
響歌『お姉さん達がいなかったら私…どうなっていたかわかりません…。だからお礼させてください』
女性『…わかった。気をつけて…!』
響歌は軽く礼をし、回れ右をして男の方へ振り返った。
ニヤニヤ顔でゆっくりと、そして確実に近づいてくる男。
:11/07/06 10:20 :T004 :poCJnCg.
#248 [輪廻◆j6ceQ96kak]
響歌は唾を飲み込んで、車道の左脇へと移動する。
ふと、下を見ると小さな石が散らばっていた。
響歌はそれを数個手に取って男の方に投げると、男が石に気を取られている間に向こう側へと一目散に駆け抜けた。
血まみれで倒れる男性の元へとたどり着き、ポケットを探り鍵を探す。
:11/07/06 10:25 :T004 :poCJnCg.
#249 [輪廻◆j6ceQ96kak]
響歌『あった…』
見つけた車の鍵を空に掲げて車に戻ろうとするも、男は方向を変えて響歌の元へと向かってきた。
周りを見て石を探す。
石はなく、変わりに男が先ほど撃った捕獲銃が置かれていた。
それを見た響歌は反射的にその銃を手に取ると、男に銃口を向けた。
:11/07/06 10:34 :T004 :poCJnCg.
#250 [輪廻◆j6ceQ96kak]
響歌『アンタのせいで雪乃は…! このお兄さんは!』
銃の扱いはわからない。
しかし、この引き金をひけば弾が出る事はわかっていた。
男『素人の君に、弾を私に当てる事なんてできないよ…。それはレーザーポインタがついてない限り、狙いを定めて撃つのは難しいんだから』
響歌『黙れ!』
気づくと、頭で考えて発するより先に言葉が出ていた。
:11/07/06 10:40 :T004 :poCJnCg.
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