†horror†
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#541 [輪廻◆j6ceQ96kak]
そして話を続けた。


『それでまず被害者のご家族に遺留品を渡そうと思って来たんだけど、どうして表札の名字と被害者の名字が違うのか教えてくれる?』

警官の質問に、蓮は腕で涙を拭いながら答える。


蓮『ここは麗奈の実家ではないです。俺の兄ちゃんと結婚を決めててここに同居する事になって…』

そう説明すると警官は『なるほど』と納得するように頷いた。

⏰:11/09/22 13:55 📱:S004 🆔:9TodJUh2


#542 [輪廻◆j6ceQ96kak]
『じゃあ杉本麗奈さんの実家の住所を教えてくれるかな?』

そう言ってメモ用紙とボールペンを渡す警官。


だが蓮はそれを受け取る事なく首を横に振った。


蓮『俺は知りません』

キッパリ言い放つと、警官2人は困惑した表情を見せる。

⏰:11/09/22 14:02 📱:S004 🆔:9TodJUh2


#543 [輪廻◆j6ceQ96kak]
『どうしてわからないのかな?』

中年警官の目は疑いの目つきへと変わる。


蓮『俺の父さ…いや…その…』

いやに口ごもる蓮に我慢できなくなったのか、若い警官が拳を震わせながら前に出た。


『これは重要な事なんですよ! なぜわからないんだ!』

今にも蓮に飛びかかっていきそうな警官を中年警官が『まあまあ』と抑える。

⏰:11/09/22 14:12 📱:S004 🆔:9TodJUh2


#544 [輪廻◆j6ceQ96kak]
『お前は下がっていろ』


『いやしかし…』


『…下がっていろ』

中年警官の威圧に負けた若い警官は、言われた通り一歩下がる。


そして再び蓮の顔を見て言った。


『この家に他のご家族の方はいるの? その、さっき言ってた君のお兄さんとか』

そう聞かれた瞬間、蓮の肩がピクリと動いたのを響歌は見逃さなかった。

⏰:11/09/22 14:34 📱:S004 🆔:9TodJUh2


#545 [輪廻◆j6ceQ96kak]
 

響歌『あ、あの! 蓮のお父さんなら住所わかると思います…』

立ち上がって言うと、3人の視線が一斉に響歌に集中した。


『なるほど…。じゃあその、お父さんは今いらっしゃる?』

響歌と蓮は顔を見合わせ、やがて警官らに視線を戻す。


蓮『今いねえよ…』

そして、そう不機嫌そうに一言答えると今度は警官2人が顔を見合わせた。

⏰:11/09/22 17:51 📱:S004 🆔:9TodJUh2


#546 [輪廻◆j6ceQ96kak]
 
そして何やら小さい声で話し合い、中年警官の言葉に対しうんうん頷く若い警官。


『…ではまた来ます』

帽子を取って軽く頭を下げ、再び被り2人は出ていった。


響歌と蓮はほぼ同時といっていいくらいに小さな溜め息をついてからリビングに戻る。

⏰:11/09/22 18:03 📱:S004 🆔:9TodJUh2


#547 [輪廻◆j6ceQ96kak]
 

ソファに座った蓮は警官から渡された麗奈のバッグの中を見る。


響歌は下を向いて麗奈の事を考えた。


一体、誰が麗奈を殺したのだろうか?


犯人の動機は?


全く見当もつかなかった。


蓮『あれ…麗奈の携帯がない…』


響歌『…警察が調べてるんじゃないかな』


蓮『ああ、そうだな』

それからしばらくなんの会話もないまま時間は過ぎ去った―

⏰:11/09/22 18:14 📱:S004 🆔:9TodJUh2


#548 [輪廻◆j6ceQ96kak]
 

『ただいま』

夕方5時をさした時、その一言と共に蓮の父が帰宅した。


『ん? 部屋の電気消したままでどうしたんだ?』

リビングのソファに座り込む2人の元に駆け寄り声をかける。


その声に反応した響歌は、反射的に蓮の父の方を見て挨拶をした。


響歌『あ…どうも』

暗い態度の響歌に首を傾げながらも部屋の電気をつける。

⏰:11/09/23 11:56 📱:S004 🆔:LffOtOgg


#549 [輪廻◆j6ceQ96kak]
 

『蓮。麗奈はまだ帰ってないのか…?』

部屋をざっと見回しながら聞く。


蓮『…ニュース見てないのかよ?』

父に背を向けたままそう答えると、驚いた表情で隣のソファに座った。


『蓮、どういう事なんだ? 麗奈に何かあったのか!?』

響歌と蓮は昼のニュースの事や警官の事を全て話した。

⏰:11/09/23 12:07 📱:S004 🆔:LffOtOgg


#550 [輪廻◆j6ceQ96kak]
 

『剛史の次は…麗奈が…』

さすがにショックが大きすぎたのか、放心状態になりつつあった。


蓮『村井、ちょっといい?』


響歌『あ、うん…』

蓮は立ち上がって、響歌もその後に続く。


2階へ上がって蓮の部屋に入る。


蓮『村井、もしかして…麗奈にもデスネットからメールが来てたんじゃない?』


響歌『れ、麗奈さんにも? でもそんな事言ってなかったような…』


蓮『俺や村井に心配かけたくなくて黙ってたのかもしれない。それ以外に麗奈が殺される理由なんてないだろ…』

響歌にとっては納得できる話ではあった。

⏰:11/09/23 12:22 📱:S004 🆔:LffOtOgg


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