†horror†
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#1 [輪廻◆j6ceQ96kak]
全5話構成の長編ホラーノベルをまったりと書いていきます。


主人公は全話共通です。


※台詞に名前がつきます
┗小説というよりはゲームをやっている感覚で見ていただけると幸いです。

※文才ないです
┗初心者の為、台詞回しや文など変な所があるかもしれませんが、どうか大目に。

⏰:11/04/24 03:51 📱:T004 🆔:spXS9mck


#2 [輪廻◆j6ceQ96kak]
プロローグ




………。



私の名前は村井 響歌(むらい きょうか)


21歳。

都内で一人暮らしをしている大学生。


学校とアルバイトを両立しながら生活をしている、いたって普通の学生。



今回は私の身の回りに起きた5つの物語をあなたに…

⏰:11/04/24 04:02 📱:T004 🆔:spXS9mck


#3 [輪廻◆j6ceQ96kak]
第1話【狂気なる隣人】


今日も学校とアルバイトを終えて帰宅した。

家賃が1ヶ月8000円という格安なアパートに一人暮らしをしている私。

安いからといって、特に曰く付きの物件という事ではない。

私自身が霊感が強くないだけかもしれないが。


響歌『あ〜疲れた』

バッグと上着をベッドに投げ捨て、シャワーを浴びるべくシャワールームに。

⏰:11/04/24 04:08 📱:T004 🆔:spXS9mck


#4 [輪廻◆j6ceQ96kak]
『ゴッ! ゴッ!』

それは丁度、体を洗い終えシャンプーを手に取った時だった。

壁の向こうから何かをぶつけるような音がした。


響歌『なに…?』

しばらくすると、音は止まった。


隣の部屋の人が何かしているのだろう、と思った響歌は首を傾げながらも頭を洗う。

⏰:11/04/26 11:09 📱:SH003 🆔:5Bo.qlGs


#5 [輪廻◆j6ceQ96kak]
『ゴッ! ゴッ! ゴッ! ゴッ!』

頭をお湯で流し、今度はリンスを手に取った時に再びあの音がした。


今度はぶつける回数が先程より多い。


しかし響歌は学校とアルバイトの疲れが溜まっており、特に気にする事なくシャワーを続けた。

⏰:11/04/26 11:14 📱:SH003 🆔:5Bo.qlGs


#6 [輪廻◆j6ceQ96kak]
シャワーを終え着替えて部屋に戻った響歌。

テレビをつけてドライヤーのコンセントをつけようとした時だった。


『ゴッ! ゴッ! ゴッ! ゴッ! ゴッ! ゴッ!』

またあの音だ。


響歌『マジなんなの…うっさいな…』

疲れと同時にストレスも溜まっている響歌。

⏰:11/04/26 11:18 📱:SH003 🆔:5Bo.qlGs


#7 [輪廻◆j6ceQ96kak]
アパートが格安なのは部屋と部屋の壁が薄い為だろうと悟った響歌は、明日管理人さんに苦情を入れようと決意し、ドライヤーで頭の乾かしに入った。


『ゴッ! ゴッ! ゴッ!』

今度はドライヤーの音を掻き消すほどの大きな音がする。

隣人がドライヤーの音に対して『うるさい』とサインを送っているのだろうか。

⏰:11/04/26 11:23 📱:SH003 🆔:5Bo.qlGs


#8 [輪廻◆j6ceQ96kak]
しかし響歌がドライヤーの電源を落とした後も、しばらくその音は続いていた。


響歌『意味わかんない。言いたい事あんなら直接言えっての』

イライラが頂点に達した響歌は、その音がする壁に向かってキックをかました。


すると同時に音がピタッと止んだ。

⏰:11/04/26 11:26 📱:SH003 🆔:5Bo.qlGs


#9 [輪廻◆j6ceQ96kak]
これはもう我慢ならないと、ついに隣人の部屋へ向かう事を決めた。


ベッドに置いていた上着を羽織り、サンダルを履いて隣の部屋へバタバタと向かった。


チャイムを押す。


しかし返事はない。


部屋の電気も消えているようだ。


それよりも気になったのが、人の気配が感じられない事だ。

⏰:11/04/26 11:35 📱:SH003 🆔:5Bo.qlGs


#10 [輪廻◆j6ceQ96kak]
少し背筋が凍ったが、音がした以上は人がいる事は確かだと推理した響歌はチャイムを連打する。


響歌『すみませーん!』

右手でチャイムを押し、左手でドアをガンガン叩きながら呼んだ。


しかし一切返事はない。


すると、その部屋の隣の部屋から人が出てきた。


いつも朝にゴミ出しをしているおばさんだ。


会うと必ず挨拶をする。

⏰:11/04/26 11:40 📱:SH003 🆔:5Bo.qlGs


#11 [輪廻◆j6ceQ96kak]
響歌『武田さん…』


武田『村井さんじゃない、どうしたの? こんな時間に』

響歌は音について武田さんに話した。


武田『ああ、私も聞いた事あるよ。この部屋にはね、奥村さんという女性が一人で住んでるんだよ。管理人さんから聞いたんだけど、どうやら壁に自分のおでこをぶつけてるらしいね』

⏰:11/04/26 11:45 📱:SH003 🆔:5Bo.qlGs


#12 [輪廻◆j6ceQ96kak]
響歌『暗い部屋で、なんでそんな事を…?』


武田『さあねえ…ここの人ちょっと変わってるから。あまり関わらない方がいいよ』


響歌『でもうるさいんですよね…これじゃ寝られないかもしれないです』


武田『私も管理人さんに言ってるのよ。でも管理人さんってホラ、気の弱そうな人じゃない…だからなかなかねえ』

⏰:11/04/26 11:51 📱:SH003 🆔:5Bo.qlGs


#13 [輪廻◆j6ceQ96kak]
響歌はしばらく武田の話しに付き合わされ『そろそろ寝るから』と一方的に話を打ち切ってニヤニヤ顔で部屋に戻って行った。


響歌『さすがオバチャンパワー』


真面目に見えていた武田の別の一面を見た響歌はため息をついてから自分の部屋へ戻った。


髪は武田との長い会話中に、半分は乾ききっていた。


残りの半分を乾かす為、再びドライヤーの電源を入れた。

⏰:11/04/26 11:56 📱:SH003 🆔:5Bo.qlGs


#14 [輪廻◆j6ceQ96kak]
『ゴッ! ゴッ! ゴッ!』

凝りもせず音がする。


武田は壁におでこをぶつけていると言っていたがこのくらい大きな音であれば出血しているはずだ。


響歌『隣の人も隣の人だけど、黙ってる管理人も管理人じゃない…』

響歌は隣人よりも管理人に呆れかけていた。

⏰:11/04/26 12:05 📱:SH003 🆔:5Bo.qlGs


#15 [輪廻◆j6ceQ96kak]
その日は全く眠れなかった。

なぜなら、あの音は深夜にも定期的にしていたのだから。



―翌日


結局音のせいでまともに寝れなかった響歌。


今日もアルバイトへ行く為、眠たい目をこすりながら準備を始めた。


音はしていない。


深夜にずっと起きて壁におでこをぶつけていたせいか、もう眠っているのだろうと響歌は勝手に解釈した。

⏰:11/04/26 12:09 📱:SH003 🆔:5Bo.qlGs


#16 [輪廻◆j6ceQ96kak]
洗顔などを終え、着替えてから化粧を簡単に済ませ、早々と部屋を後にする。


帰ってきたら管理人に言おうと決めていた。


その日の昼休み、バイト仲間にあの事を話すと『ぜひ聞いてみたい』という声があがった。


響歌は『どうせなら泊まって行く?』という提案をいれるとバイト仲間は嬉しそうにして首を縦に振った。

⏰:11/04/26 12:16 📱:SH003 🆔:5Bo.qlGs


#17 [輪廻◆j6ceQ96kak]
アルバイトが終わり、大学へと向かう。


学校が終わったらバイト仲間に連絡を入れて、家に泊まりに来てもらう事になった。


一人でいるのが少し怖いと思っていた響歌には好都合だった。


学校が終わると早速バイト仲間にメールを入れた。


返事はすぐに来て内容は『これから行く』というものだった。

⏰:11/04/26 12:24 📱:SH003 🆔:5Bo.qlGs


#18 [輪廻◆j6ceQ96kak]
響歌は、せっかく来てくれるのだからとコンビニでお菓子や夜食を適当に買ってからアパートに帰った。


荷物を一旦部屋に置いてから、アパートの前で友達を待っている事にした。


10分くらいして、男女2人組がやって来た。


男性の方は、響歌の仕事場の数年先輩である吉田 優斗(よしだ ゆうと)


女性は、吉田と交際している同僚の松下 雪乃(まつした ゆきの)

⏰:11/04/26 12:32 📱:SH003 🆔:5Bo.qlGs


#19 [輪廻◆j6ceQ96kak]
優斗『よっ! お待たせ』


雪乃『遅くなってごめんね、響歌!』


響歌『いや大丈夫だよ。あとは中野君だけだね』


雪乃と同様、仕事場の同僚の中野 敬太(なかの けいた)


以上の3人が響歌の部屋に泊まる事になった。

⏰:11/04/26 12:41 📱:SH003 🆔:5Bo.qlGs


#20 [輪廻◆j6ceQ96kak]
待っている間、吉田は響歌にひっそりと言った。


優斗『なあ村井、お前って中野の事好きなんだろ?』


響歌『なっ! い、いきなりなんですか?』


優斗『顔赤いぞ。わかりやすいなー』


響歌『な、中野君はただの同僚です! なんであんな奴なんか…』


優斗『ふーん。いやよいやよも好きの内ってな』


雪乃『優斗くんやめなよ、今はそんな話してる時じゃないでしょ』

雪乃のフォローで、恋愛の話は途切れた。

⏰:11/04/26 12:47 📱:SH003 🆔:5Bo.qlGs


#21 [輪廻◆j6ceQ96kak]
優斗『チェッ、わかったよ』

それから5分後、向こうから中野がやってきた。


優斗『中野! 遅いぞ』


中野『いやあ、すみません。準備に手間取ったんで』

中野は肩に大きなリュックを背負っていた。


1泊するだけなのにその荷物は大袈裟だなと思いつつも彼らを部屋に招き入れた。

⏰:11/04/26 12:52 📱:SH003 🆔:5Bo.qlGs


#22 [輪廻◆j6ceQ96kak]
みんながそれぞれ荷物を置いて、響歌の周りに集まった。


響歌『あの音なんですけど、多分そろそろするかもしれません』


優斗『確かババアがデコぶつけてる音なんでしょ? ただの異常者なんじゃねーの?』


吉田の表情からは一切の恐怖という感情が見られない。


逆にそのおばさんを小バカにしているようだ。

⏰:11/04/26 13:04 📱:SH003 🆔:5Bo.qlGs


#23 [輪廻◆j6ceQ96kak]
雪乃『でも怖いよね。夜中もずっとぶつけてたんでしょ? 警察とか呼ばなくていいのかな…』


優斗『雪乃、お前に何かあったら俺が守ってやるよ。だから心配すんな』


雪乃『あ、ありがとう』

吉田が雪乃の肩に手を回しているのを見て、少々気まずい雰囲気になった。

⏰:11/04/26 13:08 📱:SH003 🆔:5Bo.qlGs


#24 [輪廻◆j6ceQ96kak]
しかしそれはすぐに打ち切られた。


『ゴッ! ゴッ! ゴッ!』


雪乃『キャっ!』

その音に敏感に反応した雪乃は小さな悲鳴をあげた。



敬太『今の音?』


響歌『そう…』


優斗『きたかババア!』

吉田はそう言って突然立ち上がり、音のする壁の方に向かった。

⏰:11/04/26 13:12 📱:SH003 🆔:5Bo.qlGs


#25 [輪廻◆j6ceQ96kak]
そして躊躇する事なくその壁をガンガンと強く叩き出した。


優斗『おいババア! うっせーんだよ!』


『ゴッ! ゴッ! ゴッ!』

しかし音は止まない。


響歌『おかしいな…いつもは止まるのに』

吉田は言葉を続ける。

⏰:11/04/26 13:22 📱:SH003 🆔:5Bo.qlGs


#26 [輪廻◆j6ceQ96kak]
優斗『さっさとくたばれババア! こっちは寝れなくて迷惑してんだよ!』

するとピタリと止んだ。


優斗『もう大丈夫かもしれないぜ』


響歌『あ、ありがとうございます』


優斗『でも一応泊まってくわ。ババアとはいえ、なんかやり返してくるかもしれねーし』


みんなは荷物から寝袋を取り出した。

⏰:11/04/26 13:26 📱:SH003 🆔:5Bo.qlGs


#27 [輪廻◆j6ceQ96kak]
雪乃『響歌、私達はこれで大丈夫だから、ベッドでゆっくり寝てね』


響歌『雪乃、ありがとう』


優斗『その前に腹減ったな』


響歌『これ適当に買ったので、よかったら食べてください』

響歌はコンビニで買ったものを吉田に渡した。

⏰:11/04/26 13:31 📱:SH003 🆔:5Bo.qlGs


#28 [輪廻◆j6ceQ96kak]
優斗『サンキューな』

中野『じゃ、俺もいただきます』

それからは4人でたわいもない世間話などに没頭し、あの音の事などを忘れていった。


時計は午後23時を迎えた。


3人は話の最中で順番に『もう寝る』と言い、深い眠りについていた。


起きているのは響歌ただ一人だ。


暗い部屋でベッドに横になって携帯電話をいじっていた。

⏰:11/04/26 13:40 📱:SH003 🆔:5Bo.qlGs


#29 [輪廻◆j6ceQ96kak]
すると、まるで響歌が一人になるのを見計らうように…


『ゴッ! ゴッ! ゴッ』

すっかり音の事を忘れていた響歌は、ハッと我に帰ってから壁の方を見る。


3人を起こそうと思ったが、悪い気もするので厚い毛布を被って音がなるべく聞こえないようにした。

⏰:11/04/27 11:23 📱:SH003 🆔:t3.q0Fzo


#30 [輪廻◆j6ceQ96kak]
しかし…

『ゴッ! ゴッ! ゴッ! ゴッ! ゴッ! ゴッ! ゴッ!』

音は更に大きくなり、まるで響歌のすぐ耳元で聞こえるような感覚に陥った。


響歌『もうやめて…』

耳を塞ぐも、音はそれを遮って聞こえてくる。

響歌は我慢の限界に達した。


3人を起こす事にしたのだ。

⏰:11/04/27 11:27 📱:SH003 🆔:t3.q0Fzo


#31 [輪廻◆j6ceQ96kak]
響歌『吉田さん! 吉田さん!』

響歌はベッドから下り、頼りになりそうな吉田から起こそうと、体を揺する。


優斗『………』

反応がない。


響歌『雪乃! 雪乃!』


雪乃『ん…』

雪乃は目をこすりながらゆっくりと目を開けた。

⏰:11/04/27 11:32 📱:SH003 🆔:t3.q0Fzo


#32 [輪廻◆j6ceQ96kak]
雪乃『響歌…どしたの…』


響歌『雪乃! 聞こえる? 音が…』


雪乃『み、耳が…』

両耳を塞ぐ雪乃。


しかし…


雪乃『音が…中に…入ってくる!!』


響歌『雪乃! 落ち着いて!』

雪乃は人格が変わったように、まるで別人のような目つきに変わった。

⏰:11/04/27 11:37 📱:SH003 🆔:t3.q0Fzo


#33 [輪廻◆j6ceQ96kak]
雪乃『鼓膜が…ギャアアアアアアアアアア!!』

そして、この世のものとは思えない悲鳴をあげ、その場に倒れ込んだ。


響歌『雪乃!!』

どうやら気絶しているようだった。

響歌は再び吉田の元に来て体を大きく揺らす。

⏰:11/04/27 11:40 📱:SH003 🆔:t3.q0Fzo


#34 [輪廻◆j6ceQ96kak]
響歌『吉田さん! 起きてください! 雪乃が!』

俯せになっている吉田の体を仰向けにしてその顔を見た時、響歌は言葉を失った。


吉田の目は白目を向いていて、顔は青白いのだ。

まるで首を強く締められている時のような顔。


響歌『よ、吉田…さん』

ベッドの方に後ずさりする響歌。

⏰:11/04/27 12:00 📱:SH003 🆔:t3.q0Fzo


#35 [輪廻◆j6ceQ96kak]
音は相変わらずうるさく鳴っている。

しかし今はその音よりも吉田の顔に恐怖心を抱いていた。


響歌『け…けいさつ…』

響歌はベッドに置いてある携帯電話を手にし、震えた手で『110』を押した。


警察が出て訳を話し、通話を切った響歌は中野敬太の元へ。

⏰:11/04/27 12:04 📱:SH003 🆔:t3.q0Fzo


#36 [輪廻◆j6ceQ96kak]
響歌『中野君! 中野君!』

大きく体を揺らすと、彼はすぐに目を覚ました。


敬太『響歌ちゃん…?』

響歌は涙しながら無言で敬太に抱きついた。


響歌『中野君…吉田さんが…うう…』


敬太『な、何があったんだよ?』

泣きながらも響歌は訳を話す。

⏰:11/04/27 12:11 📱:SH003 🆔:t3.q0Fzo


#37 [輪廻◆j6ceQ96kak]
敬太『警察は呼んだんだよね?』


響歌『うん…。でも私が…3人を巻き込んじゃったんだよね…』


敬太『響歌ちゃんは悪くないよ。もしかしたら、例のおばさんの呪いかもしれない。吉田さん、何度も馬鹿にしてたからさ…』


響歌『吉田さん…』

警察が来るまでの間、2人は寄り添い合っていた。

⏰:11/04/27 12:17 📱:SH003 🆔:t3.q0Fzo


#38 [輪廻◆j6ceQ96kak]
『ピンポーン』


警官『警察です! 開けてください!』

チャイムと声に気づいた響歌はすぐに玄関に向かってドアを開けた。


響歌『早く来てください!』

警官の手を引っ張り、部屋の中へ案内した。


そして吉田の元へ誘導。

⏰:11/04/27 12:22 📱:SH003 🆔:t3.q0Fzo


#39 [輪廻◆j6ceQ96kak]
警官『彼が吉田優斗さんですか?』


響歌『そうです! 早く調べてください!』

響歌は部屋の電気をつけた。


あの音はしていない。


警官が吉田の顔を覗き込む。


響歌は見ないように両手で顔を塞いだ。

⏰:11/04/27 12:26 📱:SH003 🆔:t3.q0Fzo


#40 [輪廻◆j6ceQ96kak]
すると、警官の口から意外な言葉が出てきた。


警官『あの、彼がどうかしましたか?』


響歌『…え?』

警官の言葉に唖然とした響歌は両手を下ろして吉田の方に顔を向けた。


見ると、吉田の顔はいたって正常であった。

⏰:11/04/27 12:29 📱:SH003 🆔:t3.q0Fzo


#41 [輪廻◆j6ceQ96kak]
響歌『そ、そんな…』


警官『もしかしてイタズラで電話したのですか?』


響歌『違います! 確かに吉田さんの顔が…』


警官『いい加減にしてくださいよ…こっちだって暇じゃないんです!』

警官はものすごい形相で言い放ち、帰っていった。

⏰:11/04/27 12:35 📱:SH003 🆔:t3.q0Fzo


#42 [輪廻◆j6ceQ96kak]
その場に崩れ落ちた響歌の元に敬太がすぐにやってきた。


敬太『…響歌ちゃん、大丈夫?』


響歌『私…確かに見たのに』


敬太『部屋暗かったんでしょ? 見間違えても仕方がないって!』

彼の支えに助けられながらも、平静を保った響歌に急に眠気が訪れた。

⏰:11/04/27 12:41 📱:SH003 🆔:t3.q0Fzo


#43 [輪廻◆j6ceQ96kak]
響歌『ごめん…もう寝るね』


敬太『ああ』

そしてあの音はそれからは一度もする事がないまま朝を迎えた。


優斗『あーよく寝た!』


響歌『おはようございます』


優斗『あれ村井? なんか暗いじゃん』

響歌は深夜の事を吉田に話した。

⏰:11/04/27 12:45 📱:SH003 🆔:t3.q0Fzo


#44 [輪廻◆j6ceQ96kak]
優斗『マジかよ、俺がそんな顔に?』


雪乃『響歌を驚かす為に変顔してたんじゃないの?』


優斗『ばーか。誰がそんな事するか』

いつもの楽しい会話が始まった。

しかしそれを中野敬太が遮るように口を開いた。


敬太『そういえばあの音しなくなりましたよね』

響歌はそれに疑問を抱かずにはいられなかった。

⏰:11/04/27 12:49 📱:SH003 🆔:t3.q0Fzo


#45 [輪廻◆j6ceQ96kak]
響歌『そういえば中野君、私が起こしたらすぐに目を開けたよね。起きてたの?』


敬太『ん? いや、寝てたけど。…俺って寝起きがいい方なんだよね』


響歌『でも、私が吉田さんの顔見た時に部屋が暗かった事も知ってたよね。だからちょっと気になって』

敬太は苦笑いをした。

⏰:11/04/27 12:52 📱:SH003 🆔:t3.q0Fzo


#46 [輪廻◆j6ceQ96kak]
敬太『だって、元から暗かったじゃん? だからそう思っただけ』


響歌『…そうなんだ』


優斗『さ、今日も仕事だ。俺は先に行かせてもらうわ』

吉田は一人黙々と片付けと準備を始めた。

⏰:11/04/27 12:59 📱:SH003 🆔:t3.q0Fzo


#47 [輪廻◆j6ceQ96kak]
そんな中、雪乃が響歌のそばに来て耳元で言った。


雪乃『そういえば響歌、私が悲鳴あげて気絶したって事は優斗くんには内緒にしてね。からかわれちゃうから』


響歌『うん、わかったよ』

響歌は、あれから吉田が起きる前に目を覚ました雪乃に報告していたのだ。

⏰:11/04/27 13:01 📱:SH003 🆔:t3.q0Fzo


#48 [輪廻◆j6ceQ96kak]
雪乃が準備に入り、今度は中野が響歌の元へ。


敬太『なあなあ、俺達はまだ時間あるし隣の部屋行ってみない?』


響歌『えっ?』

彼の意外な提案に一瞬戸惑う響歌。


敬太『だって俺そのおばさん見てみたいし。いいだろ?』

⏰:11/04/27 13:07 📱:SH003 🆔:t3.q0Fzo


#49 [輪廻◆j6ceQ96kak]
響歌『やめたほうがいいよ…。部屋の鍵もかかってると思うし』


敬太『鍵なら任せとけって。隣のおばさんは俺の親戚の人だって言えば管理人から鍵を貸してもらえるかもしれないだろ?』


響歌『無理があるような…。だって変わった人なんだよ? 管理人さんもおばさんの家族の事はわかってると思うし』

⏰:11/04/27 13:10 📱:SH003 🆔:t3.q0Fzo


#50 [輪廻◆j6ceQ96kak]
敬太『大丈夫。俺、演技は得意だし。俺も変わった人を演じればいいんだよ』


響歌『大丈夫かなあ…』

昔から嫌な事は嫌と言えない性格の響歌は彼に言われるがまま、その提案に乗る事にした。


吉田と雪乃がいち早く仕事に向かったのを確認した中野は、実行に入った。

⏰:11/04/27 13:15 📱:SH003 🆔:t3.q0Fzo


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