2年A組
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#227 [我輩は匿名である]
土谷たちは現場に到着し、その状況を目にして呆然とした。

葛城の手に握られた、真っ赤なナイフ。シャツを真っ赤に染めてぐったりしている龍也。それを抱きかかえ、泣いている美穂。

何が起きたのか、誰でもわかった。

「遅かったね。もうちょっと早ければ、この子助かったかもしれないのに」

「葛城…貴様ああああ!!」

土谷は目を血走らせ、持っていたピストルを構える。

しかし、引き金に手をかけたところで葛城が口を開いた。

⏰:11/11/28 22:01 📱:PC/0 🆔:AQY0ejrw


#228 [我輩は匿名である]
「僕を撃っていいの?」

違う道からも挟み撃ちにするように走ってきた刑事たちにも聞こえるように、葛城が言う。

「僕をここで撃ち殺せば、唯一の“捜査資料”が無くなるよ?何も掴んでないあんた達にとって、僕の自供には重要な意味があるよね?それでもいいのかな?」

それを聞いて、土谷は歯を食いしばり、手を震わせる。

「土谷警部、…銃を下ろしてください」

悔しそうな顔で、南里が土谷に言う。

土谷が銃を下ろしてから、葛城が笑みを浮かべながら話を始めた。

⏰:11/11/28 22:02 📱:PC/0 🆔:AQY0ejrw


#229 [我輩は匿名である]
「この子が頑張ったから、あんた達にも教えてあげるよ。1回しか言わないからよく聞きなよ。

まず言っとくけど、僕を捕まえてもこの事件は終わらない。わかってるだろうけど、僕の他にもいるからね、犯人」

「…それは、3件目の犯人の事?」

南里が険しい顔で口をはさむ。

「そうだよ。でも、あいつ以外にもう1人いる。この事件の犯人は全部で3人だ」

「3人…!?2人じゃなかったの!?」

「違うよ。僕があんなヘタレに従うと思う?僕が従ってたのは、“3人目”さ」

⏰:11/11/28 22:02 📱:PC/0 🆔:AQY0ejrw


#230 [我輩は匿名である]
「じゃあ、そいつが首謀者って事ね?」

「そうなるね。僕もあのヘタレも、その子のただのコマ」

葛城の話を信じるなら、葛城と銃殺犯は、首謀者に付き従って事件を起こしている事になる。

要は、その首謀者を捕まえなければ、この事件は終わらない。

「でも、僕が逮捕されれば、死ぬ子は減るだろうね。あいつはまだ人を殺すことを躊躇ってる。やりたくなかったら、やらなきゃいいのにね」

「…他の犯人2人は誰?」

「そこまでは言わないよ。あんた達警察でしょ?推理するのが仕事なんだから、ちゃんと仕事しなよ」

呆れたように言い放たれ、南里たちは顔をしかめる。

⏰:11/11/28 22:03 📱:PC/0 🆔:AQY0ejrw


#231 [我輩は匿名である]
「さぁ、僕を逮捕して」

葛城は観念したように、ナイフを持ったまま両手を差し出す。

「…土谷警部。…手錠を」

「…わかってる」

土谷がピストルをしまい、代わりに手錠を握る。

葛城は土谷の手からピストルが離れたのを見届けてから、また笑った。

「…本当馬鹿だね、警察って」

その声は、土谷にしっかり届いた。

⏰:11/11/28 22:03 📱:PC/0 🆔:AQY0ejrw


#232 [我輩は匿名である]
「僕が素直に捕まると思う?」

葛城の言葉に、土谷は素早くピストルを構え直す。それを見て、南里たちも葛城に狙いを定める。

しかし、葛城の方が数秒速かった。

「バイバイ」。そう言い残して、葛城は持っていたナイフで自分の首を切り裂いた。

頸動脈が切れた葛城の体は、周囲を赤く染めながら仰向けに倒れる。

⏰:11/11/28 22:04 📱:PC/0 🆔:AQY0ejrw


#233 [我輩は匿名である]
土谷の頭の中が真っ白になる。その後ろで、南里が部下に救急車の要請を命令し、美穂たちに駆け寄る。

他の刑事たちも、葛城に駆け寄ったり、話し合ったりしている。

葛城は倒れ込んだまま、ボーっと青空を見上げる。

「(ごめんね…、僕はここまでだ…。…楽しかったよ…)」

誰かにあててそう思いながら、ゆっくりと目を閉じた。

⏰:11/11/28 22:05 📱:PC/0 🆔:AQY0ejrw


#234 [我輩は匿名である]
南里が美穂のそばにしゃがみ込み、龍也の首元に触れる。

しかし、南里の指先にはもう、何の感触も返ってこない。

美穂は生気のない表情でぼんやりと、ほとんど息をしていない龍也の寝顔を見つめている。

「そんなわけねぇだろ…」

南里の後ろで立ち尽くしている土谷が呟く。

「こいつはそんなに簡単に死なねぇ…!そんな奴じゃねぇんだよ!!」

⏰:11/11/28 22:09 📱:PC/0 🆔:AQY0ejrw


#235 [我輩は匿名である]
土谷は龍也に駆け寄り、心臓マッサージをしようと龍也の体に手をかける。

しかし、美穂がそれを拒むように、龍也の体を強く抱きしめた。

「…もうやめて…」

首を振る美穂の体も、小刻みに震えている。

ここまで拒否されては、手を出すことができない。土谷と南里は困ったように顔を合わせた。

その後、龍也と葛城は、救急車で警察病院に運ばれたが、2人ともそこで死亡が確認された。

⏰:11/11/28 22:10 📱:PC/0 🆔:AQY0ejrw


#236 [我輩は匿名である]
2年A組を見て凄いファンになりました
続きが早くみたいです

⏰:11/12/02 19:13 📱:SH004 🆔:WNdrMwfs


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