2年A組
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#54 [我輩は匿名である]
「どういう意味よ!」
彩は誠に食って掛かるが、誠にぽんと頭をたたかれ、黙って彼を見上げる。
「別に大した話じゃないから。とりあえずもう帰れ。な?」
「ごめんな、塩見」
2人がここまで言うなら、聞かれたくない話なのだろう。彩は肩を落とし、仕方なくとぼとぼ歩きだした。
:11/10/23 20:04
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:sgkwcQ9o
#55 [我輩は匿名である]
『次は誰だと思う?』『さぁ?』
彩は2人の会話を思い出す。たったそれだけしか聞こえなかったが、彩には何となくわかった。
おそらく2人が話していたのも、おそらく事件の事だろう。
2件も同じような事件が続いたので、誠も気になりだしたようだ。
「…そうだ」
他校の友人なら、自分にだっている。彩は携帯電話を鞄から取り出し、慣れた手つきでタッチパネルをタップして電話帳を開く。
中学3年間同じクラスで、ずっと一緒にいた親友。長谷部春香。彼女は確か、最初に殺された小松千佳や、次に殺された男子3人と同じ高校に通っていたはずだ。
「帰ったら電話してみよう」
そう呟き、彩はそのまま携帯電話をポケットに入れて家路を急いだ。
:11/10/23 20:04
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:sgkwcQ9o
#56 [我輩は匿名である]
「もしもし〜?」
家に帰るなり、彩はベッドに寝転がって春香に電話を掛けた。
「彩!?久しぶり〜!元気?」
懐かしい春香の明るい声を聴いて、彩は自然と笑顔になる。
「私は元気だよー。春香は?」
「私も元気だけどさぁ…うちの高校、もう大変で…」
電話の向こうから春香のため息が聞こえてくる。
:11/10/26 19:46
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:AqBoNxy.
#57 [我輩は匿名である]
やはり、事件に関係した高校は、マスコミが集まったり警察関係者が頻繁に出入りしたりで忙しいらしい。
春香はその様子を、疲れたように彩に話してくれた。
「でも、なんか変だよね。最近殺されてるの、みんな私たちの同級生だしさ。今うちの学校、授業停止するか協議してるって」
「そうなんだ…。確かに、これ以上被害が出たら大変なことになるもんね。世間の目とか、PTAとか」
「そうなんだよー。まぁ学校行かなくていいならそれでもいいけどね。その方が安全だし。問題は、何で同級生が狙われてるのかだよ」
春香は彩より先に、その疑問を口にした。
「小松さんの事考えたら、やっぱいじめられた子の報復かなって思ってたけど…次に死んだ3人は関係ないじゃない?だからぜんぜんわからなくて。…警察でもわかってないみたいだし」
:11/10/26 19:46
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:AqBoNxy.
#58 [我輩は匿名である]
「そうなの?」
「うん。一応いじめの線で捜査してたみたいだけど、今まで小松さんのいじめの被害にあってた子はみんな犯人じゃないらしいし。さっさと捕まえてもらわないと困る!」
警察でも見当がついていないのなら、犯人逮捕には時間がかかりそうだ。
彩はかえって不安が大きくなった気がして、頭を抱える。
「彩も気を付けてね。また何かわかったら連絡するから」
:11/10/26 19:47
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:AqBoNxy.
#59 [我輩は匿名である]
「うん。春香も気を付けてね。ごめんね、急に電話しちゃって」
「いいよいいよ。いつでも電話して!じゃあね!」
彩と春香は、同時に電話を切った。
今は警察は当てにならない。自分の身は、自分で守らなくては。
彩は寝ころんだまま、そう心に決めた。
:11/10/26 19:47
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:AqBoNxy.
#60 [我輩は匿名である]
その夜。誠は机に座って、中学時代の卒業アルバムを眺めていた。
2年A組だったクラスメイト達は、3年生ではいろんなクラスに散った。
元2年A組は全員で35名。
今生きているのは31名。
「…何人生き残るんだろうな…」
誠はそう呟き、アルバムを閉じた。
:11/10/26 19:49
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#61 [我輩は匿名である]
「おっさ〜ん!!早く犯人捕まえろよ!部活できなくなっちまったじゃねーかよ!!」
同じ頃、龍也は土谷に電話を掛けるなり声を荒げた。
土谷は「そう言われてもよぉ…」と言葉を濁す。
「何にも残ってねぇんだよ。凶器、指紋、防犯カメラ!何もない!」
「知らねぇよそんな事!サツなんだから、ちゃんと捕まえろよな!」
龍也は怒ったように言い返す。すると、土谷はなぜか黙り込んでしまった。
:11/10/26 19:50
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:AqBoNxy.
#62 [我輩は匿名である]
「…おっさん?どした?」
「なぁ、お前の知ってる奴で、怪しいやつはいないか?」
「は?男?」
何だ急に。そう思いながら龍也は考えてみるが、怪しい人物に心当たりなどない。
「いない…と思うけど?何?何なんだよ?」
聞き返すと、土谷はまた何も言わなくなった。
「ちょっと〜。さっきから何?」
:11/10/26 19:50
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#63 [我輩は匿名である]
「もし怪しい男と女に心当たりがあったら、早めに教えてくれ。間違っててもいいから」
「男と女…。えっ、犯人2人いんの!?」
「可能性としては、だ。まだわからんけどな」
「ふうん…。まぁ、わかった」
「ん。頼んだぞ」
それで電話は切れてしまった。龍也はぽかんとした様子で携帯電話を見つめた。
:11/10/26 19:51
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