2年A組
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#67 [我輩は匿名である]
皐がつまらなさそうに足をぶらぶらさせていると、歩いてきた男子の足を蹴ってしまった。
「あ、ごめん」
「…別に…」
男子は俯いたまま小声で答えると、それ以上何も言わずに去って行った。
皐は不満そうにその男子の背中を見つめる。
「…あいつ、名前なんだっけ?」
「確か…岡本君じゃなかった?」
:11/10/28 21:23
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:KIsItnv6
#68 [我輩は匿名である]
「暗いねぇ…。あんなんで生きてて楽しいのかな」
うじうじした性格は嫌いな皐にとっては、今通った岡本忍のような男子は生理的に受け付けないらしい。
何か言いたそうに見ていたが、ため息をついて視線を彩に戻した。
「彩ちゃん、皐ちゃん」
2人がドアに目をやるのと同時に、美穂が教室に入ってきた。
「久しぶりだね」
「部活がないと、なかなか会わないもんねぇ。2組通った時、菊池君も皐ちゃんみたいな顔してたよ」
「どんな顔だよ…」
:11/10/28 21:24
:PC/0
:KIsItnv6
#69 [我輩は匿名である]
そういえば龍也も事件とは関係がないため、さぞかし暇な事だろう。
「お似合いなんじゃないの?」
「馬鹿言わないでよ。あんなアホそうな奴好みじゃないし」
うんざりしたように皐が吐き捨てる。あまりに嫌そうだったので、彩と美穂が一斉に笑い出す。
「それにほら、あいつにはもっとお似合いの奴がいるし!!」
皐が思い出したように言う。
「え、誰?」
美穂がきょとんとした表情で尋ねる。
:11/10/28 21:24
:PC/0
:KIsItnv6
#70 [我輩は匿名である]
「(美穂しかいないでしょ…)」
かわいい顔して鈍感で天然な美穂に、彩も皐もため息をつく。
「美穂、菊池君に好きな人いるの、知らないの?」
「知らない」
「あ、そう…」
きっぱりと否定する美穂を見て、彩は龍也が気の毒に思えてきた。
その横では、美穂が腕を組んで真剣に考えている。
:11/10/28 21:24
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:KIsItnv6
#71 [我輩は匿名である]
「でも、彩にもいるよね。お似合いの人」
「えっ誰?」
「(お前もかよ…)」
美穂とまったく同じ反応を示した彩に、皐はさらに疲れたように肩を落とした。
:11/10/28 21:25
:PC/0
:KIsItnv6
#72 [我輩は匿名である]
そんな平和な日は長くは続かない。
2日後の夜、今度は司が通う高校の女子生徒2人の遺体が見つかった。
しかし、今回は今までの事件とは違った。
事件現場で、土谷はしゃがみこんでため息をつく。
2人の女子高生の胸元には、刺し傷ではなく銃痕が残っていた。それも、何発も。
「(何で急に凶器を変えたんだ…?いや、それともやっぱり複数犯か…)」
いずれにせよ、これではわからない事が増えただけだ。
:11/10/28 21:26
:PC/0
:KIsItnv6
#73 [我輩は匿名である]
たった数日間で死者6人。犯人の糸口もいまだ掴めない。被害者の共通点は“ある中学校の元2年A組”という事だけ…。
「土谷警部」
背後でしゃがれた男の声がした。
聞こえないように小さく舌打ちをしながら立ち上がり、土谷はその人物の方を向いて敬礼する。
「まだ捕まえられんのか」
「申し訳ありません」
「これだから所轄に任してはおけんのだよ」
警視庁から来た、白髪で背の高い刑事が、いつものように嫌味を吐く。
:11/10/28 21:26
:PC/0
:KIsItnv6
#74 [我輩は匿名である]
「(だったらてめぇは解決できんのかよ…)」
土谷は小さくため息をつく。
「どうする?これでは埒が明かんぞ。マスコミもうっとうしくて仕方がない。さっさと終わらせろ」
「とりあえず、今までの被害者が中学2年の時に同じクラスだった生徒全員を聴取し、さらなるパトロールの強化を」
「聴取は警視庁の捜査員が行う」
「はい?」
「貴様らの生ぬるい捜査では信用できん」
「…ご自由にどうぞ」
土谷は一礼し、いったんその場を立ち去った。
お前みたいに現場を1度しか見ていない者に、事件を解決させられるわけがない。そう思いながら。
:11/10/28 21:27
:PC/0
:KIsItnv6
#75 [我輩は匿名である]
その日の放課後。
新たな事件が起きたことを知り、呆然としながら学校を出ようとする彩と凛の前に、スーツを着た男性2人がやってきた。
「君たちは塩見彩さん、小山凛さんかな?」
突然見知らぬ男に名前を呼ばれ、彩はびくっとして顔を上げる。
「…何ですか?」
「警察だ」
2人はそろって胸ポケットから警察手帳を取り出した。よく見ると、傍に1台のパトカーが停まっている。
:11/10/29 22:17
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:IXofk9bg
#76 [我輩は匿名である]
「署で話を聞きたい。一緒に来てもらえるかな?」
彩は頭が真っ白になった。いったいなぜ警察官が自分のもとに来るのか、全く事情が理解できない。
「どうしてですか!?私、前お話しできることはしましたけど!」
苛立ったように、凛が言い返す。
「前の事は関係ない。今回は特定の人間全員に来てもらっている」
「特定の…?」
という事は、おそらく元2年A組全員という事か。彩はすぐに気づいた。となると、美穂や誠も呼び出されているのだろう。
:11/10/29 22:18
:PC/0
:IXofk9bg
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