2年A組
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#77 [我輩は匿名である]
ここで逆らっても仕方がないし、むしろ怪しまれるかもしれない。もしかしたら、逆に何か情報を得られるかも…。

「わかりました」

彩は潔く、首を縦に振る。

「彩ちゃん!?」

「どうせ、ちょっと話聞かれるだけでしょ?それぐらい構わないよ、私は」

強い眼差しで答える彩を、凛が不安そうに見つめる。

しかし、彩が行って自分が行かないのは引っかかると思ったのか、凛もしぶしぶ「…じゃあ、私も行きます」と頷いた。

⏰:11/10/29 22:18 📱:PC/0 🆔:IXofk9bg


#78 [我輩は匿名である]
警察署に着くと、同時にもう1台パトカーが入ってきた。

「さぁ、降りて」

「はい」

ドアを開けられ、彩と凛は車から降りる。

警察官に連れられて、初めて警察署の中に入った。

人が慌ただしく出入りしていて、全然落ち着かない。

何も考えずについていくと、ドラマで見る取調室のようなところに連れて来られた。

しかし、誰かが使っているらしく、「ちょっと待っててもらえるかな」と待たされてしまった。

⏰:11/10/29 22:18 📱:PC/0 🆔:IXofk9bg


#79 [我輩は匿名である]
「(2Aを一斉に連れてきてるのかもしれないし、そりゃ混雑するよね)」

もっと効率的な方法はなかったのかと思いながら、彩はちらっと警察官を見る。

5分ほどすると、目の前のドアが開いた。

「あ」

中から出てきた生徒に、彩は思わず声を上げた。

「うっちー!」

先に連れて来られていたらしい誠は、彩に呼ばれてこちらへ向かってきた。

⏰:11/10/29 22:19 📱:PC/0 🆔:IXofk9bg


#80 [我輩は匿名である]
「お前も呼ばれたのか」

「うん。ねぇ、何聞かれるの?」

誠に尋ねると、すぐに横にいた警察官が意味深な咳払いをした。そう言う事は聞くなと言う意味だろう。

「まぁ、すぐ終わるよ」

「そっか」

「次、君。入りなさい」

警察官に言われ、彩は誠に別れを告げて中に入る。

⏰:11/10/29 22:19 📱:PC/0 🆔:IXofk9bg


#81 [我輩は匿名である]
中には記録係らしい男性と、話を聞く役目らしい女性警察官が座っていた。

「(やったぁ、女の人だ)」

てっきり男ばかりの部屋だと思っていたため、いくらかほっとする。

「わざわざごめんなさいね。そこに座って」

女性警察官は少し笑い、手を椅子に向けて彩に腰掛けるよう促す。長い髪を1つに束ね、灰色のスーツをきっちりと着た、そこそこ美人な警察官に、彩は少し見とれる。

「私は南里(なんり)由紀。警視庁の警視です」

「警視庁?」

そんなに凄いところから捜査に来ているのか。彩は驚いて聞き返す。そこまでしているという事は、警察も本気なのだろう。

⏰:11/10/29 22:20 📱:PC/0 🆔:IXofk9bg


#82 [我輩は匿名である]
「えぇ。捜査にご協力いただき、感謝します」

「あ、いえ…」

それにしても、きれいな人だなぁ。彩は本題そっちのけで南里を見つめる。

「ところであなた、昨日の夜20時ごろ、どこで何してました?」

南里は早速問いかけてきた。

「昨日は…家にいました」

「それを証明できる方は?」

⏰:11/10/29 22:20 📱:PC/0 🆔:IXofk9bg


#83 [我輩は匿名である]
「家族しかいません。…あ、でも人じゃなければありますよ」

彩が付け足して言うと、南里は「どういう事ですか?」と首をかしげた。

「うちのマンション、防犯カメラが付いてるんです。絶対にカメラの前を通らないとマンションの外に出られません」

「…ふふっ、なるほどね」

彩が自信満々に言うと、南里は小さく笑った。

「わかりました。では…今まで殺害された生徒をご存知ですね」

「はい。中学の時、同じクラスでした」

彩はそれから、被害者たちとどのような関係だったか、彼らをどう思っていたかを聞かれ、正直に話した。

⏰:11/10/29 22:21 📱:PC/0 🆔:IXofk9bg


#84 [我輩は匿名である]
とはいっても、ほとんど関わりがなく、そこそこ仲良くしていただけの関係だが。

「…犯人、まだ捕まらないんですか?」

答え終えてから、彩は素直に尋ねてみる。

「え、えぇ…」

「テレビで、防犯カメラとかにも映ってないし、全然手がかりがないって言ってましたけど…」

「…ごめんなさい、毎日心配でしょう。早く逮捕できるよう、私たちも全力で犯人を捜してるわ。もしこれから何かあったら、ここに連絡をくれれば、いつでも話を聞きますから」

南里はそう言って、小さな紙に自分の携帯電話番号とメールアドレスを書いて彩に手渡した。

⏰:11/10/29 22:21 📱:PC/0 🆔:IXofk9bg


#85 [我輩は匿名である]
「はい。わかりました」

彩はそれを受け取り、大事に財布に入れた。

「では最後に、話を聞かせてもらった証明という事で、ここに署名していただけますか?」

南里は1枚の紙を机に置く。見ると、今まで聴取を受けた同級生たちの名前が書いてある。

「はい」

彩はボールペンを借り、誠の下に自分の名前を書いた。

⏰:11/10/29 22:22 📱:PC/0 🆔:IXofk9bg


#86 [我輩は匿名である]
「ありがとう。では、くれぐれも気を付けて。パトカーで送りましょうか」

「え!?結構です!まだ明るいし、歩いて帰れます」

パトカーで家まで送られるのは、さすがに恥ずかしい。彩は両手をひらひらさせて断る。

「そう?わかりました。それじゃあ、気を付けて帰ってくださいね」

「はい」

すると、記録係の男性がドアを開けてくれた。

彩はぺこっと頭を下げて、その部屋を後にした。

⏰:11/10/29 22:22 📱:PC/0 🆔:IXofk9bg


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