2年A組
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#277 [我輩は匿名である]
その日の夜。

ベッドに寝転んでいた誠は、自分の携帯電話の着信音を聞いて起き上がる。

司からだ。誠は電話に出て、それを耳にあてる。

「もしもし」

「あ、いきなりごめん。この間、『この事件おかしい気がする』って言ってたじゃん?」

「あぁ、言ったな」

彩と話し合ったあの日の夜、誠は司にも同じ内容の話をしていた。

⏰:11/12/08 16:13 📱:PC/0 🆔:obBo.T/Y


#278 [我輩は匿名である]
「…俺、わかっちゃったかもしれない」

「…え?」

「それって…」

司はそこまで言って、なぜか黙り込んでしまった。

「…司?」

不審に思って、誠が声をかける。

「…やばい。後ろに誰かいる」

⏰:11/12/08 16:14 📱:PC/0 🆔:obBo.T/Y


#279 [我輩は匿名である]
司が声を潜め、誠に言う。誠はそれを聞いて顔色を変えた。

「お前、今どこにいるんだよ」

「外」

「何で!」

「仕方ないだろ?バイト先から電話かかってきて、『今日だけどうしても出てくれ』って言って聞かなかったんだから。ごめん、また後でかけ直すから」

「え?おい司!」

誠は彼の名前を呼ぶが、聞こえてくるのは電話が切れたことを示す機械音だけだった。

⏰:11/12/08 16:14 📱:PC/0 🆔:obBo.T/Y


#280 [我輩は匿名である]
もう1度かけ直すが、司は出てこない。

しかたなく、今度は着信履歴から南里の携帯番号を探し出し、彼女に電話を掛ける。

「もしもし南里です」

「内村です。今ちょっといいですか」

誠の切羽詰まった声に、南里は「…何かあったの?」と慎重な声で聞き返す。

「梶浦司が、今誰かに狙われてます。探し出して、保護してもらえませんか?」

「梶浦司…?…あぁ、あなたの親友の。“狙われてる”って?」

⏰:11/12/08 16:15 📱:PC/0 🆔:obBo.T/Y


#281 [我輩は匿名である]
「今電話してたら、『誰かにつけられてる』って…。あいつ、バイトの帰り道だと思うんです。早くしてください」

「“バイトの帰り道”だけじゃわからないわ。今から場所を割り出して、すぐに向かいます。もし彼から連絡があったらすぐに教えて」

「わかりました」

南里はそう言ったが、誠は納得のいかない顔で携帯電話を見つめる。

しかし、その日に司が電話をかけ直してくることはなく、どこかでパトカーと救急車のサイレンの音がけたたましく鳴り響いていた。

⏰:11/12/08 16:15 📱:PC/0 🆔:obBo.T/Y


#282 [我輩は匿名である]
次の日、彩のもとに南里と土谷がやってきた。

「…何かあったんですか?」

玄関先で、彩は南里に尋ねる。

「…青山美穂さんが…」

「死んだって言うの?」

南里が全て言う前に、彩が彼女たちをにらみながら言う。

2人は何も言わない。ただ悔しそうな、申し訳なさそうな顔で黙っている。

⏰:11/12/14 21:27 📱:PC/0 🆔:MqhoO8ew


#283 [我輩は匿名である]
「…どうして…?どうしてよ!?いい加減にしなさいよ!!」

「…彼女の件で、あなたに伝えておきたいことがあって」

彩につめよられても動じず、南里が続ける。

彼女の態度に、彩もそれ以上問い詰めることはせず、口を閉じる。

「今から署に来てもらう事は出来る?」

「…いいですけど…」

一体警察署に何があるのだろう。彩は彼女たちについて行く。しかし、2人はまっすぐパトカーへは戻らず、向かいの誠のマンションに入った。

⏰:11/12/14 21:27 📱:PC/0 🆔:MqhoO8ew


#284 [我輩は匿名である]
「…警察署に行くんじゃないんですか?」

「行くわ。…彼も一緒にね」

そう言った南里が行き着いた先は、誠の家だった。

ベルを鳴らすと、誠が出てきた。

南里たちを見て、誠はなぜか苛立った表情で口を開く。

「…司は」

美穂の事しか聞いていなかった彩は、何のことかわからず南里を見る。

⏰:11/12/14 21:28 📱:PC/0 🆔:MqhoO8ew


#285 [我輩は匿名である]
南里と土谷が、困ったように顔を見合わせる。

「…あのな、坊主」

南里の代わりに、土谷が暗い表情で何か言いかけたのを見て、誠が彼に掴みかかった。

土谷の体が壁にたたきつけられる。

「…司はどうしたって聞いてんだよ」

土谷の胸ぐらを掴んだまま、誠が彼をにらみつける。

「…携帯の電波から場所を特定して現場に向かった時には、すでに救急車が到着していた。おそらく自分で呼んだんだろう」

「そう言う事を聞いてるんじゃない!!」

⏰:11/12/14 21:28 📱:PC/0 🆔:MqhoO8ew


#286 [我輩は匿名である]
「…彼は生きてるわ」

南里が静かに言う。彼女の言葉に、彩と誠が彼女に目を向ける。

「ただ…まだ意識が戻っていない」

「…そんな…」

彩がつぶやく。美穂だけでなく、たった1日で司まで被害に遭うなんて。両足が震えだす。

「…話はそれだけか?」

誠がうつむいて言う。

⏰:11/12/14 21:29 📱:PC/0 🆔:MqhoO8ew


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