2年A組
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#307 [我輩は匿名である]
※PCの調子が悪く、途中送信になりました。何度もすみません。↓続きです。
死ぬのは怖くない。向こうで彼に会えるから。
ただこの手で仇を討てなかったことだけが、心残りだった。
意識がなくなるのを待っていると、ふと、自分のそばに誰かがいる気配がして、美穂は再び目を開ける。
美穂が倒れているすぐ傍にたたずむ、1人の男性。
それを見て、美穂は嬉しそうに小さく笑う。
:11/12/14 21:47
:PC/0
:MqhoO8ew
#308 [我輩は匿名である]
そこにいたのは、龍也だった。
龍也はしゃがみこみ、口を開く。
大丈夫?
聞こえるはずのない声が聞こえて、美穂は彼に向かって答える。
「…うん…」
今までのように優しく笑いかけてくれる彼を見て、美穂の目から、自然に涙が零れ落ちる。
:11/12/14 21:47
:PC/0
:MqhoO8ew
#309 [我輩は匿名である]
「…ごめんね…。…仇…、…討てなかった…」
美穂の言葉に、龍也は首を振る。
一緒に行こう。
そう言って、美穂に手を差し伸べた。
美穂はもう1度笑って、残った力を振り絞って血まみれの右手を上げ、龍也の手に重ねる。
その瞬間、美穂は意識を失い、その右手は静かに、冷たい地面の上に落ちた。
:11/12/14 21:48
:PC/0
:MqhoO8ew
#310 [我輩は匿名である]
美穂の最期を知り、彩は両手で顔を覆って泣いた。
その隣で、誠は呆然としながら、雑音しか聞こえないスピーカーを見つめている。
録音されていたのは、美穂が南里に電話したところから、美穂が倒れたと思う部分まで。
「…発見されたとき、彼女の携帯電話は銃で撃たれて粉々になっていたわ。おそらく彼女たちを撃った犯人は、電話が繋がっているのに気づいたんでしょう」
スピーカーを止め、南里が静かに言う。
「…こんな結果になっても、あの子は満足だったのかもしれない」
:11/12/14 21:49
:PC/0
:MqhoO8ew
#311 [我輩は匿名である]
「…どういう事ですか」
話せる状態じゃない彩の代わりに、誠が尋ねる。
「…青山さんの顔、…笑ってるように見えた」
南里は言いながら俯く。まるで、自分も涙を隠すかのように。
「…電話の内容から考えたら、岡本は青山と会う前に梶浦を襲った。でも何があったか、梶浦を撃った後にピストルを奪われて、仕方なく逃げてきた…ってところじゃないか。
梶浦が持ってたピストルの弾、この間2人を撃ったものと同じだったし…岡本のピストルで間違いないだろう」
腕を組んだまま、土谷が言う。
:11/12/14 21:52
:PC/0
:MqhoO8ew
#312 [我輩は匿名である]
2人は黙って、彼の話に耳を傾ける。
しばらくして、誠が言った。
「…あいつ、『犯人が分かったかもしれない』って言ってました」
「誰?」
「それを聞く前に、あいつが電話を切って…それっきりです」
誠の話に、南里と土谷が肩を落とす。
:11/12/14 21:52
:PC/0
:MqhoO8ew
#313 [我輩は匿名である]
司や美穂がわかるという事は、きっと彼らが知っている人物。
「梶浦君と青山さんが知っている人…って事になるのかしら」
南里は資料をめくりながら言う。
まだ被害に遭っていない元2年A組の生徒は何人かいる。
もしかしたら、この中の誰か…?
警察2人がそれを見ながら考え込んでいると、今まで黙っていた彩が口を開いた。
:11/12/14 21:54
:PC/0
:MqhoO8ew
#314 [我輩は匿名である]
「…南里さん」
彩の声に、南里と土谷が彼女に目を向ける。
「どうしたの?」
「……ありがとうございました」
震える声で言う彩に、誠も目をやる。
「…美穂ちゃんの死…無駄にしないでくれて」
:11/12/14 21:55
:PC/0
:MqhoO8ew
#315 [我輩は匿名である]
もしも南里が電話を切っていたら…もしもその会話が録音されていなかったら。
美穂と岡本のやり取りを誰も知らないまま、犯人も絞れずにいただろう。
「…お礼なんて言わないで」
南里が少し、膝の上で手を握る。
「私たちがしっかりしていれば、死なずに済んだ子だっていたはずなの。…私たちは…お礼を言われるに値しないわ」
悔しそうに、南里は答える。
それでも、彩は彼女たちに感謝した。
今まで頼りにならず、事件が起きる度にイライラさせられたが、初めて警察らしいことをしてくれた。
美穂が亡くなり、司も意識不明状態だが、彩はほんの少しだけ救われたような気がした。
:11/12/14 21:56
:PC/0
:MqhoO8ew
#316 [我輩は匿名である]
1週間後。
凛はじっと、ベッドに寝転がって天井を見上げる。
南里に聞かせてもらった、美穂の最期の会話が忘れられない。
まさか、美穂があんな行動に出るなんて思わなかった。
狂ってしまった。仲の良かった友人たちも、自分も。
誰かが死んでも、「あぁまたか」くらいにしか感じられなくなってきている自分に怖くなる。
そんな時、彩の携帯電話に、1通のメールが届いた。
差出人は、凛からだ。
:11/12/17 00:39
:PC/0
:OuT9dSuI
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