2年A組
最新 最初 全 
#317 [我輩は匿名である]
「(どうしたんだろ?)」
メールを開き、彩は思わず飛び起きる。
『小山凛を誘拐した。助けたければ、17時までに○○倉庫まで来い。
警察に通報したら、その時点でこいつの命はない。
忘れるな。お前たちはいつも見張られている。』
そう書かれた文章に、1枚の画像が添付されていた。
手足をロープのようなもので縛られ、こちらに背中を向けて転がっている少女。
:11/12/17 00:40
:PC/0
:OuT9dSuI
#318 [我輩は匿名である]
どうして自分の元にこんなメールが届くのか。
「…お前“たち”…?」
よく見てみると、送信先に誠のアドレスも書いてある。
彩は慌てて誠に電話する。
「うっちー!?メール来た!?」
「…あぁ、来たよ」
焦っている彩とは反対に、誠の声は落ち着いている。
:11/12/17 00:40
:PC/0
:OuT9dSuI
#319 [我輩は匿名である]
「…次は、多分俺たちだ」
薄々気づいていた事を誠に言われ、彩は沈黙する。
「…南里さんたちには…」
「…言わない方がいいだろうな。今はばれなくても、もしばれたら小山が殺される」
「そうだよね…。…うっちー、ちょっとそっちに行っていい?」
「あぁ、気を付けて」
彩はそれを聞いた後、電話を切って着替える。
:11/12/17 00:41
:PC/0
:OuT9dSuI
#320 [我輩は匿名である]
その途中、ふとある事に気が付いた。
「(…なんで凛ちゃんが、うっちーのアドレス知ってるんだろ?)」
中学時代から、誠と凛はたまに話すくらいの仲だった。それも、彩が知る限り、必要なこと以外はあまり口もきいていなかったはず。
なのに、なぜ…?
そしてもう1つ。彩は再び、メールの添付画像を見る。
凛が拘束されたこの画像。彩には自分でもわからない違和感を覚えた。
しかし、ゆっくり考えている場合じゃない。
携帯電話と財布を鞄に入れて、彩は家を飛び出した。
:11/12/17 00:41
:PC/0
:OuT9dSuI
#321 [我輩は匿名である]
彩がドアの前まで来ると、誠が待ち構えていたのか、ベルを押す前に鍵が開いた。
ドアが開き、彩は中に入る。
「…どう思う?」
玄関から動かず、誠が言う。電話を終えてずっとここで待っていたのか、手には携帯電話が握られたままだ。
「…うっちーはどう思うの?」
彩は先に誠の意見を聞こうと思い、聞き返す。
「俺は…俺たちが小山を助けに行ったところで殺されて、小山もそのまま殺されると思ってる」
誠は腕を組み、壁にもたれて言った。
:11/12/17 00:42
:PC/0
:OuT9dSuI
#322 [我輩は匿名である]
普通に考えれば、きっとそうなるのだろう。
彩は少し考え込む。自分の考えていることは、本当に合っているのか。それによって、おそらく自分たちが死ぬのか死なないのかが決まる。
「…どうかしたのか?」
珍しく考え込んでいる彩を不思議に思い、誠が声をかける。
メールの画像。誠のアドレス。司と美穂の知る人物。
「…ねぇ、うっちー」
「何」
「…今から私が言う話、笑わずに真面目に聞いてね」
彩は顔を上げ、そう前置きして話し始める。
:11/12/17 00:42
:PC/0
:OuT9dSuI
#323 [我輩は匿名である]
彩が家を出るのと同じ頃。警察署に一本の電話がかかってきた。
他の刑事が電話をとったため、南里と土谷は構わず資料を見つめる。
「犯人と名乗る者から電話です!!」
電話をとった刑事が、慌てたように声を上げる。
それを聞いて、その場にいた全員が振り返る。
「スピーカーに回せ」
南里ともに本庁から来た男の警視が素早く指示を出す。
室内に、電話をかけてきた人物の声が響き渡る。
:11/12/17 00:43
:PC/0
:OuT9dSuI
#324 [我輩は匿名である]
「無能な警察のみなさん、こんにちは」
そう言った声は、普通の人間の声ではない。
「…変声機ですね」
南里が呟く。
これでは、誰が話しているのか全く分からない。
「…君が、この連続殺人の首謀者か?」
犯人との交渉術を持った刑事が変わって話をする。
:11/12/17 00:43
:PC/0
:OuT9dSuI
#325 [我輩は匿名である]
「はい。早くしないとまた死ぬよ」
「どうして、今回は電話でわざわざ教えてくれるんだ?」
「俺は他の2人とは違う。いろいろ試してみようと思ってね」
「(男…?)」
南里が眉間にしわを寄せる。
「“また死ぬよ”って、誰の事?」
「誰かは、死体を見てのお楽しみ」
「こいつ…バカにしてんのか…!?」
余裕をうかがわせる電話の相手に、土谷がしびれを切らしたように言う。
:11/12/17 00:43
:PC/0
:OuT9dSuI
#326 [我輩は匿名である]
「今日17時までに、すぐ裏の山にある、廃棄された変電所までおいで。間に合わなかった場合はここにいる子を殺すよ」
「廃棄された変電所…?」
すると、一方的に電話が切られてしまった。
「逆探知は!?」
「できません!」
騒然としている室内を見ながら、南里は黙り込む。
どうして今回は電話なんてしてきたのか。それも、内容がまるで犯罪予告だ。
考えているうちに、他の刑事たちは大慌てで署を出て行っている。17時までというと、あと2時間。
:11/12/17 00:44
:PC/0
:OuT9dSuI
★コメント★
←次 | 前→
トピック
C-BoX E194.194