2年A組
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#337 [我輩は匿名である]
誠は中に入ってしばらくして、足を止めた。

背後に感じる誰かの気配。

「(塩見の言った通りだな…)」

このまま殺されるのか、それとも…。

後ろにいる誰かが何もしてこないため、誠は思い切って後ろを振り返る。

そして、そこに立っていた人物を見てやっと理解した。自分が今まで感じていた違和感がなんだったのかを。

「…やっぱり、お前が犯人だったんだな。小山」

誠にピストルを向けたまま、凛は鼻で笑った。

⏰:12/02/14 22:50 📱:PC/0 🆔:Gu5WMMzk


#338 [我輩は匿名である]
皐は驚いたように彩を見上げる。

「…何で…ここにいるのが私だってわかったの?」

「メールの画像だよ」

彩は言う。

「あの画像は凛ちゃんだって書いてあったけど、何かおかしいって思った。何回か見るうちに、何がおかしいのかやっとわかったよ。

…映ってる人の首元に、大きなほくろがあったから」

「ほくろ…?」

皐はハッと、両手を縛っていた縄を自分で解いて自分の首元に手をやる。

⏰:12/02/14 22:50 📱:PC/0 🆔:Gu5WMMzk


#339 [我輩は匿名である]
「凛ちゃんには、その大きなほくろはない。それで大体わかったよ。

…凛ちゃんがどうしてうっちーのアドレスを知ってたのか…皐ちゃんが教えたんでしょ?あの子が私たちを一緒に殺せるよう、おびき出すために」

彩は悔しそうに続ける。

「何で…?何でこんなことしたの!?」

「邪魔だったからだよ!!」

皐は悲鳴のように叫んで、隠し持っていたピストルを彩に向ける。

⏰:12/02/14 23:04 📱:PC/0 🆔:Gu5WMMzk


#340 [我輩は匿名である]
まさかピストルを持っていると思っていなかったため、彩は驚いて一歩後ずさる。

「私はねぇ…高校入って、野球部のマネージャーになってすぐ、内村の事が好きになった…。別に理由なんかない、ただかっこよかったから。

でも…あいつは私の事なんか見てくれない…あんたが生きてる限りね!」

皐の話を聞いても、彩は彼女が何を言っているのか理解できない。

「…何言ってるの?何で私が生きてると、うっちーが皐ちゃんを見ないの?」

⏰:12/02/14 23:04 📱:PC/0 🆔:Gu5WMMzk


#341 [我輩は匿名である]
「…寺田が死んだ次の日、たまたまあいつが屋上に行くのが見えたから声をかけに行ったんだ。でも、あいつは私に見向きもしない。『ほっといてくれ』の一点張りで、邪魔者扱い。

だけどその後に来たあんたには、コロッと態度変えちゃってさ。何で自分はこんな男が好きだったんだろって思った。

そして、彩がいなければ私にも心を開いてくれるかもしれない、ともね」

皐は彩を睨んだままそう言った。

今まで、彼女のこんな表情は見た事がない。

しかし、彩も黙っていられなかった。

「じゃあさっさと撃ちなよ」

⏰:12/02/14 23:05 📱:PC/0 🆔:Gu5WMMzk


#342 [我輩は匿名である]
「は…?」

「私を撃てば、私を殺せば満足なんでしょ?だったら撃てばいい。でもその後、うっちーがあんたにとる態度がもっと冷たくなることぐらい、わかって言ってるんだよね?」

彩は溢れてくる感情を押し殺しながら言い返す。

言い返されて、皐は何も言えず黙る。

「バカじゃないの?私を殺せば、うっちーとくっつけるとでも思ったの?それとも、自分の思い通りにならないから、私達2人とも殺せば満足?冗談じゃない!!

犯人と一緒に逮捕されて、刑務所の中で頭冷やして来たら!?」

⏰:12/02/14 23:06 📱:PC/0 🆔:Gu5WMMzk


#343 [我輩は匿名である]
彩は皐を怒鳴りつけ、その場を後にする。

仲良しだった友達に背を向けられ、皐はピストルを持つ手をおろし、座り込んだまま泣いた。

ただの嫉妬がどうしてこんな事になってしまったのか。皐はこうなってやっと、自分のした愚かさに肩を落とした。

彩が皐と別れてすぐ、離れた場所から銃声が聞こえた。

彩は驚き、足を止める。

「…うっちー…?」

まさか。そんな考えを振り払うように首を振って、彩はその音がした方へと急ぐ。

⏰:12/02/14 23:06 📱:PC/0 🆔:Gu5WMMzk


#344 [我輩は匿名である]
誠は撃たれた反動で壁にぶつかり、その場にしゃがみ込む。

出血する左肩を押さえ、凛を見上げる。

「…下手なのか?これじゃ死ねないぞ」

「わざと外したの。彩に、あんたが死ぬとこ見せてあげようと思って」

凛は怪しく笑いながら答える。

「撃たれた音がすれば、彩は必ずこっちに向かってくる。そこで一緒に逝かせてあげるわ」

「さぁ…?あいつはあいつで、永井のとこ行ってるからな。すぐ来るかどうか…」

誠も負けじと、凛に言い返す。

⏰:12/02/14 23:19 📱:PC/0 🆔:Gu5WMMzk


#345 [我輩は匿名である]
「じゃあ、それまでお喋りタイムにしよ。…何で私が犯人だってわかったの?」

凛もしゃがみこんで、誠に尋ねる。

「塩見があの画像を永井だって言い張るから、よく考えてみたんだ。

お前が関係しないなら、あの画像をお前だって嘘つく必要はない。なのにそんな回りくどい事をするのは、“被害者であるはずの”お前が何かしら関係してるから。

そこでやっと、今までこの事件がおかしいと思っていた理由がわかった。

今まで相手が男でも女でも1発で仕留めてきた葛城が、お前が抵抗したぐらいで刺し違えて逃げるなんて、どう考えてもおかしい。

だから、お前は葛城とグルなんじゃないか…そう思った。

わざと刺されたのは、被害者になったふりして、警察からの疑いの目を晴らすためか?」

⏰:12/02/14 23:19 📱:PC/0 🆔:Gu5WMMzk


#346 [我輩は匿名である]
誠の話を、凛は笑いながら聞いていた。

「へぇ〜、すごいね。バカな警察とは大違い!…そこまでわかってるんなら、なおさら死んでもらわないとね。もう1発撃ってあげようか?」

「塩見が来るのを待たなくていいのか?」

「どうせ警察は来ないし、いつ殺してもいいんだけどね」

凛の言葉に、誠は首をかしげる。

「俺たちが呼べば来るだろ」

「無理無理。あんたたちにメール送ってすぐ、警察に電話したの。山にある、廃棄された変電所で事件起こすよって。あそこからここまではだいぶ時間かかるからね。

それに、私が犯人だってばれないように『俺』って言っといたから、誰も私が犯人だなんて思わないだろうし」

⏰:12/02/14 23:20 📱:PC/0 🆔:Gu5WMMzk


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