2年A組
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#347 [我輩は匿名である]
勝ち誇った笑みを浮かべる凛に、誠は内心焦っていた。

もし彩と誠2人の推測が間違っていなかったら、それがわかった時点でどちらかが通報しようという計画だった。

しかし、南里たちが全員凛に騙されているとしたら、おそらく間に合わない。

そう思っていると、凛の背後に人影が見えた。

その直後。その人影が凛に覆いかぶさるように襲いかかってきた。

「ちょっ…誰よ!?」

凛が驚いて振り返ると、そこには彩がいた。

⏰:12/02/14 23:20 📱:PC/0 🆔:Gu5WMMzk


#348 [我輩は匿名である]
彩はピストルを持つ凛の手を掴み、銃口を何もない方向に向ける。

「悪いけど、私達死ぬ気ないから!!」

彩は凛に抵抗されながら、ピストルの引き金を引く。

全て使い切ってしまえば、もう怖くない。

何発入っているのかわからないが、彩は大きな銃声をとどろかせながら、その一心で指を動かす。

すると、抵抗する凛の左ひじが、彩の顔面に当たった。

それに怯み、うっかり手を離してしまった。

⏰:12/02/14 23:20 📱:PC/0 🆔:Gu5WMMzk


#349 [我輩は匿名である]
「うざいんだよ!どいつもこいつも!!」

凛がとっさに、そのピストルを振り回す。

痛がっている彩にそれを当てることなど、何も難しくない。

ピストルの角が、今度は彩の頭にヒットし、よろけた彩は誠のそばで倒れ込んだ。

「おい、大丈夫か!?」

誠が呼びかけると、彩はすぐに起き上がった。

ちょうどこめかみに当たったらしく、裂傷ができて血が出てきている。

「うん…大丈夫」

笑って答えながら、凛に向き直る。

⏰:12/02/14 23:21 📱:PC/0 🆔:Gu5WMMzk


#350 [我輩は匿名である]
凛は立ち上がり、ピストルの弾の残数を確認する。

中にはもう、残り1発しか入っていない。こんなに手こずると思っていなかったため、呼びも持っていない。

「あーあ…あんたのせいで、あと1発しかないじゃん。傷は痛いし、もう最悪」

凛は苛立ったように吐き捨てる。

「あんたがここに来たって事は、あいつは役に立たなかったんだね。せっかくチャンス上げたのに、弱いヤツ」

「…どういう事?」

流れてくる血を拭きながら、彩が聞き返す。

⏰:12/02/14 23:21 📱:PC/0 🆔:Gu5WMMzk


#351 [我輩は匿名である]
「この間、たまたまあいつを見かけてね。声をかけたら、あんた達といるのが嫌になったっていうからさ。『じゃあ手伝ってあげる』って誘ってあげたの。

その時は乗り気だったけど、いざとなると何もできなかったみたいだね。…何もしゃべらないように、後で始末しとかないと」

服装を整えながら、凛は淡々と答える。

「じゃあ、岡本君は?あの子も仲間だったって事でしょ?」

ふと思い出して、彩がまた尋ねる。

「あぁ…ははっ。あいつも馬鹿な男よね。私の事が好きだって言うから、『じゃあ私がこれからやる事手伝って』って頼んだら、ホイホイやってくれちゃってさ。

…まぁ、いざ殺るとなったら、怖くて殺り損ねたりしてたみたいだけど。

おまけにうっかり口滑らせそうになるし、あんまり役に立たなかったわね」

⏰:12/02/14 23:22 📱:PC/0 🆔:Gu5WMMzk


#352 [我輩は匿名である]
呆れたように笑う凛に、彩は苛立ったように両手を握りしめて彼女を睨む。

「…お前…何のためにこんな事してるんだ?」

今度は誠が凛に尋ねる。

おそらくこの事件にかかわった、全ての人が聞きたかったこと。

「…何のため…?はははっ!…復讐のために決まってるじゃない」

凛は笑い声をあげる。

しかし、彩も誠も何の復讐かわからず、顔を見合わせる。

⏰:12/02/14 23:22 📱:PC/0 🆔:Gu5WMMzk


#353 [我輩は匿名である]
「復讐って…何の事?」

「『何の事』?ふざけないでよ!中学2年の時、私が何されてたか、覚えてないっていうの!?」

「…2年って、小松たちのいじめの事か?」

思い当たることはそれしかない。しかし、当事者である小松たちならまだしも、自分たちが狙われる理由はない。

「でも、それなら何で私たちまで殺されなきゃならないの?」

彩のその質問に、凛は幻滅したような表情でしばらく黙り込んだ。

「……私が毎日いじめられてるのを見ても、あんた達は何にもしてくれなかった…」

彩達が返事を待っていると、凛がうつむいて口を開いた。

⏰:12/02/14 23:22 📱:PC/0 🆔:Gu5WMMzk


#354 [我輩は匿名である]
「ただ遠くの方から見てるだけ…。見ながらコソコソ何か話して、まるで腫れ物に触るような態度で接してくる。

私が悪いんじゃないのに…ただあの男が飲酒運転で事故起こして、人死なせただけなのに!

廊下に机が出されてても、誰も手伝ってくれない。上靴が無くなっても、誰も探してくれない…!誰も話を聞いてくれない!

いじめの事には触れずに、適当な話をしてごまかして、仲良いフリしてれば私が喜ぶと思ってたんでしょ!?」

「違う…!」

「何が違うの!?確かにあんた達は、あいつがいない時は私と一緒にいた!でも、あいつが来ると私から離れたじゃない!うわべだけにこにこして近づいて来て、都合が悪くなればさっさと離れていく!」

「違うよ!」

「何が違うのよ!?」

⏰:12/02/14 23:24 📱:PC/0 🆔:Gu5WMMzk


#355 [我輩は匿名である]
凛は大声で叫び、今度は彩に銃口を向ける。

興奮している凛の目が、少しうるんでいる。

「私はねぇ…、あいつらにいじめられてたのと同じぐらい、あんたたちのその目が怖かったの!ただ黙って私を哀れそうに見る、その目が!!

だからあんた達がどれだけ私に楽しそうに話しかけてきても、全部嘘なんじゃないかって、信じられる人なんかいないんだって思った!」

彩達が何か言う暇もなく、凛は今までため込んできたものを吐き出すかのように話した。

「…そんな時に…あの人に会った」

凛は少し声を落ち着かせて続ける。

⏰:12/02/14 23:24 📱:PC/0 🆔:Gu5WMMzk


#356 [我輩は匿名である]
「家に帰っても、あの男が逮捕されて帰ってこないのを良い事に、お母さんは違う男を家に連れ込むようになった。私より…その人の方が大事だった。

そんな家にいたくなかったから、私は夜に家を飛び出した。行くあてなんてどこにもない。ただふらふら歩いてた。そしたら…」

⏰:12/02/14 23:27 📱:PC/0 🆔:Gu5WMMzk


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