2年A組
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#352 [我輩は匿名である]
呆れたように笑う凛に、彩は苛立ったように両手を握りしめて彼女を睨む。

「…お前…何のためにこんな事してるんだ?」

今度は誠が凛に尋ねる。

おそらくこの事件にかかわった、全ての人が聞きたかったこと。

「…何のため…?はははっ!…復讐のために決まってるじゃない」

凛は笑い声をあげる。

しかし、彩も誠も何の復讐かわからず、顔を見合わせる。

⏰:12/02/14 23:22 📱:PC/0 🆔:Gu5WMMzk


#353 [我輩は匿名である]
「復讐って…何の事?」

「『何の事』?ふざけないでよ!中学2年の時、私が何されてたか、覚えてないっていうの!?」

「…2年って、小松たちのいじめの事か?」

思い当たることはそれしかない。しかし、当事者である小松たちならまだしも、自分たちが狙われる理由はない。

「でも、それなら何で私たちまで殺されなきゃならないの?」

彩のその質問に、凛は幻滅したような表情でしばらく黙り込んだ。

「……私が毎日いじめられてるのを見ても、あんた達は何にもしてくれなかった…」

彩達が返事を待っていると、凛がうつむいて口を開いた。

⏰:12/02/14 23:22 📱:PC/0 🆔:Gu5WMMzk


#354 [我輩は匿名である]
「ただ遠くの方から見てるだけ…。見ながらコソコソ何か話して、まるで腫れ物に触るような態度で接してくる。

私が悪いんじゃないのに…ただあの男が飲酒運転で事故起こして、人死なせただけなのに!

廊下に机が出されてても、誰も手伝ってくれない。上靴が無くなっても、誰も探してくれない…!誰も話を聞いてくれない!

いじめの事には触れずに、適当な話をしてごまかして、仲良いフリしてれば私が喜ぶと思ってたんでしょ!?」

「違う…!」

「何が違うの!?確かにあんた達は、あいつがいない時は私と一緒にいた!でも、あいつが来ると私から離れたじゃない!うわべだけにこにこして近づいて来て、都合が悪くなればさっさと離れていく!」

「違うよ!」

「何が違うのよ!?」

⏰:12/02/14 23:24 📱:PC/0 🆔:Gu5WMMzk


#355 [我輩は匿名である]
凛は大声で叫び、今度は彩に銃口を向ける。

興奮している凛の目が、少しうるんでいる。

「私はねぇ…、あいつらにいじめられてたのと同じぐらい、あんたたちのその目が怖かったの!ただ黙って私を哀れそうに見る、その目が!!

だからあんた達がどれだけ私に楽しそうに話しかけてきても、全部嘘なんじゃないかって、信じられる人なんかいないんだって思った!」

彩達が何か言う暇もなく、凛は今までため込んできたものを吐き出すかのように話した。

「…そんな時に…あの人に会った」

凛は少し声を落ち着かせて続ける。

⏰:12/02/14 23:24 📱:PC/0 🆔:Gu5WMMzk


#356 [我輩は匿名である]
「家に帰っても、あの男が逮捕されて帰ってこないのを良い事に、お母さんは違う男を家に連れ込むようになった。私より…その人の方が大事だった。

そんな家にいたくなかったから、私は夜に家を飛び出した。行くあてなんてどこにもない。ただふらふら歩いてた。そしたら…」

⏰:12/02/14 23:27 📱:PC/0 🆔:Gu5WMMzk


#357 [我輩は匿名である]
『お嬢さん♪』

暗い街を歩いていた凛の肩を、後ろから知らない中年男性がポンとたたいた。

『こんな時間に何してるのかな?』

『…別に』

うっとうしかったので、凛は相手にせずに立ち去ろうとする。

しかし、今度は腕を掴まれた。

『…こんな所うろうろしてると、危ないよ?おじさんの家においで』

その言葉に、凛の背筋に寒気が走る。

⏰:12/02/14 23:27 📱:PC/0 🆔:Gu5WMMzk


#358 [我輩は匿名である]
『い、嫌』

『いいからいいから』

『離してよ!』

『大きな声出すなよ!ほら、さっさと…』

どこかに連れて行かれそうになった時、急に男性の動きが止まった。

凛が戸惑っていると、男性の体は力が抜けたようにその場に倒れた。

⏰:12/02/14 23:28 📱:PC/0 🆔:Gu5WMMzk


#359 [我輩は匿名である]
目の前には、若い、どこかで見た事がある1人の別の男性。

その手には血の付いた1本のナイフが握られている。

『…大丈夫?』

呆然としていると、若い男性が話しかけてきた。

不思議と、その男性に対して警戒心がわいてこない。

凛は黙ってうなずき、その男性をどこで見たのか思い出した。

⏰:12/02/14 23:28 📱:PC/0 🆔:Gu5WMMzk


#360 [我輩は匿名である]
『…テレビで見た事ある…』

『そう?僕ってそんなに有名人なのかな?まぁ、こんだけ人殺してたら、有名人にもなっちゃうよね』

若い男性はくったくのない笑みを浮かべて答える。

そうだ。思い出した。この近辺で起こっている連続殺人事件の容疑者として指名手配されている、葛城歩だ。

しかし、見たところ全くそんな雰囲気は持ち合わせていない。

どこにでもいるような、平凡な男性。

⏰:12/02/14 23:31 📱:PC/0 🆔:Gu5WMMzk


#361 [我輩は匿名である]
『じゃ、さっさと家に帰りなよ。また変な人につかまっちゃうよ』

葛城はそう言って背を向ける。その彼の腕を、凛はとっさに掴んだ。

『…何?』

『…あの…』

『悪いけど、警察呼ぶなら君も殺すよ?』

『違うんです!そうじゃ、なくて…』

凛はそのまま俯く。

⏰:12/02/14 23:31 📱:PC/0 🆔:Gu5WMMzk


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