2年A組
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#372 [我輩は匿名である]
「虐待されても、いじめられても、それを乗り越えて生きてる人はたくさんいる。お前が言ってる事は、自分を正しいと思わせるためのただの言い訳だ」
「じゃあ青山美穂はどうなのよ?あの子、私たちを殺すために包丁持ってたじゃない。あの子だって私たちと同じよ。好きな男が死んだ悲しみを、乗り越えられなかった。違う?」
凛の言う事も、一理ある。
彼女の言葉に、2人とも返す言葉を見つけられず黙り込む。
しかし、彩が再び口を開いた。
:12/02/15 22:59
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:2Wja4oSk
#373 [我輩は匿名である]
「…確かに、美穂ちゃんがやろうとしたことは間違ってたと思う。もっと別の方法があったんじゃないかって、今も悔しくて仕方ないよ。…あんた達だって一緒だよ」
「“別の方法”?そんなのあるわけないじゃん。あの人はあの時父親を殺してなかったら、自分が殺されてたかもしれない。私だって、いじめに耐えられなくて自殺してたかもしれない。
私達には、あいつらを殺す以外に何も道はなかった」
「そうか?3年になってクラスが変われば、いじめはなくなったって聞いたぞ」
「そんなに簡単に人が変われると思ってるの?1年間ずっといじめられて、誰も信じられなくなって、それですぐ『いじめがなくなった、良かったね』って元気になる?ならないでしょ」
「人によるだろ。お前たちが弱かっただけで」
:12/02/15 23:00
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:2Wja4oSk
#374 [我輩は匿名である]
「弱い?私が?バカ言わないで!私がこうなったのは誰のせいだと思ってるのよ!?」
「じゃあ逆に聞くけど、自分は誰のせいだと思ってるの?」
「みんなよ!親も、あいつらも、黙って見てるだけだったあんた達みんな!!」
凛はピストルを握り締めて怒鳴る。
しかし、彼女の話を聞いているうちに、彩は考えていた。
:12/02/15 23:00
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:2Wja4oSk
#375 [我輩は匿名である]
「…かわいそう」
凛とは反対に、彩は落ち着いた声で言う。
「…何?」
「だってそうじゃない。誰かのせいにしなきゃ、自分を守れないなんて」
「…何言ってるの?だってそうでしょ?私は何も」
「“悪くない”?なら何で、直接声に出して『助けて』って言わなかったの?」
「言えば助けてくれたの?…ううん、そんなはずない。あんた達は何を言っても助けてなんてくれない。誰も…」
:12/02/15 23:01
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:2Wja4oSk
#376 [我輩は匿名である]
「そう思ってるのが可哀相だって言ってるの」
彩は強い口調で言い返す。
「勝手に“助けてくれるはずない”とか考えて、自分から心閉ざしちゃってさ。それで『助けてくれなかった』って、都合よすぎじゃん。
じゃあ自分は何かしたの?何もしなかったでしょ?ただ黙っていじめられるだけで、立ち向かう事も、自分の口で助けを求めることもしなかった。
それでこっちが殺されるなんて、本当いい迷惑!」
「うるさい…!」
:12/02/15 23:01
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:2Wja4oSk
#377 [我輩は匿名である]
「どうしたの?さっきまでの余裕どこ行っちゃったの?私の言ってる事の方が正しいから、言い返せない?」
今度は彩が余裕の笑みを浮かべる。
何も言い返せず、凛が黙る。しかし、すぐに小さく笑った。
「…余裕ない人は、もう1人いるよ。あんたのすぐ後ろにね」
その言葉に、彩はちらっと自分の背後に目をやる。
「…誰の事だ?」
:12/02/15 23:02
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:2Wja4oSk
#378 [我輩は匿名である]
「あんたよ。さっきより顔色悪いけど、大丈夫?早く病院行かないと、本当に死んじゃうよ」
「…殺す気でいたんだろ。…何をいまさら」
彩の背後で誠が鼻で笑う。
しかし凛の言う通り、誠の声が少し弱々しくなっている。呼吸も大きくなっている気がする。
「いいの?これ以上無駄な事言ってると、また大事な友達が1人死んじゃうよ?」
「…そう言えば、私がおとなしく殺されると思ったの?」
彩はあえて、強がる言い方をする。
:12/02/15 23:02
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:2Wja4oSk
#379 [我輩は匿名である]
誠は心配だが、ここで折れたら2人ともやられる。どうにかして言い負かすことができれば、2人とも助かるかもしれない。
彩は一か八か、それに賭ける。
「私たちは死なないよ。あんたみたいに弱い奴に、絶対殺されたりしない」
「黙れ!絶対ここで殺してやる…!私をここまで怒らせた事、後悔させてやるよ!!!」
凛は狂ったように叫び、引き金に指をかける。
:12/02/15 23:03
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:2Wja4oSk
#380 [我輩は匿名である]
そして…
ドン!と、重苦しい銃声が1発、倉庫内に響き渡る。
ピストルを持っていた凛の手の甲から、血が噴き出す。
どこかから飛んできた銃弾は凛の手を貫通し、持っていたピストルも砕いた。
:12/02/19 22:35
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:qbNJL2rk
#381 [我輩は匿名である]
「ああああああ!!」
悲鳴を上げながら、凛が獣のように目を見開いて睨んだ先には、煙の上がる拳銃を構えた南里の姿。
いるはずのない彼女を見て、凛は自分の目を疑い、一瞬動きを止める。
その直後、今度は背後から誰かに両腕を掴まれ、完全に動きが取れなくなってしまった。
「やっと捕まえたぜ、くそガキ」
:12/02/19 22:35
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:qbNJL2rk
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