漆黒の夜に君と。V[BL]
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#201 [ちか]
って!!!!!
ヒトの気持ち?
んなもん、ねーよ!!
端からあるわけないだろうが!!!
「あー、俺はまた何を口走ってるんだ…」
思わず自分の混乱ぶりに頭を抱えた。
女でもあるまいし、こんなのただの嫉妬じゃねえか。
俺がそんな感情持つわけがない。
履き違えるな、神崎。
お前は研究を散々妨げられ遊ばれていたことに苛立ってるんだ。
そうだ、そうに違いないんだ。
だから、
「落ち着け、俺…」
言い聞かせるようにそう呟いて、すっかり疲れはてたようにズルズルと壁を伝い座り込んだ。
:11/10/22 13:21
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#202 [ちか]
その時、
ふいに頭上で声がした。
「先生?どうかなさったんですか?」
聞き覚えのない声に思わず顔をあげると、そこに居たのは
「顔色、悪いですよ?」
あの日優里とキスをしていたあの青年だった。
:11/10/22 13:24
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#203 [ちか]
今日の俺はとことんついてないようだ。
もう少し休んでいたかったが、こんな奴に会ってしまっては休むどころかまたイライラしてくる。
俺は心配そうに覗きこんでくるそいつをよそに立ち上がり、
「いや、大丈夫だ。」
そう言って、ふらりと来た方向へ足を向けた。
が、
「ユーリの好きな先生って、あんただよね?」
突然変わった声色に耳は過敏に反応する。
:11/10/22 13:30
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#204 [ちか]
振り向くと、そこには声色と似つかわない笑顔。
(なんだ、コイツ…)
なんだか異様な雰囲気が辺りを包み込む。
「…さあ、知らないな。」
こんな奴、さっさと無視すればいい。
頭ではそう分かっているのに、なぜか目を離すことが出来ない。
俺の惚(トボ)けたような返事に、青年は笑った。
「なーんだ、先生は全然その気じゃないんですね!」
あどけないその笑顔にはなんの屈託もなく見える。
:11/10/22 14:15
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#205 [ちか]
しかし、
「良かった。」
笑顔から冷淡な眼に変わる瞬間、
背筋がゾグリと疼いた。
思わず生唾を呑む。
「じゃあ、俺がユーリもらうから。邪魔しないでね。」
:11/10/22 14:20
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#206 [ちか]
「なっ…、」
「じゃあね。」
再び笑顔に戻った青年は廊下の奥へ消えていった。
消えていった後ろ姿を映し出すようにその先を見つめる。
「意味わかんねーよ。」
そして投げ出すような口振りで呟いた。
「好きにすればいいだろ…」
──────────‥‥‥
──────‥‥
:11/10/22 14:31
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#207 [ちか]
― 優里side.―
翌日、
俺は入り浸っていた区画スペースに行く気にもなれず、久しぶりに一日の全てをベッドの上で過ごそうとしていた。
院内一、歴代一問題患者と言われる俺が一日全く問題を起こさない日があるなんてそれだけで珍しいというのに、自分の病室からも出ようとしないなんて、ここで働く人間からすれば奇跡に近いことらしい。
看護婦にそんな風に言われるといつもなら、突っかかっていたのに、今日はそれをする気力も無い。
まさに、重傷。
:11/10/22 21:12
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#208 [ちか]
脳内で何度もリピートされる昨晩のシーン。
振り払われた手の痛みなんてとっくに消えているはずなのに、その感触がイヤになるほど鮮明に残っている。
「嫌われたってこと、だよな…。」
あんな風にあからさまな“拒絶”をされたのは初めてだった。
振るなら振ればいい
少し前まではそうタカをくくっていたのに、実際あんな態度をとられると苦しくてたまらなくなった。
矛盾だとしても、
それだけアイツを好いているのだとこんな時にばかり実感する。
:11/10/22 21:23
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#209 [ちか]
目頭が熱くなり、ため息がこぼれる。
もう今日だけで何度目だろう。
数えたらきりがないほどのため息をついた時、ふいに病室のドアが開いた。
もしかして、なんて淡い期待を抱いたがそのドアを開けたのはケンだった。
「ユーリ?今日お前どうしたんだよ?」
常に笑顔のケンが心配そうな顔でベッドに腰かけてきた。
「…や、なんでもない。」
が、さすがに口に出す気にもなれない。
:11/10/22 21:48
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#210 [ちか]
俺が目も見ずにそう言うとケンは俺の頭を雑に撫でた。
「なっ?!?」
そんなことをされたのはガキの頃ぶりで、思わず目をパチパチと何度も瞬く。
「ったく、お前嘘つくのヘタな。いいから話してみ?」
優しい声色に俺はなんだか安心感のようなものを覚えた。
そんな安心感に甘え、俺は渋々口を開いた。
「神崎………にさ、」
名前を口にするだけで胸が締め付けられる。
そんな俺をケンはただ頬杖をついて眺めた。
:11/10/22 22:35
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