漆黒の夜に君と。V[BL]
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#249 [ちか]
「寝てる。」
「起きてんじゃん。」
そんな修学旅行の夜のようなやり取りをした後、優里は怪訝な声で俺の顔色を窺うように口を開いた。
「…なんで来たんだよ」
「なにが」
「俺が襲われてる時…」
コイツの発言は基本的に言葉にいくつかの単語が欠けている。
それ故に意図を汲み取るのに時間がかかる。
「ああ、どっかの誰かさんのせいで今日中に終わらせたかった段階の研究が終わらなかったからな。
だから泊まり込みで片付けようと思った。
ちょうどメシから帰ってきたところに、お前らが居た。それだけだ。」
そう、ただそれだけだった。はずなのに。
:11/10/24 21:58
:Android
:fZOUU5Pc
#250 [ちか]
会ってしまったから、偶然とは面倒なモノで。
「たまたまだ。」
「…ふーん。」
これを必然や運命と呼ぶのは、
気が引ける。
「神崎」
「ん?」
「…おやすみ」
偶然は面倒で済むが
「おやすみ。」
運命はもっと厄介だ。
:11/10/25 08:04
:Android
:EIHTtYqU
#251 [ちか]
そんなことを思い知らされたのは翌朝のことだった。
目が覚めて隣を見たが優里が居ない。
自分の病室に帰ったのかと勝手に納得した俺は、立ち上がり欠伸をする。
と、寝起きで未だぼんやりする視界に震える金色の髪が映った。
:11/10/25 08:08
:Android
:EIHTtYqU
#252 [ちか]
俺のデスクの前で震える優里に寝惚けた声で声をかける。
「優里…?何して…」
しかし、
『後悔先に立たず。』
とはまさにこういうことを言うのだと、
身をもって教えられた。
そう身をもって。
俺の声にピクリと反応した背中は細く、
優里はゆっくりとこちらへ向き直った。
そして、
:11/10/25 08:21
:Android
:EIHTtYqU
#253 [ちか]
.
ただ俺は
振り向いたその手に持たれた、
「コレ、なんだよ…」
その薄っぺらい紙を見て、
「“離婚届”ってどういうこと…?」
これから起こるすべてのことに
一生分の後悔をした。
― 第十一話 e n d ―
:11/10/25 08:38
:Android
:EIHTtYqU
#254 [ちか]
:11/10/25 08:45
:Android
:EIHTtYqU
#255 [ちか]
:11/10/26 01:25
:Android
:7b8hSSCs
#256 [ちか]
:11/10/26 01:26
:Android
:7b8hSSCs
#257 [ちか]
「"離婚届"ってどういうこと…?」
そう俺に問いかけた瞳の色は、
動揺と怒りを帯びていた。
しまった。
そう悟ったが、時はもう遅い。
あの紙とは毎日のように睨み合いをしていたし、この研究室は俺が居るとき以外誰も立ち入らないことになっていたため、油断してデスクに置きっぱなしになっていた。
こんな時ばかり、
研究に夢中になっているときの身辺のだらしなさに後悔を立てる。
:11/10/26 01:33
:Android
:7b8hSSCs
#258 [ちか]
ただ何も言えず、俺は苦々しい顔で優里見つめる。
そんな俺に苛立つように優里は下唇を噛み、俺に歩み寄った。
「ラブラブとか言ったクセに!!離婚届ってもう家庭ハタン(破綻)してんじゃん!!」
そう言って、俺の胸にもう皺だらけになっている紙切れを押し付ける。
睨み付けるその目にはうっすらと涙の膜が張られて見えた。
華奢な手に胸をつかれたところで痛みなど何もないが、怒りが直で伝わってくる。
ムキになることでもないのだが、面倒なことは嫌いだ。
俺は漸く固く閉じていた口を開いた。
「破綻もろくに発音できない子供に夫婦間のことまで口挟まれる義理はないな。」
「話、そらすなっ!!!」
:11/10/26 08:38
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:7b8hSSCs
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