漆黒の夜に君と。V[BL]
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#281 [ちか]
優里の喘ぎ声に合わせて俺は右手を加速させる。
「や…ッ、ふ…んぁっ///神崎…っ、も…無理……っ」
優里は俺にしがみつくと背中に爪を立てた。
そして、身体を震わせて吐き出された白濁。
「ハァ…っ、ハァ…ッハァ///」
俺に絡みつく腕が、力が抜けたようにスルリとソファに垂れた。
俺はこれ見よがしに絡めとった白濁を優里の目の前でちらつかせる。
それと同時に、優里の火照った頬が一層紅潮するのが一瞬で見てとれた。
「これで満足か?」
投げやりにそう言い捨てると、一瞬微睡んでいた瞳に反抗的な色に染まり始める。
:11/10/29 22:51
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#282 [ちか]
「誰が…っ!!!!こっ、これくらいで調子…乗んなっ!!!///」
そう怒鳴って優里はソファの隣のテーブルから適当に紙束を掴みとり、俺に投げつけた。
避けようと思わず優里に覆い被さっていた体が後ろに反る。
目の前をいくつもの薄っぺらい紙が舞う。
視界が遮られ鬱陶しさ極まりない。
こいつに手加減は要らなそうだな。
そう確信するようにもう一度、離してしまったその両手首を一掴みして拘束する。
「調子乗ってんのはお前だ。」
「ひ……ぁっ」
言葉と共に下半身にまとわる衣類を脱がせると、俺は秘部に指をあてがった。
:11/10/29 23:03
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#283 [ちか]
そしてそのまま強引に指を一本、その中に沈ませていく。
「つッ……、や…ぁっ」
痛々しく、悲鳴にも近いソレが耳を掠めた。
その瞬間、頭の中で糸がピンと張るように沈めていた指の動きが止まった。
ああ、俺は何をしているんだろうか。
こんなことをして一体何になるんだろうか。
「ふ…ぅ、神崎ッ!!ちょっ…待って…!!」
苦しむ表情を見るうちに、
頭に上っていた血がだんだん冷静を取り戻していく。
「ひぁっ、い…ッ…つ…はぁ…はッ…ハァ」
そして、優里の目尻から涙が零れた時、その動きは完全に止まった。
:11/10/29 23:13
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#284 [ちか]
「…やめた。」
独り言に近いような声量で呟くと、スルリと指を抜き取った。
そしてそのまま立ち上がり、落としてしまっていたタバコの箱を拾い上げる。
ついでに先程剥ぎ取り適当に床に放った衣類を優里に投げた。
「着ろ。」
それだけ言って、箱からタバコを一本抜き出すとライターで火をつける。
くわえると白煙が目の前を霞めた。
:11/10/29 23:19
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#285 [ちか]
優里はなげられた服を羽織ると上半身を起こした。
「勝手にやめんなよ!!!!俺は…っ!!!」
「呼吸、乱れてる。」
肺に含んだ煙を吐き出し、目線少し下で上体を起こした優里に有無を言わさぬ口調で指をさす。
「そ、そりゃあんなことされれば誰だって呼吸くらい乱れるだろ?!」
「それに脈も不規則。」
突っかかる口調とは正反対の覚めきった声。
:11/10/29 23:28
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#286 [ちか]
「職業病みたいなもんでな、いつでも何してる時でもそれくらい無意識に分かんだよ。お前今、息苦しいだろ。」
「………っ!!」
図星か。
問いかけが確信に変わるような、そんな表情で優里は俯いた。
「これで分かっただろ?お前には向いてない。やめとけ。」
釘をさすように言い放つと、細い肩が萎縮する。
「でも、俺は神崎が好きで…っ、あんたのためなら死んでもいいくらい好きで…っ」
喉の奥が震え、顔は見えなくても泣いてるいることが分かった。
「 ふざけんなっ!!!!!! 」
気づけばそんな優里を怒鳴っている自分が居た。
:11/10/29 23:36
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:34CuKAt6
#287 [ちか]
「死んでもいい?!簡単に言うな!!!!!生きたくても生きれない人間がこの世界にどれだけ居ると思って…っ!!」
脳裏に浮かぶ鮮明なあいつの顔。
生きたくても生きれない人間の無理をした明るい笑顔。
あの顔を見て、何度願ったか。
彼女を治したいと。
でも叶わなかった。
末期の状態にまで陥った病気の前で、俺はその時無力な研修医でしかなかった。
悔しくて何度も噛んだ唇の痛みさえ、生々しく蘇るようだった。
:11/10/29 23:43
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#288 [ちか]
いきなり浴びせられた怒声に優里は潤む目を何度も瞬いた。
俺はそんな優里に背を向け、すっかり短くなってしまったタバコをくわえなおした。
「出ていけ。」
冷静になろうと心がけた声は思いの外震えていた。
それは優里にも伝わってしまっているだろうか。
怒鳴り声のあとの研究室は一層静かに感じられた。
:11/10/29 23:48
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#289 [ちか]
時計の秒針が研究室の静けさをさらに駆り立てる。
俺は振り向かずただくわえたタバコの煙を見つめた。
暫くして、ソファから立ち上がる音。
そのまま足音はドアの方へ近づいていく。
そしてドアノブが捻られ唸る音がした。
「……………ごめんなさい。」
か細い声はそう言い残すと、ドアが音を立て、ゆっくりと閉められた。
:11/10/29 23:55
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#290 [ちか]
一人になった部屋の中で深い溜め息は執拗に響いた。
「これで良かったんだよな…」
この感情の正体も本当はすでに分かり始めている。
ただ気づかないフリをしてるだけ。
おもむろに足下に落ちている皺くちゃの離婚届に目線を落とした。
震えるあの手で、これをどれほど強く握っていたのだろうか。
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:11/10/30 10:26
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