漆黒の夜に君と。V[BL]
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#296 [ちか]
とは言え、
俺は寂しいなんて口走っていい分際じゃない。

相手からの提案だったと言えど、
病院(ウチ)に多額の寄付金を注ぐどこぞの大企業の愛息子とあれやこれやをやってしまったわけで。


それはつまり、

クビにならないことの方が不思議なほどの大罪…。

⏰:11/10/30 20:11 📱:Android 🆔:nfDV2Ves


#297 [ちか]
今までは向こうからの一方的なアプローチだったから問題はなかったものの、今回は違う。



完全に俺に非がある。

その証拠が今日までに至る優里の俺に対する拒絶だ。


人間とは頭が冷えると、急に足元が見えるもの。
自分のした過ちを消し去ることも出来ず、この数ヵ月後悔の念に苛まれ続けている。

こんなことになるなら、
あの時顔面に二、三発鉄拳ぶちこまれる方がいくらかマシなくらいだ。

⏰:11/10/30 20:41 📱:Android 🆔:nfDV2Ves


#298 [ちか]
「先生、顔色悪いですよ?」

「あ、いや、ちょっとまずいことを思い出してた…」

ダメだダメだ。
もうあいつに振り回されるのは御免だ。

数ヵ月経ってもことが起きないところを見ると、問題になる様子はない。



俺が近づきさえしなければ。


⏰:11/10/30 20:54 📱:Android 🆔:nfDV2Ves


#299 [ちか]
気持ちを落ち着けようと昼に買った缶コーヒに手を伸ばす。

プルタブを開け喉奥に流し込むと心地好い感覚が流れた。

もう一度、残った半分を流し込むため缶を煽った時、後ろで文献をペラペラと捲っていた同僚がおもむろに口を開いた。


「そういえば、優里くんの手術来週らしいですねー」

⏰:11/10/30 22:26 📱:Android 🆔:nfDV2Ves


#300 [ちか]
「うわ、汚な!!先生、書類にかかったらどうするんですか、も〜!」

「わ、悪い…」

思わず同僚の話を聞いた瞬間、口に含んだばかりのコーヒーが吹き出た。

それほど驚きが大きかったのだ。
荒っぽく咳払いをした俺は出きる限り落ち着いた声色で同僚に問い掛ける。

「……それ詳しい日にち分かるか?」


同僚は自分の頭の中からまるで引き出しを探るように目線を上に向け考え始めた。

⏰:11/10/30 22:34 📱:Android 🆔:nfDV2Ves


#301 [我輩は匿名である]
応援してます(^∀^)ノ

⏰:11/10/30 22:44 📱:X-RAY 🆔:xw1xjsE6


#302 [ちか]
「えっと…、外科部長なんて言ってたかなぁ」

同僚が思い出してる間に容器の中の残りを流し込んだ。

また吹き出しては今度こそ研究材料に支障を来しかねない。


そうこうしているうちに同僚は思い出したように明るい声をあげた。

「あ、思い出しました、思い出しました!たしか今週末の金曜ですよ。なんでも大がかりな手術だから、優秀な医者を何人もそろえてるっておっしゃってました。」

「へぇ…」

金曜日か。
来週と聞いて少し嫌な予感がしたが、当たったな。

ちょうど金曜は研究の途中経過を他の病院で同じ研究をしている仲間と話し合うことになっている。
脳外科が専門の俺にはそもそもオペに立ち会うこともまず無いのだが、せめてその前の数時間会えれば、スケジュール的にナシか…。



って、

⏰:11/10/30 23:08 📱:Android 🆔:nfDV2Ves


#303 [ちか]
「だからどの面下げて会うつもりなんだよ!!!」

カランと音を立てて空き缶が床を転がる。

「せ、先生…?」

怯えるように顔を覗きこまれ、俺はすぐに理性を取り戻した。

「あ、いや!な、なんでもない、こっちの話だ…」


ああ〜もう俺、マジ何やってんだよ。
これじゃ前より重症じゃねぇかよ。

すっかり嫌われてしまった今、会って何になる。

というか、自分で嫌われるように仕向けておきながら、優里のことが気にかかるなんていくらなんでもムシが良すぎだ。

俺にそんな資格はない。

⏰:11/10/31 01:08 📱:Android 🆔:/uPp3Gos


#304 [ちか]
自分の中の葛藤に頭を悩ませていると、同僚は付け足すように話を続ける。


「ま、まぁ、でも、難しい手術らしいですよ。もともと優里くんがあの歳になるまで身体的にリスクが大きすぎて手術自体できなかったみたいですから。外科部長は、術後に影響が出ず無事にオペが成功する確率は40%前後だっておっしゃってたし…」


「40%…。」

思わず俺はその数字を繰り返していた。


それは決して高い確率ではない。
むしろ、なんらかの影響が出ることを覚悟して受けなければならない確率の数字だ。


胸の奥がギュッ、と締め付けられる。
過去のトラウマと認めたくない感情の交差。
それは見てみぬふりをするには大きすぎるモノだった。

⏰:11/10/31 04:08 📱:Android 🆔:/uPp3Gos


#305 [ちか]
>>301 匿名さま.

ありがとうございます(*^^*)
がんばります!
よかったら感想板にも遊びに来てくださいね♪

⏰:11/10/31 08:00 📱:Android 🆔:/uPp3Gos


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