漆黒の夜に君と。V[BL]
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#411 [ちか]
:11/11/11 21:18
:Android
:ybUdOCh.
#412 [ちか]
断る時の言葉なんていつも決まっていた。
「あの、…ずっと好きでしたっ///」
常に本当のことは隠したまま。
ただ、少しの笑顔と詫びる素振りを見せて。
口調はやんわりと。
「気持ちは嬉しいけど俺、今部活以外興味ないから。ごめんな。」
そうすれば、ほら、
誰も傷つかない。
:11/11/11 22:37
:Android
:ybUdOCh.
#413 [ちか]
─────────────────………
──────────────……
──────────…
「うわ、はやく着きすぎた。」
携帯のディスプレイを開けば、約束の時間より20分程早い時刻が表示されている。
自覚が無かった分、思わず驚きから独り言が漏れた。
息を吐けば白く濁る正月気分の抜けない街を目の前に、俺は駅の改札口で一人、待ち人を待つ。
頭1つ分背の低い、幼馴染みの日下冥を。
ごった返す駅の中、
寒さに耐えられず俺は顔をマフラーに埋めた。
すると、ふいに見覚えのある人影が隣を通った。
:11/11/11 22:47
:Android
:ybUdOCh.
#414 [ちか]
その人影は俺を通り越し、斜め前の柱にもたれ退屈そうに俯く。
黒髪のさらさらと揺れるショートヘアに、
色白の肌。
淡白だが、整った顔立ち。
あれは、そう、確か…
( 瀬野(セノ)…? )
過去一度だけ作ったことのある、
まさしく初カノ。
:11/11/11 22:53
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:ybUdOCh.
#415 [ちか]
咄嗟に顔をマフラーに埋めたまま、少しそらした。
気まずい、
という表現が正しいのかどうか分からない。
あの頃からなんら変わらない凛とした姿勢。
少し、苦手だったりする。
.
:11/11/11 22:56
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:ybUdOCh.
#416 [ちか]
その時、急にポケットで震えだす携帯。
来たメールを開いた途端に、苦笑いがこぼれた。
from:冥
Sub:No title
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ごめん、ちょっと遅れる!
‐ e n d ‐
こいつのちょっとは、
ちょっとじゃ済まないな。
そんなことを悟ることが出来るのは付き合いが長いから。
俺は適当に返事を返し、再び閉じた携帯をポケットにしまい込んだ。
斜め前には、時計と睨み合う瀬野の姿。
瀬野も人待ちか。
自分と同じように柱にもたれたその姿を見ているうちに、俺の記憶は遡っていった。
最初で最後の彼女となるであろう瀬野と付き合い始めた中学二年の夏に。……─────
:11/11/11 23:31
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:ybUdOCh.
#417 [ちか]
昨日まで手繋いでた幼馴染みも色恋に目覚め、急に意識しはじめて手が繋げなくなる、そんなお年頃。
中学に上がれば頭の中はすっかり浮かれ調子で、それは学年があがるごとに増していく。
そんな中学生達を俗にマセガキとか中二病とか言うらしい。
もっとも、
「とおる〜!」
「んー?どしたー?」
俺たちには特に関係もない話。
:11/11/12 11:38
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:Cz0jqLjU
#418 [ちか]
「D組のかおりちゃん、透のこと好きなんだって!どうする?」
「どうするって…。なんで冥がそんなこと知ってんの?」
なぜなら、
「え?なんか伝言頼まれたからさー、かおりちゃんとその友達に!で、返事は?」
「…ふーん、部活以外興味無いからごめんって言っといて。」
「透変わんないよな〜、昔っからそうやって断ってばっかじゃん。」
「お前も、万年俺の伝言役だよな。」
お互い色恋にも先輩風吹かすことにも興味がないからだ。
:11/11/12 11:46
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:Cz0jqLjU
#419 [ちか]
休み時間でガヤガヤとうるさい教室内に、鈍い音と短い悲鳴が鳴る。
「い゛っ…、殴んなくてもいいだろ?!」
「透が一言多いからじゃん。」
俺より頭1つ分くらいは裕に低い身長のくせに、殴る力は一人前な俺の幼馴染み、冥。
そんな冥が痛がる俺をよそに、不服そうな目で俺を覗き込んだ。
「でも、なんでみんな断ってんの?この前のミキちゃんなんか、超可愛くて有名じゃん。後輩も先輩もお前のこと羨ましがってたよ?」
悪気もなくそう問いかけてくる冥に、思わずため息をこぼしそうになったのをぐっと飲み込んで、俺は毎度の理由を語ろうとする。
が、
「だから、部活しか興味な…」
「俺にウソは通用しませーん。」
じゃあ、
どうしろって言うんだ。
:11/11/12 11:57
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:Cz0jqLjU
#420 [ちか]
ひとの気も知らないで。
「女の子達は騙せても俺は騙せないよ?だって透、断るときいっつも嘘ついてますーって顔に書いてるもん!ま、俺にしか分かんないだろーけど?」
「あー、そうですか。さすが幼馴染みですね、なんでも分かっちゃうとか冥くんすごーい。」
えっへん、という効果音がぴったり合うような態度の冥を、心の中の動揺を隠しながら軽くあしらい、窓の外に目を向ける。
その隣ではそんな俺の態度に不満なのか膨れ上がる冥が何やらブツブツ呟いていたが、知らないフリ。
だってコイツが悪いんだ。
俺が告白を断り続けている本当の理由なんて聞いてくるから。
:11/11/12 17:57
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:Cz0jqLjU
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