漆黒の夜に君と。V[BL]
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#51 [ちか]
今さら独りが寂しいなんて、
俺いつから贅沢になったんだろう。
苦笑を漏らして、
時計に目をやる。
いつの間にか今年はもう十分しか残っていない。
「カウントダウンでもするか。」
そう呟いて、時計を眺めた。
:11/10/12 16:06
:Android
:5fifT23Y
#52 [ちか]
― 恭弥side. ―
「まだ着かない?」
「あと五分と少しでございます。」
チラリと時計に目をやる。
今年も残すところ十分。
心は急ぐばかりだが、車はそれに比例しない。
:11/10/12 16:09
:Android
:5fifT23Y
#53 [ちか]
ふと思い付くように、僕は松山を見た。
「…それにしても、お前は僕にあんなこと言って良かったの?」
「あんなこと?」
「冥が我慢してるって。」
きっと松山は解っていてあの時あんなことを言ったんだ。
僕が気づいてるようで気づけていなかったことを暗示するように。
:11/10/12 16:19
:Android
:5fifT23Y
#54 [ちか]
しかし松山は眉を八の字にして笑った。
「私はただ冥が恭弥様に似ておられると申しただけですよ。」
しらを切るつもりか。
まぁ、それもいいだろう。
「…まぁ、後始末は少し面倒ですが。」
「そんな発言、父が聞いたらきっとクビだぞ。」
いつも完璧に仕事をこなす世話係りの思わぬ本音がおかしくて、つい笑いが零れた。
そんな僕を見て、
「たまにはお許しください。今年最後の本音です。」
なんて言ったあと、つられたように笑った。
「今日だけは大目に見てやるよ。」
:11/10/12 16:28
:Android
:5fifT23Y
#55 [ちか]
時計の針は容赦なく時間を削っていく。
秒針の音が身体に伝わってくるほど、僕の神経はそこに集中していた。
早く
早く
早く…―――
:11/10/12 16:30
:Android
:5fifT23Y
#56 [ちか]
そして、
針が重なるまで残り一分のところで車が停まった。
ドアが開くのなんて待ってられない。
車を飛び出して、
迷わず冥の部屋に向かって走り出した。
:11/10/12 16:32
:Android
:5fifT23Y
#57 [ちか]
いくつもの角を曲がり、階段を登る。
そしてまた角を曲がる。
こんな切羽詰まっている時ばかり、家(ウチ)のだだっ広さを思い知らされる。
こんなところに一人にしていたなんて。
気づいてやれなかった悔しさから思わず唇を噛んだ。
:11/10/12 16:35
:Android
:5fifT23Y
#58 [ちか]
冥が、
気にしなくて良い、こういうのは慣れてるから
なんて言うから。
そんな風に言って笑うから。
気づくのに遅れてしまった。
僕にとって一番大事な相手は冥なのに。
:11/10/12 16:43
:Android
:5fifT23Y
#59 [ちか]
秒針は一定の速度で容赦なくときを刻む。
10‥‥9‥‥8‥‥7
冥、
冥、
冥…――
何度も頭の中で名前を呼んだ。
6‥‥5‥‥4‥‥
:11/10/12 17:09
:Android
:5fifT23Y
#60 [ちか]
漸く冥の部屋が見えてくる。
はやく、
はやく会いたい。
気づいてやれなくてごめん、と言って、それから、それから‥‥―――
焦る気持ち苛立って
自分を叱咤する。
もう部屋はすぐ目の前に、…――
:11/10/12 17:15
:Android
:5fifT23Y
#61 [ちか]
一人の寂しさは自分が一番よくわかっている。
3…
そのつらさは決して慣れられるようなものじゃない。
2…
それでも独りが平気なんて、
1…
そんな人間、
居るはずないのにっ……――――
:11/10/12 17:16
:Android
:5fifT23Y
#62 [ちか]
― 冥side. ―
時計の針はついに頂点をさそうとしていた。
無心でカウントを数える。
「6………5………4………、」
虚しい年越しになっちゃったな。
そんなことを時々考えながら。
「3‥‥2‥‥1‥、ぜ…」
ガチャッ‥‥――
背中越しにドアの開く音がして、
思わず振り返った。
そこに居たのは、…――
:11/10/12 17:42
:Android
:5fifT23Y
#63 [ちか]
「恭‥弥…――」
嘘。
なんで。
夢?
居るはずのない恭弥の姿がはっきりと見える。
そんなのありえないのに。
信じられずに俺は何度も目を擦った。
だけど、やっぱりそこに居る。
「冥…―――」
紛れもなく会いたかった人が。
:11/10/12 18:06
:Android
:5fifT23Y
#64 [ちか]
「な…んで、」
なんで居るの?
そう聞く前に抱き締められた。
「2日に帰るんじゃ…」
頭が混乱すると同時に、目頭に熱いものがこみ上げてくる。
恭弥が強く抱き締められ抱き締めるから。
その温度があまりにも心地良いから。
俺はその締め付けに応えるように、その広い背中に両手を回した。
「ただいま。」
その声を聞いた瞬間、こみ上げていたものが一気に溢れた。
:11/10/13 00:33
:Android
:iMqIqKtk
#65 [ちか]
「泣かないでよ。」
「な゛、な゛い゛て゛ね゛え゛よ゛〜…」
涙声では何を言っても同じだと分かってはいるが、否定してしまうのはいつものクセだ。
そんな俺の頭を恭弥は優しく撫でる。
暫くそうして落ち着いたあと、
「今年は一番最初に冥に会えた。」
なんて、そんなことを甘い声で言うもんだから、心臓が出そうになるくらいドキドキとした。
:11/10/13 00:38
:Android
:iMqIqKtk
#66 [ちか]
この密着では心臓の音が聞こえてしまいそうで、思わず距離をとった。
そんな俺を恭弥は不安げな顔で覗きこむ。
「怒ってる?」
「べつに、そんなんじゃねーよ…」
「じゃあなんで目そらすの。」
顔見たらまたドキドキしそうだから
なんて言えるわけもなく。
俺は俯いたまま口を開いた。
「そんなことよりさ、初詣行きたい」
:11/10/13 00:41
:Android
:iMqIqKtk
#67 [ちか]
「初詣…、僕行ったことないんだよね」
「えぇぇ?!?!?」
日本人らしからぬ爆弾発言を聞いた俺は思わず顔を上げた。
目の前にはキョトンとした恭弥の顔。
「え…これってそんなに驚くことなの?」
驚くもなにも…
「日本人の正月は初詣と甘酒だって!!!!」
そう宣言して、
俺は強引に恭弥の手を掴み立ち上がった。
「行こ、初詣!」
そう言って無理矢理連れ出した外は一面雪景色だった。
:11/10/13 00:48
:Android
:iMqIqKtk
#68 [ちか]
「……これが初詣……。」
恭弥はカルチャーショックでも受けたかのように神社の前で立ち尽くしている。
「なにびっくりしてんの。まったく、これだから金持ちは。はい、甘酒。」
あきれ口調で差し出した甘酒も初見なのか受け取ったあと、まじまじと見つめ、恭弥は一口煽った。
「……甘い。」
「当たり前じゃん!甘酒なんだから!」
天然過ぎるそれにツッコミを入れて、俺たちは参拝の行列に並んだ。
その時、
:11/10/13 00:52
:Android
:iMqIqKtk
#69 [ちか]
「あれ?冥?」
聞き覚えのある声。
振り返ると、居たのは
「あ、透!」
相変わらずマフラーに顔を深く埋めた透が立っていた。
その後ろにはおじさんやおばさんも居る。
冬休みに入ってから、
あまり会っていなかったもんだからついついテンションは上がった。
「あけおめ!」
「おー、あけおめ。お前、誰と初詣…。」
あけおめ、と言いながら大きな手で俺の頭をくしゃくしゃと撫でる透。
透も機嫌が良いみたい。
が、
恭弥と目が合った瞬間、空気が凍った。
:11/10/13 00:58
:Android
:iMqIqKtk
#70 [ちか]
「あ、先輩。居たんですか。全然気づかなかった。」
「僕も気づかなかったよ、冥と話してたから。」
あのー…
不穏な匂いがするのは俺だけでしょうか…
笑顔で皮肉を言い合う姿は、できれば年始から見たいものではない。
なんとか間に割って入り、場は収まった。
が、
「あら!恭くん!」
また聞き覚えのある声。
:11/10/13 01:05
:Android
:iMqIqKtk
#71 [ちか]
前方からやってきたのは、神楽さんだった。
「か、神楽も初詣に?」
明らかに笑顔はひきつり、声も上ずっているが恭弥は平常心を装っている。
「はい!たまには良いかと思いまして!それにしてもこんなところで会えるなんて、偶然ですね!」
神楽さんは本当に嬉しそうに笑った。
そして、勢いで恭弥の腕を組む。
「い、痛い!離せ!」
「もう恭くんったら!照れなくてもいいんですよ?」
「微塵も照れてない!お前、少しは自分の力の強さを自覚しろ!」
「恭くんの照れ屋さん♪」
そんなコメディチックなやり取りは眺めるにはいい。
おもしろ半分でその様子を見ていると、恭弥が訴えかけるような目で見てくるから、タイミングを見て仕方なく仲裁に入った。
:11/10/13 08:15
:Android
:iMqIqKtk
#72 [ちか]
「か、神楽さん、あの人たぶん神楽さんのこと探してますよ」
恭弥に夢中になっていた神楽さんは長い栗色の髪を靡かせ振り向く。
「あら、本当…。残念ですが、恭くん、私もう行きますね。」
名残惜しそうに神楽さんはその腕の締め付けを強めた。
恭弥も最後だからと必死で笑顔を作る。
「そ、そうだね。残念だけど、早く行った方が良いんじゃない?」
どう見ても不自然だけど。
そんな恭弥に特に気づく様子もなく、神楽さんはペコリと頭を下げてから去っていった。
隣でため息が漏れる。
「おつかれ。」
あまりにも疲れ果てた顔を見ていたら、思わずそんな言葉が零れた。
:11/10/13 08:29
:Android
:iMqIqKtk
#73 [ちか]
そうしているうちにも長蛇の列はゆっくりと動いている。
もうすぐ賽銭箱が見えてきそうだ。
「まだかなー。」
待ちくたびれた俺はそう言って前の方を覗き混んだ。
すると、目の前から見覚えのある二人組が歩いてくる。
あれは、
「凌さんとめぐさん!」
顔がはっきりと認識できた途端、思わず大声をあげてしまった。
:11/10/13 10:48
:Android
:iMqIqKtk
#74 [ちか]
その声が向こうにもしっかりと届いたようで、二人と目があった。
「冥ちゃんにきょんやん!何してんのー?」
かけよって大きな目をパチパチさせるめぐさん。
「何って初詣に来てるんだから見たら分かるだろ。」
それとは対象に相変わらず冷めた碧眼をめぐさんに向ける凌さん。
凌さんの言葉にめぐさんは少し膨れたが、それ以上つっかかることもない。
そこらへんが最近雰囲気が柔らかいと思う理由の1つでもある。
:11/10/13 11:44
:Android
:iMqIqKtk
#75 [ちか]
「俺たちもちょうど今お詣りしてきたとこ。」
そう言って凌さんは手前の方を指差した。
重ねて、めぐさんが思い出したように言う。
「あ、そう言えばさっき神楽にも会ったわー!」
「あ、俺たちもさっき会いました」
返事をしたあと、チラリと横目で恭弥を見るとこれまた思い出したかのように嫌な顔をしていた。
それにしても…
「最近めぐさんと凌さんよく一緒に居ますよねー、なんかあったんですか?」
前から少し気になっていたことをおもむろに聞いてみる。
:11/10/13 18:58
:Android
:iMqIqKtk
#76 [ちか]
「え…」
何の気なしに聞いただけのつもりだったが、地雷を踏んだようだ。
一瞬、時間が止まったような気分になる。
「あ…、えっとその、なんか俺マズイこと…」
俺が慌てて謝ろうとした時、
ふいに凌さんがめぐるさんを顎を軽く上げた。
そして、
「こういうこと。」
.
:11/10/13 19:09
:Android
:iMqIqKtk
#77 [ちか]
「……え、ええぇえぇぇ?!?!?」
一瞬重なった唇。
それを目の当たりにして思わず驚嘆の声をあげた。
めぐるさんはみるみる赤くなっていく。
驚きすぎて言葉も出ない俺を見て、恭弥は笑っている。
コイツは知ってたのか。
そんな俺を差し置いて、めぐさんは怒鳴った。
「ななな、なんもいきなりせんでええやろ?!///」
「いちいちしますよ、つってキスするのか?中学生かお前は。」
そして再び始まる口喧嘩。
:11/10/13 19:15
:Android
:iMqIqKtk
#78 [ちか]
しかし、
今までは見てて不安にしか思えなかった口喧嘩も、こうカミングアウトされてしまうと、なんだか微笑ましく見えてきた。
にやけ顔でその様子を見ていると、凌さんがこっちを見た。
にやけ顔を隠そうと思わず片手で口元を覆う。
「じゃ、俺たちもう帰るから。」
「ちょ、まだ話終わってへんやろ!!」
「はいはい、俺が悪かった。」
「それがむかつく言うてんねん!!」
そんなエンドレスな会話をしながら、二人は遠ざかっていく。
:11/10/13 19:46
:Android
:iMqIqKtk
#79 [ちか]
「年始早々騒がしい奴らだね。」
恭弥がそう言って呆れ半分で笑う。
つられて俺も自然と笑った。
「でも、まさかこんないろんな人に会えると思わなかった!」
「たしかに。みんなも正月=初詣、甘酒ってわけか。」
「それは関係ないと思うけど…」
相変わらずの天然ボケに軽くツッコミを入れてるうちに、漸く賽銭箱が目の前に来た。
:11/10/13 19:57
:Android
:iMqIqKtk
#80 [ちか]
「こうやって、小銭投げて願い事すんの。」
「ふーん。」
チャリンと小銭が跳ねて、
賽銭箱に入っていく。
隣同士に並んで両手を叩いた。
そして目を瞑り、願い事。
…―願い事。
:11/10/13 20:02
:Android
:iMqIqKtk
#81 [ちか]
暫くして顔を上げた。
恭弥も続いて顔を上げる。
目が合って少し照れくさくなった。
すぐにそらして、来た道に足を戻す。
少し歩いたところでふいに恭弥が口を開いた。
「そう言えば冥、なんてお願いしたの?」
「ほえ?!///」
やべ、変な声出しちゃった。
:11/10/13 20:08
:Android
:iMqIqKtk
#82 [ちか]
「な、なんでもいいじゃん、別に!!///」
「え、なんで?教えてよ。」
必要以上に童謡されたのが気にかかったのか、さらに詰めよって来る。
だから、言えないんだって!!
心の中で懇願するように叫んだ。
「〜…っ、そういう恭弥はなんてお願いしたんだよ?!///」
「僕?」
そして、そんな俺に全く気づかない恭弥を避けるように質問に質問で返す。
が、恭弥は動じず真顔で答えた。
:11/10/13 20:18
:Android
:iMqIqKtk
#83 [ちか]
「冥とずっと一緒に居れますように。って。」
「…〜っ!!!////」
なんで、コイツは
こう恥ずかしいことを
簡単に言えるんだよ!!////
内心でそう叱咤して、
俺の顔は一瞬で紅潮した。
:11/10/13 20:28
:Android
:iMqIqKtk
#84 [ちか]
さらりと言ってのけて、もう一度恭弥は俺を見た。
「で、冥は?」
「ひひひ、秘密!!///」
それでも俺は言えない。
「僕言ったよ?」
だって、
「秘密ったら秘密なんだよ!!///」
:11/10/13 21:05
:Android
:iMqIqKtk
#85 [ちか]
俺も実は
恭弥とずっと一緒に居れますように
って願ってたなんて
言えるわけ
ないだろ…。///
:11/10/13 21:06
:Android
:iMqIqKtk
#86 [ちか]
「まぁ、いいや。」
漸くその言葉が出たことで、安堵のため息をつく。
そんな俺をよそに恭弥は話を続けた。
「そう言えば、言い遅れたけど」
「?」
紅潮している顔を見られるのが嫌で俯いていたが、それにつられてふいに顔をあげる。
そして、
「明けましておめでとう。」
短い間唇が重なった。
:11/10/13 21:11
:Android
:iMqIqKtk
#87 [ちか]
「〜〜…っ!!!!!////」
収まりかけていた赤面が一気に再沸騰する。
全身が熱くなった。
「顔真っ赤。」
恭弥はそんな俺を見てクスリと笑う。
ちょうど月明かりが恭弥を照らして、その笑みが妖艶になる。
:11/10/13 21:22
:Android
:iMqIqKtk
#88 [ちか]
その綺麗さに目が奪われそうになり、
思わず下を向く。
「………あ、明けましておめでとう。」
届くか届かないかギリギリの声量で返すのが精一杯だ。
心臓がドキドキする。
その甘い声や言葉、
笑顔に全神経が奪われそうだ。
:11/10/13 21:28
:Android
:iMqIqKtk
#89 [ちか]
今年最初の夜。
漆黒の夜が俺たちを包み、
満月が照らした。
初めて会ったあの日のように。
:11/10/13 21:38
:Android
:iMqIqKtk
#90 [ちか]
こんな毎日がずっと続けば良い。
なんて、そんなことを月を見て思う。
柄にもないと、自然に笑いが出た。
「冥?なに笑ってるの?」
「…ひみつ!」
恭弥はまた不服そうな顔をした。
その横顔さえ愛しく思う。
まぁ、願い事は今はまだ言えないけど、
今度ちゃんと言ってやろうかな。
なんてな。
みなさん、
なんだかんだで今年も、
楽しい一年が始まりそうです。
― 第十話 e n d ―
:11/10/13 21:47
:Android
:iMqIqKtk
#91 [ちか]
:11/10/13 21:51
:Android
:iMqIqKtk
#92 [ちか]
:11/10/14 07:16
:Android
:0c0hhoR2
#93 [ちか]
なんで伝わらないんだ。
「あんたが好きなんだ。」
こんなに好きなのに。
:11/10/14 08:03
:Android
:0c0hhoR2
#94 [ちか]
ここはカナダのとある大学病院。
「あのなぁ〜…」
その研究室で、
ため息をつく男が一人。
「三十路のオジサンをからかうな。」
神崎陽平(30)。
目の前には真顔の少年が一人。
:11/10/14 08:14
:Android
:0c0hhoR2
#95 [ちか]
「はぁ?!からかってねえよ!!」
部屋中に響く怒気の混ざった声。
頭に血が上ってるのか顔まで赤い。
「十分からかってるだろうが。昼間っからいきなりヒトの研究室入ってきて告白?なんだ、ドッキリか?最近流行ってんのか?そっちの病棟で。」
見る限りたしかにからかってるようには見えない。
が、
本気にするワケもない。
:11/10/14 11:40
:Android
:0c0hhoR2
#96 [ちか]
ただ1つ言えることは、
「検査抜け出してまでドッキリ仕掛けに来るほど俺は暇じゃない。」
こいつは筋金入りのバカだと言うこと。
:11/10/14 12:51
:Android
:0c0hhoR2
#97 [ちか]
「はぁ?!バカかお前は!自分の病棟に帰れ!今すぐ帰れ!直ぐ様帰れ!」
研究室のドアを指差し怒鳴った。
だが、こいつは断固として動こうとしない。
「あんたが返事をくれるまで帰らない。」
ため息は増えるばかりだ。
毎日毎日こう熱烈に告白されちゃ、こっちの身がもたない。
怒鳴った勢いで上げた腰をもう一度椅子に沈め直し、頭を掻いた。
「……、そもそもなんで俺なんだよ。」
ため息に混ざっていつの間にかそんな声が漏れていた。
「それは…、」
:11/10/14 12:58
:Android
:0c0hhoR2
#98 [ちか]
― 優里side. ―
それは
一目惚れだった。
.
:11/10/14 14:01
:Android
:0c0hhoR2
#99 [ちか]
遡ること一週間前。
俺は病院を抜け出して近くの街をアテもなくぶらついていた。
そんなことはいつものことで、
特に変わったことでもなかった。
だけどこの日は違ったんだ。
:11/10/14 17:36
:Android
:0c0hhoR2
#100 [ちか]
急に右胸がズキンと痛みだした。
脈はどんどん速くなっていく。
「〜…ッ」
目の前がだんだんぼやけてきて、意識が途切れそうだ。
意識朦朧となりながら、ポケットの中にある予備の薬を探していたその時。
煩すぎるほどのクラクションが鳴り響く。
瞬間的に、それが俺に向けて鳴らされているものだと分かった。
:11/10/14 17:46
:Android
:0c0hhoR2
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