先生、あのね。[BL]
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#105 [うさみ。]
ばっちり目があって
百瀬はとびきりの王子スマイルを寄越した。
そして、
じゃあまたあとで、と言わんばかりにヒラヒラと片手を振る。
女子ならこの瞬間、胸が高鳴り顔が火照ること間違いなしなのだろう。
が、
俺は余計に背筋が凍っただけだった。
:12/03/07 22:58
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:keumm53I
#106 [うさみ。]
【 第四話 購買で勝ち取ったプレミアパンの上手さはミシュラン級 】
「せーんせ、約束通り昼飯!」
その昼、
大袈裟に声を張り、上機嫌で職員室に踏み込んできたのはやはり百瀬だった。
ぎょっと目を丸くさせながら俺は背筋を強張らせる。
足取り軽くそんな俺に歩みよってくる百瀬は、俺の様子などお構いなしに。
「わ、悪い…今日昼飯買いそびれ…、」
「デスクの上にちゃっかりかじりかけのメロンパンがあるのは俺の気のせい?」
どうやら
ためしに下手な言い訳をついてみても
動じることすらないらしい。
:12/03/08 00:59
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:4GFeFwCw
#107 [うさみ。]
このときばかりは『期間限定 いちごホイップ入り メロンパン』を恨んだ。
「でもさすがに職員室で生徒と昼飯は…」
チラッと周りを見ながら、
そういう空気の場所ではないことを
天然の来客に悟らせようと努力する。
すると百瀬は白い歯をキラリと見せながら満面の笑みで言った。
「わーかってるって!俺いいとこ知ってるから来て!ほら、立って!」
「え、ちょ、うわっ?!」
半ば無理矢理立たされた俺は、
やはりちゃっかり期間限定のメロンパンを掴み、なされるがまま職員室を後にした。
:12/03/08 01:12
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:4GFeFwCw
#108 [うさみ。]
そして連れてこられたのは、
「保健室…」
「そ!俺の城でーす」
いつからこの消毒くさい部屋がお前の城になったんだよ。
つかむしろ消毒されてしまえ。
そんなことを内心で毒づいて百瀬を見上げる。
「あのなぁ、保健室まさは飯食うとこじゃねえし、篠崎先生が仕事してんだろ。」
「今篠崎先生いないよ?」
なにをバカな。
保険医が保健室にいなけりゃどこに居るっつーんだよ。
呆れながら俺は扉に手をかけた。
そして言葉を続けながらその一枚の板を引く。
「バカか。居るだろここにちゃんと、」
しかし言いかけてとまったのは
「ね?いないでしょ?」
そいつの言う通り誰も居なかったから。
:12/03/10 10:46
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:5y8.4F3k
#109 [うさみ。]
殺風景な白壁に常備薬のかすかな匂いばかりが鼻を掠め、たしかに保険医の篠崎先生の姿はそこに無かった。
「俺、ここの先生と仲良しだから、ね」
「まさかお前……っ、」
この変態王子、まさか保険医にまで手を出したのか?
そして手なずけたのか?!
一体どういう…――、
「はいはいストーップ。せんせー今変なこと考えたでしょ?」
ギクリと肩が跳ねるのは、
自分の経験と想像が重なるから。
:12/03/11 01:55
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:JRh42xgA
#110 [うさみ。]
「心配しなくても篠崎先生とは健全な仲だから」
ニコッと屈託のない顔を微笑みかけられると、緊張も緩み少しながらほっとした。
「さ、先生飯食お?」
言って百瀬は保険医のデスクの椅子に慣れた様子で腰かける。
まったくこいつのペースに呑まれるとこっちの調子まで狂ってしまうから厄介で。
俺は分かりやすくため息をついて、
その前の小さな椅子に同じく腰を下ろした。
:12/03/11 02:01
:Android
:JRh42xgA
#111 [うさみ。]
そして俺はふたたびかじりかけの菓子パンにかぶりついた。
そしてただ黙々と食った。
さっさと食ってしまえばあとは帰るだけだから。
俺がこいつと約束したのは『昼飯を一緒に食う』、だから。
そして
不思議なことに百瀬もそんな俺をただニコニコと見つめるだけで、止めに入るようなことはなかった。
:12/03/12 01:30
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:oytJIUx2
#112 [うさみ。]
なんかそれはそれで緊張するっていうか。
なんていうか。
変な緊張に気づかないようにするたびに口の中にパンの欠片が収まっていく。
どこぞの小動物のように両頬にありったけのパンを詰め込んだその時、
「っんぐ!!!?」
案の定むせた。
:12/03/12 15:54
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:oytJIUx2
#113 [うさみ。]
「うっ!?ゲホッ、っ…ゲホッ!!!!」
「え、先生?!大丈夫?!?!これ飲む?!」
慌てて差し出されたカフェオレを流し込んだ。
そして、
「し、死ぬかと思った……。」
なんとか蘇生完了。
:12/03/12 15:59
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:oytJIUx2
#114 [うさみ。]
目の前で百瀬も安堵の息を漏らした。
「ったく、なんか先生ってドジだよね。」
「黙れ。」
「口は悪いけど。」
「うるさい。」
俺が仏頂面で返すと、百瀬は困ったように笑う。
そして間をあけてから
「…相変わらず、だよね。」
と続けた。
「昔から知り合いだったわけでもないのにお前に“相変わらず”なんて言われる筋合い無い。」
言うと百瀬はさらに困ったように眉を下げ、笑った。
:12/03/12 16:19
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