偽コイビト
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#220 [なな]
裏庭
屋上
保健室
どこ捜しても
駿はいなかった
「どうしよう…」
もう全てが終わってしまったんだ。
なにもかも…。
もうあの頃には戻れないんだ
わたしは、その場で
泣き崩れてしまった
:15/07/28 10:47 :au/SH34 :BFurol2U
#221 [なな]
……
……
…。
「んっ…」
「気づいた…?」
「あ、あの…わたし」
気がつくと、わたしは
保健室のベッドにいた
「廊下で倒れてたのよ。見かけた生徒さんが連れて来てくれたのよ。」
「そうなんですか?」
わたし倒れたんだ…
全然記憶がない
:15/07/28 10:52 :au/SH34 :BFurol2U
#222 [なな]
「身体の調子でも悪いの?」
「あ、いや」
「そう…ならいいんだけど」
まさか泣いてたなんて
言えないよ
「教室戻る?」
教室か…
戻りたくないなぁ
「いえ、今日は帰ります」
「そうね。その方がいいわ」
わたしは夏美に荷物を
持ってきてもらい
帰ることにした
:15/07/28 10:58 :au/SH34 :BFurol2U
#223 [なな]
「…ただいま…。」
当たり前だけど
家は誰もいない
親は仕事だし
弟や妹は学校
ちょうどよかったって
思ってる
今は1人になりたかったから…
プルループルル
「只今、電話に出ることができません…。」
「またダメか…」
わたしは自分の部屋で
駿に何度も電話を掛けたが
出ることはなかった
:15/07/28 11:07 :au/SH34 :BFurol2U
#224 [なな]
「…おはよう」
次の日
わたしは気まずい中学校に登校した
本当は休みたかったけど
ずる休みは良くないって
お母さんに言われ
仕方なく登校
わたしが教室に入ると
賑やかだったクラスが
急に白ける
:15/07/28 11:18 :au/SH34 :BFurol2U
#225 [なな]
教室に入ってすぐに
わたしは自分の席に
座ってる
駿を見つけた
「あのさ、駿…」
わたしは勇気を出して
話しをかけた
「なに?」
でも…駿は冷たかった
「その…写真のことなんだけど」
「……。」
「あの写真は、その…
違うんだよ…だから」
「ごめん…しばらく
俺に話しかけないで…?」
:15/07/28 11:40 :au/SH34 :BFurol2U
#226 [なな]
「…えっ?」
クラスのみんなが
わたし達に注目する
でも、今はそんなの
どうでもよかった
「いま…なんて?」
「だから話しかけないでって言ったんだけど?聞こえなかった?」
「…な、なんで?」
「別に…俺が話したくないから」
「……。」
その瞬間
涙がこぼれ落ちた
:15/07/28 11:46 :au/SH34 :BFurol2U
#227 [なな]
クラス中がざわついた
そしてヒソヒソと笑う
昨日の子たち
「香奈ちゃん」
「…要?」
要がそんな様子を廊下で
見ていたのか
わたしを呼んだ
そして、わたしの所に
歩み寄り
「もう、ほっときなよ。こんな奴ら」
「で、でも…わたし」
「いいから、行こ」
「え…?」
わたしは要に手を引かれ
廊下に出された
:15/07/28 11:57 :au/SH34 :BFurol2U
#228 [なな]
「な、なに…?」
連れてこられたのは
屋上。
「もう、いいじゃん?」
「えっ?」
「駿なんて、もういいじゃん?」
屋上に来るなり要は
わたしにそう言う
「い、いいわけないよ」
いいわけない絶対に
わたしこのままなんて
嫌だ
「なんで?」
:15/07/29 13:33 :au/SH34 :KHCNutvg
#229 [なな]
「だって、」
「駿はさ、あの写真見せられて…話しかけるなって言ったんだよ?」
「そうだけど…。」
「俺が一方的にしただけなのにさ完全に
あの子たちの言葉信じて、香奈ちゃんを嫌いになるんだもん。所詮さ…その程度の男だったってことでしょ?」
要のその言葉を
否定するかのように…
わたしは大きく首を振った。
:15/07/29 13:43 :au/SH34 :KHCNutvg
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