砂糖が甘い理由
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#301 [花◆AV8KevAYKk]
【よかったな!
で,日曜は決定した?】
優からのメールはいつも直球だし返事が早いから,メール嫌いの俺でも返す気が湧く。
【おう 一緒に紗弥の弟に会ってくるよ。
また月曜詳しく話すな】
さっさとお別れを告げて携帯を閉じた。
今日はすることねぇけど,明日のことを考えると落ち着かない。
ベッドの中で暴れたり,紗弥を考えて自分で自分を抱きしめたりしてみたり。
:06/08/18 23:15 :F700iS :9ksKKyPQ
#302 [花◆AV8KevAYKk]
でも,裕也君に会って俺どうすればいいんだ?
話し相手ぐらいすりゃいいのかな。
紗弥の携帯に貼ってあったプリクラを見るかぎりだと,裕也君は結構おとなしくて ひ弱そう。
俺とは全く逆のタイプ。
弟がいないと,こうゆうときに不便だ,なんてヘリクツをこぼす。
:06/08/18 23:19 :F700iS :9ksKKyPQ
#303 [花◆AV8KevAYKk]
やっぱり考えたって,明日実際に裕也君に会わなきゃ仕方ないと思った。
それから,紗弥からメールの返事はこないとわかりながらも,何度か問い合わせをする自分がいた。
諦めて,紗弥からもらった一緒に撮った写メを見返してニヤつく。
待受にしたい(笑)
:06/08/18 23:22 :F700iS :9ksKKyPQ
#304 [花◆AV8KevAYKk]
結局 土曜は家でヒマを持て余して,いつものように過ごした。
明日が楽しみだと思いながらも,時計が夜中の零時を回ると 既に緊張して心臓が動いた。
明日は,I時に集合だからF時に起きて,余裕で準備をしよう。
目覚ましをしっかり確認して,布団をかぶった。
:06/08/18 23:26 :F700iS :9ksKKyPQ
#305 [花◆AV8KevAYKk]
―ジリジリジリ…
目覚ましの耳障りな音が部屋中に響いた。
俺は嫌がる体を無理矢理起こして窓を開けた。
うん。
天気は快晴!神様っているんだな。
俺は風呂に向かって一直線。
余裕を持って完璧にしてかなきゃ…
なんてったて今日は紗弥と…初デート(?)だし。
裕也君にも俺を期待外れな男だと思わせたくない。
:06/08/18 23:30 :F700iS :9ksKKyPQ
#306 [花◆AV8KevAYKk]
風呂から上がって,短くも長くもないに髪型をセットして金曜に買ったTシャツとお気に入りのデニムにベルトを通すと,俺は力に満ち溢れた。
鏡の前に立って全身を写したら自分がヒーローみたい?に見えた。
時刻はH時前。
あとは朝飯食って,眺めの歯磨きだけだな。
居間に入ると,俺を見た母さんが嬉しそうに話し掛けてきた。
:06/08/18 23:35 :F700iS :9ksKKyPQ
#307 [唯]
:06/08/19 20:36 :N902i :zAyQOUT.
#308 [花◆AV8KevAYKk]
:06/08/19 21:33 :F700iS :y3RjzfcM
#309 [我輩は匿名である]
夜中楽しみにしてます
:06/08/19 21:35 :N901iC :☆☆☆
#310 [花◆AV8KevAYKk]
匿名サン
待っててくださってァリガトぅござぃます
ょしッ
更新するぞォ
:06/08/19 23:15 :F700iS :y3RjzfcM
#311 [花◆AV8KevAYKk]
[達也珍しく早いわね〜
どこか出掛けるの?カッコイイ格好して…]
[まーね。
それより,朝飯すぐ食える?]
早めに飯食って落ち着きたいし,歯磨きしたい。
俺は母さんを急かして,朝飯を久しぶりに兄貴と親父と食べた。
家族との会話って結構いいもんだよな。
紗弥は…こんな団らんしたことないのかな。
:06/08/19 23:19 :F700iS :y3RjzfcM
#312 [花◆AV8KevAYKk]
飯を食べ終わって,すぐ歯を磨いて部屋に戻ってお気に入りの香水をつけた。
いい匂いだけど紗弥の香りには負けるかな。
鏡に昨日買ったキャップをかぶって写ってみる。
完璧…
携帯を開くと,優からメールが入っていた。
【デート頑張れ(^^)ノシ】
自然と俺は緊張からとかれた。
:06/08/19 23:22 :F700iS :y3RjzfcM
#313 [鷹秋]
俺を友情出演させてくれ
:06/08/19 23:24 :P701iD :5dOT69Ag
#314 [花◆AV8KevAYKk]
珍しく,美穂子からはメールも電話も入ってなかった。安心と裏腹に,気になる自分がいた。
時計はH時S分…
余裕をもって歩いていけば,役場にI時ジャストか少し前にはつける。
よし…いくか!
鏡で髪型と全身を細かくチェックして,家を出た。
紗弥にメールする必要はないよな。
やっぱり先についてて,紗弥を待ってた。
みたいな設定のがかっこいいし。
:06/08/19 23:28 :F700iS :y3RjzfcM
#315 [花◆AV8KevAYKk]
鷹秋サン
申し訳ありません
この話は私自身,最後まで細かく構成させてるので,途中から人物を増やすということは話も多少変えなくてならなくなるので少し難しいです
本当に申し訳ありません
:06/08/19 23:32 :F700iS :y3RjzfcM
#316 [花◆AV8KevAYKk]
待ち合わせ場所に近づくほど,やっぱり緊張する。足が硬くなるし,心臓も痛い。
だけど,最近やっと紗弥が俺に慣れてきてくれてるんだ…
俺が積極的にいかなきゃいけない。
やっぱり紗弥を知りたいから,今日も時間があったら話したいな。
時間はI時ジャスト。
役場の玄関には人影…
紗弥は俺より先に来ていた。
:06/08/19 23:35 :F700iS :y3RjzfcM
#317 [花◆AV8KevAYKk]
紗弥の私服姿は,いつも制服を見ているせいか,ヒールを履いているせいか,一段と大人びて見えた。
ダメージデニムを履き熟し,黒いスカルのタンクトップにゴールドの大きなネックレスを纏って,髪型はいつも通り真っ直ぐなロング。
カツカツと靴を鳴らし俺に向かって歩いてきた。
[丁度だね]
そう言って紗弥に見とれている俺を抜かしてさっさと行ってしまった。
[まっ待てよ…]
いかん!つい紗弥に見とれて遅れをとった。
畜生…
紗弥より早く来るつもりだっのに。
:06/08/19 23:39 :F700iS :y3RjzfcM
#318 [花◆AV8KevAYKk]
紗弥は俺に振返り,小さくため息をついた。
[あたしさ,絶対待ち合わせには待ち合わせ時間のI分前には来るの。
だから達也が遅れたわけじゃないから気にしないで。ごめんね]
え?紗弥ってエスパー?
[えッ…ああ。
わかっちゃった???]
俺はキャップをかぶり直したりして,照れを隠した。
[達也はわかりやすい]
紗弥は一言呟くとまたカツカツといつもの早歩きで,歩き出した。
:06/08/19 23:43 :F700iS :y3RjzfcM
#319 [花◆AV8KevAYKk]
でもいくら足が長くて早歩きでも,やっぱり女の子。
俺はすぐ紗弥の横に並んだ。ちょっと優越感♪こんないい女連れて歩いてるんだ。
[何ニヤニヤしてんの?]
[なッ…なんでもないっす!]
やべー。焦った!
だけど何だかこんな会話も嬉しい。
[あっそ。…あ!]
紗弥は何かを思い出したのか,役場からきた道を少し戻った。
[紗弥???忘れ物かよ!?]
:06/08/19 23:50 :F700iS :y3RjzfcM
#320 [花◆AV8KevAYKk]
[違う!あ…そう!]
どっちだよ!?汗
紗弥は小走りで今曲がったばかりの角を戻った。
何だかいい匂いがする。甘い…けど紗弥の香水とは全く違う。
俺も紗弥を追い掛けて角を曲がると,紗弥が立っていた。
小さなケーキ屋の前で。
[裕也はここのケーキが大好きなんだ。
毎回買ってくんだ。
達也が変な顔してるから,忘れちゃってたじゃん!]
紗弥はケーキ屋を指差して笑った。
:06/08/19 23:56 :F700iS :y3RjzfcM
#321 [花◆AV8KevAYKk]
げっ。
俺ってば人のお見舞い行くのに手ぶらだったよ…
昨日服とか買ってる場合じゃなかった。
そう思って暗い顔をしてたら紗弥が俺の手を掴んで店に入った。
甘いバターの匂いが立ち込めた。
[B人で一緒に食べよ!
裕也はショートケーキと焼きプリンと…
あたしもショートケーキ。
達也は???]
紗弥はさっさと店員に注文をしてケーキを選んだ。俺は何だか呆然。
ケーキなんか久しぶりに食べるし,特に好きなケーキなんかない。
[あ…俺は紗弥と一緒でいいよ]
:06/08/20 00:02 :F700iS :hUwWG9uI
#322 [花◆AV8KevAYKk]
そう言った俺を見て,紗弥は一瞬不快そうな顔をしたが
[お姉さん,やっぱりショートケーキはBつね!
それから,ケーキスティックA本,そのままさぃ]
紗弥は嬉しそうにレジに向かって歩いてく。
[あ!紗弥,俺が出す]
そうだよ。
せめて金くらい出さなきゃ。何のためにきてんだかわかんねーし。
でも紗弥は,小さく首を横にふって,俺に向かってピースサインを出して,店員のお姉さんに
[じゃあAで割ってください]
と言った。
:06/08/20 00:07 :F700iS :hUwWG9uI
#323 [花◆AV8KevAYKk]
もうその場の雰囲気は紗弥のペース。
俺は口出しできないまま,店員のお姉さんに言われたとおりの金額を払って,俺はケーキの箱。紗弥は棒みたいなケーキ?を手に持って店を出た。
さっききたところの角を曲がると,紗弥は包みを半分まであけたケーキスティックを俺に差し出した。
[はい!
これちょ〜ウマイよ]
お金のことや俺の不安を気にさせないように,気をつかってくれているのがよくわかった。
だから俺も何も言わずに紗弥の行為に甘えた。
[うん。ちょ〜ウマい!]
そのケーキスティックはドライフルーツやクルミが入っていてほんとにおいしかった。
:06/08/20 00:22 :F700iS :hUwWG9uI
#324 [花◆AV8KevAYKk]
同時に紗弥らしいな,って思った。
[あたしも裕也も甘いもの大好きだからさ〜]
紗弥は嬉しそうに俺を見て話した。
最近,紗弥は「あの目」をしない。
[そうなんだ。
俺も結構好きだよ]
[まじで?以外〜
なんで好きなの???]
紗弥はいつも理由を気にしてなんでなんでと俺に聞くことがあった。
携帯の機能にまでも,なんで?と聞いていた。
:06/08/20 00:26 :F700iS :hUwWG9uI
#325 [花◆AV8KevAYKk]
[またなんでかよ〜!
理由なんかないよ]
…しまった。
案の定,紗弥を見ると不機嫌そうに目を細めて俺を見た。
[出たよ。
達也はいつもそればっかり!]
[う…
じゃあなんで紗弥は甘いのが好きなんだよ?]
俺は紗弥に今までこんな風に聞き返したことはなかったけど,理不尽だったので意地悪そうに紗弥に聞き返した。
:06/08/20 00:29 :F700iS :hUwWG9uI
#326 [花◆AV8KevAYKk]
[え!?あたし?え〜と…]
[やっぱり紗弥だって…]
[うるさい!
裕也が好きだから好きになったんだよ]
紗弥はすごい理由をつけて,一気にケーキを口に放り込んだ。
[理由になってねーよ]
こんな感じでしばらく俺達は笑いあったまま歩いた。
でも,紗弥が何にでも理由を求めるのにもきっと何かわけがあるんだとも心の隅で考えたんだ。
それほど紗弥の「なんで」は異常だった。
:06/08/20 00:34 :F700iS :hUwWG9uI
#327 [花◆AV8KevAYKk]
病院につくと,紗弥は俺に,自分の後ろをついてくるように言った。
俺は言われたとおりに,紗弥の@メートルくらい後ろを歩いた。
エレベーターは使わずに階段を上がっていく。
途中で何人も患者さんとすれ違った。
こんな小さな町病院にも結構人がいるもんなんだな。
B階につくと,紗弥は携帯を取り出して,画面を確認していた。
俺もマナーモードになっているか確認をした。
それから,また俺の手を掴んで奥までずんずんと歩いていく。
:06/08/20 00:52 :F700iS :hUwWG9uI
#328 [我輩は匿名である]
ァケ"-
:06/08/21 21:13 :F902iS :☆☆☆
#329 [我輩は匿名である]
あげ
:06/08/21 21:14 :N901iC :☆☆☆
#330 [花◆AV8KevAYKk]
:06/08/21 21:37 :F700iS :9MSW5YGA
#331 [花◆AV8KevAYKk]
ゃっぱり今カラ更新します
俺は病室の番号を見ながら紗弥に連れられるまま,廊下を歩いた。
先端にほど近い,広そうな個室の前で紗弥は足を止めた。205号室…
名前は【城谷 裕也】
うわ…やべ。
俺なんだか緊張してる。
紗弥を横目で見ると,俺の方を見ていた。
[仲良くしてあげてね]
紗弥が裕也君のことを大切にしてる気持ちが伝わる。
[おッおう。ケーキ,一緒に食べるんだもんな]
:06/08/21 21:51 :F700iS :9MSW5YGA
#332 [花◆AV8KevAYKk]
病室の扉を開けると,柔らかい風が吹いた。
紗弥の甘いかおりが漂う…
いや,部屋中紗弥と同じ匂いがする。
[裕也ぁ〜]
紗弥は広い部屋の片隅にある白いベッドのカーテンを勢いよく開けた。
ベッドの上には水色のパジャマを着た,細くてなんとも華奢な男の子が体を半分だけ起こして,空を見上げていた。
髪は茶色くて,目が丸い。髪がもう少し長かったら女の子に間違いそうだ。
[お姉ちゃん!]
裕也君は紗弥を見て嬉しそうに言った。
:06/08/21 22:01 :F700iS :9MSW5YGA
#333 [花◆AV8KevAYKk]
しかし,その愛らしい顔は紗弥の後ろについていた俺の姿を見て,一瞬だけ顔色を曇らせた。
紗弥はそれに気付いて
[ほら,この前写メで見せた…達也だよ?]
[あッ,初めまして!柿山達也でーす…]
一応俺なりの最大の微笑みをしたつもり。
裕也君は写メを思い出したみたいに,あッという顔をして紗弥と目を合わせて笑った。
そしてすぐ俺に向き直して,白くて綺麗な歯を出して笑ってくれた。
[城谷裕也です!]
:06/08/21 22:07 :F700iS :9MSW5YGA
#334 [花◆AV8KevAYKk]
[ねぇ裕也!うちら一緒に裕也の好きなケーキ買ってきたんだよ〜?
ねッ,達也]
[え!ほんとう?]
裕也君は,可愛い笑顔をより一層にして笑い,ベッドの窓側から椅子をとって並べてくれた。
[ほらッ。俺も一緒に食っていい?]
俺は愛想よく裕也君がとってくれた椅子に座って,ケーキの箱を裕也君に渡した。紗弥もすぐ横に座った。
紗弥は学校の紗弥じゃ考えられなかったくらい,裕也君の前ではよく笑って,よく喋った。
俺もなんだかそれが嬉しかった。
:06/08/21 22:14 :F700iS :9MSW5YGA
#335 [花◆AV8KevAYKk]
紗弥は棚から小皿とフォークを出して,ケーキを取り分けた。
[裕也,今は一個ね。]
[うん!]
裕也君にはガトーショコラ。俺と紗弥は苺のショートケーキ。
だけど箱にはまだケーキが残ってる。一体裕也君に何個買ったんだよ。
B人でケーキを食べていると,なんだか俺も家族の一員みたいになれた。
裕也君はおいしいね,と俺に笑ってくれた。
可愛くていい子だな…
みんなが食べ終わると,紗弥はすぐ使った食器を洗ってくると言って,ついでに花瓶を持って病室を出て行った。
:06/08/21 22:22 :F700iS :9MSW5YGA
#336 [花◆AV8KevAYKk]
…おいおいおいおい!!
A人にされると何話したらいいのかわからねえーよ。
と思っていたら案の定沈黙…
裕也君はさっきみたいに窓の外を見て,まぶしそうにしていた。
[あ…カーテン閉めようか?]
俺が立ち上がって動こうとすると,裕也君は俺の服を掴んで,ゆっくり首を横にふった。
[ありがとう!でも僕,空が好きだからいいんだ]
そう言って笑った顔は,決して紗弥には似ていないんだけど,雰囲気や瞳の奥が紗弥にそっくりだった。
:06/08/21 22:30 :F700iS :9MSW5YGA
#337 [花◆AV8KevAYKk]
そういえば,紗弥とはじめて会ったときも,紗弥は空っていうか,太陽を見上げてたよな。
そんな部分がそっくりってわけか。
それからしばらく,俺の話や裕也君の質問攻めに答えたりして,仲良く話した。
[ねぇ,お姉ちゃんって優しいでしょ?僕,お姉ちゃん大好きなんだ〜!
お兄ちゃんは,お姉ちゃんのこと好き?]
裕也君は何とも純粋で真っ直ぐだった。
Aでこんなこと言うのはきっと裕也君くらいだろうな。
菜々子なんか絶対言わない。
でも,そんな顔されるのはすごく嬉しかったけど,少しだけまたなぜか胸が苦しくなった。
:06/08/21 22:39 :F700iS :9MSW5YGA
#338 [花◆AV8KevAYKk]
[俺も好きだよ,紗弥のこと大好きだよ。]
[ほんとー?やっぱりお姉ちゃんは人気者なんだね]
裕也君は無邪気に笑う。
うん…ほんとに,好きだよ。俺は紗弥が大好きだ。
そんな話を終えたころ,紗弥が部屋に戻ってきた。と,もう一人。
白衣を着た長身の男の人。もちろん一目で医者だとわかった。
:06/08/21 22:45 :F700iS :9MSW5YGA
#339 [花◆AV8KevAYKk]
[あッ,中林先生!こんにちは。
お兄ちゃん,僕の担当のお医者さんだよ]
裕也君は,その中林先生という人に丁寧にあいさつをして,嬉しそうに俺に紹介してくれた。
[はいこんにちは,裕也君。元気だね。
えっとお兄さん…?]
中林先生は細い目を俺に向けて,頭を少し下げた。
[あッ俺は…]
俺が自分のことをはなそうとするとすぐ紗弥が横から口を出した。
[私の同級生です。
裕也に会わせたくて,今日連れてきただけで…]
:06/08/21 22:55 :F700iS :9MSW5YGA
#340 [花◆AV8KevAYKk]
[そうかね。優しそうなお兄さんだね〜
裕也君,紗弥さん]
と言って,顔を緩めた。
[はい!
先生,今日はどうしたんですか?]
紗弥も裕也君と同様,隣で頷いてくれた。
[今日はね,大事なお話があるんだよ]
俺はなんだか中林先生の口調と,紗弥の優しそうだけど,深刻を交えた顔付きを見て,手術の話だと思って,席を外そうとした。
:06/08/21 23:00 :F700iS :9MSW5YGA
#341 [スィミー]
:06/08/22 17:50 :N901iC :☆☆☆
#342 [たけのこ山]
:06/08/22 23:26 :F901iC :Q1XPEe1I
#343 [花◆AV8KevAYKk]
:06/08/22 23:34 :F700iS :MU5SA70Y
#344 [花◆AV8KevAYKk]
でも,紗弥は部屋を出ていこうとした俺の腕を掴んだ。
[いいから…てゆーか,傍にいて]
俺は黙って紗弥に寄り添うように隣に立った。
中林先生は笑顔で話を続ける。
裕也君も紗弥も中林先生を見つめる顔は真剣。
[裕也君はそろそろ入院して長いんだ。
体も前よりは成長してきてるし,手術には耐えれるように思える。]
裕也君は不安げだけど,中林先生から視線を外さない。
心臓がどう悪いかは全く知らないけど,今はいい方向に進んでるんだよな???
:06/08/22 23:40 :F700iS :MU5SA70Y
#345 [花◆AV8KevAYKk]
そして,俺達に気を使ってくれたのか,中林先生は紗弥だけを連れてまた部屋を出ていった。
裕也君はまた空を見上げた。
[僕ね…元気になったらいっぱいやりたいことがあるんだ]
黙り込んでいるかと思ったら,また明るく話を仕出した。
[そっか〜例えば?
俺も一緒にできることある?]
[うん!例えばサッカーとか,遊園地に行くとかさ…
とにかく学校に行きたいんだ〜]
え?いつから裕也君は病気だったんだ?
なんだかだんだんわからなくなってきた。
:06/08/22 23:46 :F700iS :MU5SA70Y
#346 [花◆AV8KevAYKk]
紗弥は中学を長野から転校して来ているのに,弟の裕也君が病気だってことは優は知らなかった。
でも両親が何らかでいなくなったんだから,きっと転校したのはそれと同時ぐらいだろう。
プリクラは古かったけどどう考えても,紗弥は高校生だった…
でも学校に行きたいって?ただ名残惜しんでるだけ???
[裕也君は…いつから入院してるの?]
単刀直入。
裕也君は少しだけ暗い顔をした。紗弥が無表情のときと一緒の…あの目をして。
[小学校のC年生からだよ]
:06/08/22 23:54 :F700iS :MU5SA70Y
#347 [花◆AV8KevAYKk]
ってことは紗弥はその時中@…
たしか転校は中A。
じゃあ裕也君が入院してからしばらくは,両親はまだ亡くなってなかったてことだよな。
[紗弥とプリクラ撮った頃は,動けたんだ?]
[あ!あの時は気分転換だって,お姉ちゃんが…
あとで看護婦さんにすごく怒られたよ]
やっぱり。
あのプリクラの時期にはもうここに入院していたんだ。
紗弥は高校からバイトを始めて学校をサボってた。
両親が亡くなったのは…A,B年前ってことか。
:06/08/22 23:58 :F700iS :MU5SA70Y
#348 [花◆AV8KevAYKk]
いや。俺の馬鹿野郎!
紗弥はただ[両親はいない]としか言っていなかった。
亡くなったとか勝手に俺が決めちゃってるよ。
だけど,だけど何でかわからないけど,その時は直感でそう思ったんだ。
[紗弥の両親は死んだ]
って。
裕也君の話もそっちのけで,俺は自分の勝手な推測にイラついたりした。
何度心の中で余計なことを考えるなと思っても,どうしてもその結果にたどりつく。
どうして…
:06/08/23 00:16 :F700iS :yVQQiEVU
#349 [スィミー]
ぁげぇ
:06/08/23 22:57 :N901iC :☆☆☆
#350 [スィミー]
あげます
:06/08/26 23:49 :N901iC :☆☆☆
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