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#366 [can]
剛の方をチラッと見た。
剛は亜由美と裕也の
やり取りを
見て笑っていた。
裕也とは正反対。
落ち着いた雰囲気で
乱パなんて
参加しそうじゃないのに…
:07/02/18 22:44 :SH901iC :☆☆☆
#367 [can]
裕也『つーか!
莉奈チャン久しぶり〜』
莉奈『え?あ!
久しぶりだね』
裕也『珍しいね!』
莉奈『そういう気分
だったの〜』
裕也『アハハッ!
莉奈チャンみたいな奴
ここにもいるよ』
そう言って剛を指さした。
:07/02/18 22:49 :SH901iC :☆☆☆
#368 [can]
裕也『亜由美には
メールで言っただろ?』
亜由美『うん。
剛クンだよね!?』
剛『うん。よろしくね』
亜由美『よろしく〜』
莉奈『よろしくね』
紹介やちょっとした話が
終わって裕也クンが
店に戻ろうと言った。
:07/02/18 22:51 :SH901iC :☆☆☆
#369 [can]
そしてまた
あのうるさい店に入った。
急に
また機嫌が悪くなるのが
自分でもわかった。
…うるさい。
そんな時
手に持っていた
携帯電話が震えた。
画面を見ると
【司】の文字があった。
:07/02/18 22:53 :SH901iC :☆☆☆
#370 [can]
…何だろ?
亜由美と裕也クンは
ホールに立って踊っている。
亜由美には何も言わず
少し複雑な気持ちで
私は店の外に出た。
また外の静けさに
驚かされる。
フゥと溜め息をつき、
私は電話に出た。
:07/02/18 22:56 :SH901iC :☆☆☆
#371 [can]
莉奈『はい』
司『パーティー中
ごめんなさい。
今、大丈夫ですか?』
莉奈『うん。店の外に
出て来たから』
司『すみません。
…どうですか?
楽しんでます?』
莉奈『トランスがうるさくて
疲れちゃうよ』
:07/02/18 22:57 :SH901iC :☆☆☆
#372 [can]
司『そうなんですか』
莉奈『うん。
…で、どうしたの?』
司『え!?あの…
えーっとですね』
…わかりやすいな。
焦りすぎだよ。
莉奈『まさか…
心配してくれてんの?』
:07/02/18 22:59 :SH901iC :☆☆☆
#373 [can]
自意識過剰な言葉を
無意識に言ってしまった。
司『え?』
司も驚いていたみたい。
莉奈『あ…別に』
撤回しようとしたけど
司は私の言葉を遮った。
司『そうです。
何か…すごく心配で』
:07/02/18 23:01 :SH901iC :☆☆☆
#374 [can]
莉奈『そっか…
ありがとね。
でも大丈夫だよ』
司『何かテンション低いし
笑顔引きつってたし…
体調悪いなら無理しないで
帰って下さいね!?』
莉奈『アハッ…うん』
司『それだけです。
じゃあまた…』
:07/02/18 23:03 :SH901iC :☆☆☆
#375 [can]
莉奈『ありがとね』
そして電話を切った。
司の言葉が嬉しかった。
一人でも
私の事を心配してくれる
男がいたなんて…
司の優しさが
すごく嬉しかった。
:07/02/18 23:04 :SH901iC :☆☆☆
#376 [can]
静かな店の外は
少し寒かった。
シーンっとした外に
急に低い声が響いた。
『電話終わった?』
びっくりして振り返ると
剛クンが地面に
腰を降ろしていた。
莉奈『剛クン…
びっくりした〜!』
:07/02/18 23:06 :SH901iC :☆☆☆
#377 [can]
剛『俺もトランス苦手なんだ』
莉奈『…盗み聞き?』
私は怒ったフリをした。
剛『アハハッ。ごめんね』
だけど剛には
笑って交わされた。
莉奈『別にいいけど…
剛クンも苦手なんだね』
:07/02/18 23:08 :SH901iC :☆☆☆
#378 [can]
剛『剛でいいよ。
莉奈って呼ぶからね』
莉奈『うん…わかった』
剛『隣座りなよ。
見下ろされてると
何か嫌だから』
莉奈『…自己中!』
そう言いながらも
私は剛の隣に座った。
:07/02/18 23:10 :SH901iC :☆☆☆
#379 [can]
剛『俺さぁ
普段こんな所に
滅多に来ないんだよ。
何かめんどくさいじゃん』
莉奈『私もだよ!?
今日はたまたま…
亜由美と裕也クンは
しょっちゅうらしいけど』
:07/02/18 23:11 :SH901iC :☆☆☆
#380 [can]
それからしばらく
話に華が咲いて
夢中に話した。
剛は一つ年上で
彼女はいないらしい。
私の仕事に対しては
偉いねって褒めてくれた。
剛はいい人だった。
:07/02/18 23:13 :SH901iC :☆☆☆
#381 [can]
♪〜…
携帯電話が鳴った。
亜由美からのメールだった。
亜由美【どこにいるの?】
莉奈『亜由美からだ。
そろそろ中戻ろう』
苦笑いすると剛も
苦笑いしながら頷いた。
:07/02/18 23:15 :SH901iC :☆☆☆
#382 [can]
私は立ち上がり
店に入ろうとした。
剛『待って!』
莉奈『ん?』
剛が私を呼び止めた。
剛『連絡先教えて?』
莉奈『あ…うん』
剛『今度二人で
会わない?』
莉奈『…いいよ』
:07/02/18 23:16 :SH901iC :☆☆☆
#383 [can]
そして
連絡先を交換した。
莉奈『入ろっか』
扉を開けようとする私に
剛は眉を下げて
笑いながらこう言った。
剛『帰るわ…
もうトランス無理だし…』
莉奈『え!?マジ?』
剛『悪いけど裕也に
言っといてくんない?』
:07/02/18 23:18 :SH901iC :☆☆☆
#384 [can]
莉奈『…うん』
剛『じゃあまたな!』
そう言って剛は
駐車場の方に
歩き去って行った。
私は仲間がいなくなった
気分で仕方なかった。
扉を開けて店に入る。
トランスに耳を壊されながら
亜由美のいる所に
戻った。
:07/02/18 23:19 :SH901iC :☆☆☆
#385 [can]
莉奈【ごめん。
外にいた。剛は帰った。
裕也クンに伝えて】
また携帯電話の画面での
会話が始まった。
亜由美【了解】
―――
しばらくして
亜由美が画面を
見せてきた。
:07/02/18 23:29 :SH901iC :☆☆☆
#386 [can]
亜由美【酒が回って
きたみたいだから
私と裕也クンは
部屋に向かうね】
部屋とはSEXをする為に
設けられている所。
莉奈【うん】
亜由美と裕也クンは
カップルみたいに
仲良く手を繋ぎながら
行ってしまった。
:07/02/18 23:31 :SH901iC :☆☆☆
#387 [can]
一人ぼっちになると
すぐに男が
近寄って来た。
ヤろう。
口の動きで
そう言ったのが
わかった。
首を横に振ると
男はすぐに
どこかに行った。
乱パなんて
そんなもんだよね。
:07/02/18 23:33 :SH901iC :☆☆☆
#388 [can]
…やっぱ無理だ。
耐え切れなくなって
私はまた店の外に
飛び出した。
この静けさには
心癒される。
…もう帰ろうかな。
亜由美には
悪いと思ったけど
先に帰る事にした。
:07/02/18 23:34 :SH901iC :☆☆☆
#389 [can]
そしてタクシーを拾い
寮に帰った。
莉奈『ハァ…』
ついつい溜め息が出た。
…亜由美はすごいよ。
あんな場所
やっぱり私には
合わなかった。
:07/02/18 23:36 :SH901iC :☆☆☆
#390 [can]
その日は
司と言う優しい年下と
剛と言う同じタイプの年上
二人に
胸が締め付けられた。
…恋?
違う。
ただ私と言う人間を
認めてくれついるような
嬉しさだと思う。
私は…
もう恋なんてしない。
:07/02/18 23:37 :SH901iC :☆☆☆
#391 [can]
翌朝に亜由美は
帰って来た。
先に帰った事については
少し怒られたけど
無理矢理だったかな?
ごめんね。
…と心配してくれた。
:07/02/19 08:54 :SH901iC :☆☆☆
#392 [我輩は匿名である]
:07/02/19 21:53 :SH902i :☆☆☆
#393 [can]
>>392ありがとう
ちょっと今日は
更新できません
明日も夜頃でないと
書けないかも
ごめんなさいね
また良ければ
感想とか下さい
:07/02/19 23:03 :SH901iC :☆☆☆
#394 [ナツ]
:07/02/20 16:09 :SH903i :☆☆☆
#395 [can]
:07/02/21 10:55 :SH901iC :☆☆☆
#396 [can]
―――
あの日から
また月日が流れた。
剛とは
たまに電話が来て
他愛もない会話をする。
遊びたいねって
剛は言うけど
お互い時間が合わない。
だからまだ
二人っきりで
会った事がなくて
微妙な距離なまま。
:07/02/21 10:57 :SH901iC :☆☆☆
#397 [can]
司は
乱パの次の日からも
普通に接してくれた。
だけど
私が少し意識して
最初はぎこちなかった。
でも司が和ませてくれて
今は前みたいに
意識する事もなく
接する事ができている。
やっぱりこれは
恋じゃないんだ。
:07/02/21 10:59 :SH901iC :☆☆☆
#398 [can]
そして
もう一人…
乱パの翌日、
電話を
かけてきた男がいた。
…晃だ。
キスマークを付けられて
怒りの電話をしようと
思ったら
訳のわからない対応されて
…あれっきりだった。
そんな晃から
電話があった。
:07/02/21 11:08 :SH901iC :☆☆☆
#399 [can]
晃『この前はごめんな』
莉奈『一体、何の
悪ふざけだったの?』
晃『近くに…
彼女がいたんだ』
莉奈『…あ!彼女!』
そう言えば
彼女が帰って来るって
言ってたっけ…
:07/02/21 11:10 :SH901iC :☆☆☆
#400 [can]
晃『一応バレないように
頑張ったんだけど…』
莉奈『…バレたの?』
晃『うん。
フラれちゃった〜』
莉奈『…そっか。
何かゴメンね』
晃『アハハッ!
何で謝ってんの?』
晃は明るい声だった。
:07/02/21 11:12 :SH901iC :☆☆☆
#401 [can]
莉奈『私があの時
電話しちゃったから…
彼女来てるって事
忘れてたの。ごめん』
晃『莉奈のせいじゃ
ないよ!?言ったじゃん。
マンネリっぽいって…
あっちも浮気してた
っぽいんだよね〜』
莉奈『え?そうなの?』
:07/02/21 11:13 :SH901iC :☆☆☆
#402 [can]
晃『うん。
締まり悪かった』
晃は微笑した。
莉奈『…変態』
私も笑ってしまった。
晃『…慰めてよ』
その声は悲しい声だった。
莉奈『…いいよ』
約束を交わしたものの
やっぱり忙しくて
会えずにいた。
:07/02/21 11:17 :SH901iC :☆☆☆
#403 [can]
仕事は楽しいけど
やっぱり疲れる。
今月は忙しいから
連勤が続く。
司に癒してもらい
剛に暇を潰してもらい
晃にドキドキ感をもらい
内藤に金をもらい
仕事に充実感をもらう。
:07/02/21 11:23 :SH901iC :☆☆☆
#404 [can]
どれか一つでも
欠けちゃうと
きっと私はダメになる。
人並みの人生じゃない
って事はわかってる。
だけど
自分が納得できてるから
それでいいんだよね。
:07/02/21 11:27 :SH901iC :☆☆☆
#405 [can]
―――
そんなある日
店が臨時休業になり
休みをもらった。
久しぶりに遊べる!
…だけど誰を誘う?
司?剛?晃?内藤?
悩めば悩むほど
どうでもよくなる。
結局、亜由美と
遊ぶ事にした。
:07/02/21 11:30 :SH901iC :☆☆☆
#406 [can]
化粧して服を着て髪を飾り
私達は出掛けた。
たくさん笑って
たくさん驚いて
たくさん歩いた。
夜もふけ寮に帰った。
充実した一日は
あっという間に
終わろうとしていた。
:07/02/21 11:33 :SH901iC :☆☆☆
#407 [can]
…お風呂行こっかな。
そう思った時
電話が鳴った。
画面には【剛】。
莉奈『もしもし』
剛『莉奈〜今平気?』
莉奈『うん。どしたの?』
剛『今から会おう』
莉奈『今から?』
:07/02/21 11:36 :SH901iC :☆☆☆
#408 [もゆ]
:07/02/21 11:50 :SH902iS :☆☆☆
#409 []
:07/02/21 11:53 :D902iS :☆☆☆
#410 [can]
:07/02/21 15:53 :SH901iC :☆☆☆
#411 [can]
剛『…すっげー
会いたいんだけど』
いつもと様子が違う。
莉奈『…少しだけなら。
明日も仕事なの』
剛『わかった…』
莉奈『どこに
行けばいいの?』
剛『今からコンビニに来て』
莉奈『わかった』
:07/02/21 15:54 :SH901iC :☆☆☆
#412 [can]
電話を切って
コンビニに急いだ。
コンビニが見えて来た。
駐車場には
車が一台止まっていた。
剛に電話をかける。
剛『はい』
莉奈『あの黒い車?』
剛『うん。今どこ?』
莉奈『後ろ』
:07/02/21 15:56 :SH901iC :☆☆☆
#413 [can]
すると
電話が切れて
運転席のドアが開き、
剛が降りて来た。
莉奈『剛!こっち』
剛は振り返り
私に気付いて手を振った。
私は小走りで駆け寄った。
剛『ごめんな…
急に呼び出しちゃって』
:07/02/21 15:58 :SH901iC :☆☆☆
#414 [can]
莉奈『…どうしたの?』
剛『とりあえず
車に乗ってよ。
中で話そう』
莉奈『え…うん』
剛『クスッ…何もしないから
大丈夫だよ』
鼻で笑った剛の笑顔には
安心させられた。
だから助手席に
乗り込んだ。
:07/02/21 16:00 :SH901iC :☆☆☆
#415 [can]
バタンッ―――
車の中は
静かな洋楽が流れていた。
莉奈『いい曲だね』
剛『だろ?こっち派だから
トランスとかマジ苦手』
莉奈『うん。わかる…』
剛『この曲の歌詞
和訳すると
悲しい子供の歌らしい』
:07/02/21 16:03 :SH901iC :☆☆☆
#416 [ゆうき]
こんにちは。
:07/02/21 16:04 :W41SA :☆☆☆
#417 [can]
そう言った剛の顔は
泣きそうな顔だった。
莉奈『悲しい子供?』
剛『親の愛ってものを
知らない子供が
やがて大きくなり
恋人に、
人を愛するって事を
初めて教えてもらった
って言う歌なんだよ』
莉奈『…』
:07/02/21 16:08 :SH901iC :☆☆☆
#418 [can]
:07/02/21 16:09 :SH901iC :☆☆☆
#419 [ゆうき]
きゃんすごいなあ
:07/02/21 16:10 :W41SA :☆☆☆
#420 [can]
剛『莉奈も
そうなれるといいな』
莉奈『…え?』
剛『ごめん。
俺さぁ初めて会った日から
莉奈の事知ってたんだ』
莉奈『…どういう事?』
剛の顔が見れない。
何で知ってるの?
心臓が早く波打つ。
:07/02/21 16:11 :SH901iC :☆☆☆
#421 [can]
:07/02/21 16:12 :SH901iC :☆☆☆
#422 [ゆうき]
きゃんさんなんさい?
:07/02/21 16:13 :W41SA :☆☆☆
#423 [can]
剛『俺の事覚えてない?』
莉奈『…え?』
剛『俺の顔よく見て』
剛は私の腕を掴んで
自分を見せようとした。
だけど…
見れない。
怖い。
心臓が痛い。
私は俯いたまま
過去をたどった。
:07/02/21 16:14 :SH901iC :☆☆☆
#424 [can]
:07/02/21 16:15 :SH901iC :☆☆☆
#425 [ゆうき]
きゃんさんとメールしたい
:07/02/21 16:16 :W41SA :☆☆☆
#426 [can]
剛『莉奈…
何で見てくんないの?』
莉奈『…怖い』
剛『…そっか。
じゃあ言葉で言うわ』
莉奈『…』
剛『耕太…って
覚えてるよな?』
あれだけ恐かったのに
その言葉で私は
顔をあげて剛を見た。
:07/02/21 16:19 :SH901iC :☆☆☆
#427 [can]
:07/02/21 16:19 :SH901iC :☆☆☆
#428 [can]
莉奈『…耕ちゃん?』
剛『そう。俺さぁ
耕太と同じクラスで
しかも莉奈と同じ施設』
莉奈『嘘…』
自分でも心臓が
尋常じゃない早さで
動いてるのがわかる。
だけど体が動かない。
驚きすぎると
固まっちゃうって
本当なんだね。
:07/02/21 16:23 :SH901iC :☆☆☆
#429 [can]
剛『驚きすぎ』
少し微笑んで
剛が頭を撫でた。
莉奈『…もしかして
つー君?』
剛『思い出してくれた?
…りーちゃん』
何でかな?
涙が出てきたよ。
:07/02/21 16:25 :SH901iC :☆☆☆
#430 [can]
剛『耕ちゃん耕ちゃん
って毎日俺に
ぼやいてたよね』
莉奈『…うん』
剛『そのたびに
俺は莉奈の頭撫でて
慰めてあげたよね』
莉奈『…うん』
剛『思い出してくれた?』
莉奈『うん!
忘れててごめん』
:07/02/21 16:27 :SH901iC :☆☆☆
#431 [can]
剛『別にいいよ。
思い出してくれたんなら』
剛は笑ってくれた。
莉奈『つー君…
整形した?』
剛『バカ!痩せたの!』
莉奈『だからか…
昔は丸かったのに』
剛『うっさいよ』
:07/02/21 16:29 :SH901iC :☆☆☆
#432 [can]
二人は笑い合った。
剛『ほら!泣くな!
化粧落ちますよ〜』
莉奈『だって…
ビックリしたのと
嬉しいので
混乱しちゃって…』
剛『…そっかそっか』
剛は自分の服の袖で
私の涙を拭いてくれた。
:07/02/21 16:34 :SH901iC :☆☆☆
#433 [can]
剛『莉奈は
相変わらずガリガリだな』
莉奈『つー君こそ…
昔はプニプニだったのに』
剛『それは
禁句ワードだよ』
莉奈『アハハッ』
昔みたいに笑える。
つー君の笑顔は安心する。
:07/02/21 16:37 :SH901iC :☆☆☆
#434 [can]
―――
莉奈が施設に入った時
剛はもう施設にいた。
莉奈は剛になついて
毎日一緒だった。
施設の園長先生は
兄妹みたいねって
いつも言ってくれた。
私が施設を出る時
剛は泣いてくれた。
:07/02/21 16:39 :SH901iC :☆☆☆
#435 [can]
中3だった剛。
私のために泣いてくれた。
そして
中学が一緒だと気付いた時
私は昔のように
剛に頼りっぱなしで
中学生活を送った。
剛に耕太の事を相談して
よく連絡は取っていた。
:07/02/21 16:42 :SH901iC :☆☆☆
#436 [can]
だけど
卒業してからは
連絡が取れなくて…
そして今
ようやく再び巡り逢えた。
生き別れたお兄ちゃん
とでも言っても
過言ではないくらい
私は嬉しかった。
痩せてかっこよくなった
つー君。
:07/02/21 16:43 :SH901iC :☆☆☆
#437 [can]
安心感で
いっぱいだよ。
莉奈『でもどうして
私を騙してたの?
つー君なら最初に
言ってくれればいいのに』
剛『それはただ
りーちゃんを試しただけ』
莉奈『もう!
それとその呼び方
恥ずかしいです』
:07/02/21 16:45 :SH901iC :☆☆☆
#438 [can]
剛『それを言うなら
つー君も恥ずかしい』
莉奈『つー君は
つー君じゃん』
剛『まぁいっか』
莉奈『うん!
てか…何で急に
暴露してくれる気に
なったの?』
:07/02/21 16:47 :SH901iC :☆☆☆
#439 [can]
剛『もぉ隠すのが
嫌になったから…
全部言おうと思って』
莉奈『そっか…
ありがとね。
何かすごく安心したし
会えてよかった!
すごい嬉しい!』
剛『俺も嬉しい。
…でもまだ全部
言ってないんだ』
:07/02/21 16:49 :SH901iC :☆☆☆
#440 [can]
莉奈『何?』
剛『莉奈の事
好きになっちゃった』
莉奈『…え』
剛『妹みたいだから
好きとかじゃなくて
女として好き』
莉奈『…え?…っと』
また混乱してきた。
頭が付いていかないよ。
:07/02/21 16:54 :SH901iC :☆☆☆
#441 [can]
剛の顔が近づいてきた。
私…つー君とキスするの?
…嫌だ。
莉奈『いや!』
そう言って
首を横に向けた。
剛『冗談だよ…ごめん』
頭をポンポンって
撫でてくれた。
:07/02/21 16:58 :SH901iC :☆☆☆
#442 [can]
莉奈『つー君が
私を好きだなんて
信じられないよ』
剛『俺も信じらんない。
いつの間にか
好きになってた』
莉奈『私はつー君の事
男としては見れない』
剛『…そっか』
莉奈『ごめんね』
:07/02/21 17:00 :SH901iC :☆☆☆
#443 [can]
剛『ん…でも俺は
諦めないから。
考え変わったら
いつでも連絡して』
莉奈『…うん。
じゃあ帰るね』
ドアを開けようとしたら
剛が私の髪の毛に
キスをした。
莉奈『つー君…』
:07/02/21 17:01 :SH901iC :☆☆☆
#444 [can]
剛の姿を見ると
切なくなった。
愛おしそうに
私の髪の毛にキスをする。
髪の毛から唇を離し
小さい声で呟いた。
剛『まじで好きだから…
また連絡してね』
私は頷いて車を出た。
:07/02/21 17:03 :SH901iC :☆☆☆
#445 [can]
―――
神様。
あなたは本当に
いるのであれば
私はあなたを恨みます。
タイミングが
悪すぎます。
私を苦しめないで。
:07/02/21 17:05 :SH901iC :☆☆☆
#446 [can]
―――
剛に告白された次の日
晃にも告白された。
…もう疲れた。
一気に皆が私を
好きになってくれた。
嬉しいけど辛いの。
皆失いたくない。
皆大切な人だから。
:07/02/21 17:07 :SH901iC :☆☆☆
#447 [can]
夏美『莉奈を
幸せにしてくれる人を
選びなよ』
莉奈『うん』
亜由美『耕ちゃんの時
みたいな気持ちには
誰にもならないの?』
莉奈『…わかんない』
女三人の緊急会議。
二人共
親身になってくれる。
:07/02/21 17:10 :SH901iC :☆☆☆
#448 [can]
ボーイ『莉奈さーん。
お願いしまーす』
莉奈『…はい』
もっと二人に
たくさん相談したいのに
仕事は待ってくれない。
私は楽屋に向かった。
司『お疲れ様です!』
何も知らない司は
いつもの笑顔で
接してくれる。
:07/02/21 17:13 :SH901iC :☆☆☆
#449 [can]
司に案内されて
楽屋に向かう。
司『それじゃ
また後で迎えに来ます』
…この笑顔に
いつも癒される。
莉奈『待って。
楽屋入ってって』
司『え?』
不思議そうな顔をした司を
私は無理矢理連れ込んだ。
:07/02/21 17:14 :SH901iC :☆☆☆
#450 [我輩は匿名である]
:07/02/21 21:53 :N902i :☆☆☆
#451 [can]
:07/02/21 22:51 :SH901iC :☆☆☆
#452 [can]
司『それじゃあ…
失礼します』
莉奈『うん』
司がペコペコしながら
楽屋に入って来た。
司『あの…
どうかしたんですか?』
莉奈『司…笑って』
司『え?』
莉奈『笑えってば』
:07/02/21 22:53 :SH901iC :☆☆☆
#453 [can]
さすがの司も
いきなりの言葉に
戸惑っていた。
莉奈『笑わないと
もぉ口聞かない』
司『えぇ!?』
莉奈『…嘘だよ』
司『なんだ…』
単純な司は
嬉しそうに笑ってくれた。
:07/02/21 22:55 :SH901iC :☆☆☆
#454 [can]
…その笑顔。
その汚れを知らない笑顔に
私は癒されるの。
莉奈『司さぁ
今日仕事終わったら暇?』
司『え?…あ、はい』
莉奈『じゃあ
コンビニで待ってて?
話あるんだ』
司『わかりました』
:07/02/21 22:56 :SH901iC :☆☆☆
#455 [can]
戸惑いながらも
微笑む司が好き。
…恋じゃないよ?
でも…
この気持ちが
恋じゃないなら
一体何なんだろう?
司に会えるのが
嬉しい。
仕事だって
いつも以上に頑張れる。
:07/02/21 22:58 :SH901iC :☆☆☆
#456 [can]
―――
莉奈『お待たせ』
司『いえ』
仕事も終わり
私はコンビニに来ていた。
すでに司は
待っていた。
莉奈『今日も原付き?』
司『はい。毎日です』
私服の司を見るのは
2度目。
すごく心がキュッとなる。
:07/02/21 22:59 :SH901iC :☆☆☆
#457 [can]
:07/02/21 23:00 :SH901iC :☆☆☆
#458 []
:07/02/22 02:17 :SH901iC :☆☆☆
#459 []
:07/02/22 02:18 :SH901iC :☆☆☆
#460 []
お疲れ様です
更新楽しみに待ってますね
応援してます(∀`)
:07/02/22 10:09 :D902i :☆☆☆
#461 [can]
:07/02/22 12:22 :SH901iC :☆☆☆
#462 [can]
莉奈『近くの
ファミレスでも
行こっか』
司『はい』
近くと言っても
15分程歩かないと
行けない距離。
司は原付きの
エンジンをかけて
笑顔で言った。
司『後ろ乗って下さい』
:07/02/22 12:24 :SH901iC :☆☆☆
#463 [can]
莉奈『…え?』
司『原付き押して歩くの
って結構キツいんっすよ』
莉奈『そうなんだ…』
司『だから乗って下さい』
莉奈『え…でも』
司『見つかったら
見つかった時の事!』
莉奈『…うん』
:07/02/22 12:25 :SH901iC :☆☆☆
#464 [can]
もし警察に見つかると
もちろん捕まる。
私なんかのせいで
司に迷惑かけたくないのに
司は
笑顔で受け止めてくれる。
原付きの後ろに乗るなんて
何年ぶりだろう…
すごくドキドキする。
:07/02/22 12:27 :SH901iC :☆☆☆
#465 [can]
司『はい』
そう言って
私の頭にヘルメットを乗せた。
莉奈『え?二つあるの?』
司『ないですよ〜
俺なら大丈夫だから』
莉奈『本当に?』
司『はい…じゃあ
ちゃんとつかまってて
下さいね〜
飛ばしますよ〜』
:07/02/22 12:28 :SH901iC :☆☆☆
#466 [can]
そして原付きが
走り出した。
このドキドキ感や
風の冷たさ、
なびく髪の毛。
そして
司の背中の温もり。
何だか…ニヤけちゃうよ。
ブレーキをかけるたびに
司にコツンっとぶつかる。
司は決まって
『落ちないでね』
って言う。
:07/02/22 12:31 :SH901iC :☆☆☆
#467 [can]
15分はあっという間で
すぐに到着した。
もっと遠くの
ファミレスにしたら
よかったな〜…なんて
思ったりもした。
それほど司と居る事が
楽しくて嬉しかった。
:07/02/22 12:32 :SH901iC :☆☆☆
#468 [can]
店員『いらっしゃいませ。
何名様ですか?』
莉奈『二人』
店員『おタバコは?』
司『吸います』
…ん?
店員『それでは
こちらの席どうぞ』
テーブルについて
私は真っ先に
司に問い掛けた。
:07/02/22 12:34 :SH901iC :☆☆☆
#469 [can]
莉奈『司って
タバコ吸うんだね』
司『あ〜はい。
中1からヤバイぐらい
ヘビースモーカーです』
そうやって笑う司…
タバコは似合わないのに。
莉奈『私も中2ぐらいから
吸い出しちゃって…
なかなか辞めれないよね』
:07/02/22 12:35 :SH901iC :☆☆☆
#470 [can]
司『わかります。
俺も何度か辞めようと
したんだけど…』
莉奈『女の子で
タバコってさぁ
…イメージ悪いよね?』
司『まぁ人それぞれ
ですからね。俺は
気にしませんけどね』
:07/02/22 12:38 :SH901iC :☆☆☆
#471 [can]
莉奈『そっか…
あ、何食べる?
私おごるよ』
司『え?いいですよ』
莉奈『私が誘ったんだから
私がおごるのは
当たり前じゃんか』
司『それじゃあ
お言葉に甘えて…
たくさん
頼んでいいですか?』
:07/02/22 12:40 :SH901iC :☆☆☆
#472 [can]
…反則だよ。
そんな無邪気な笑顔は
私に見せちゃだめ。
胸が苦しくなる。
莉奈『もちろん!
食い盛りだもんね』
司『やった〜
ありがとうございます』
幼稚園児みたいに
無邪気に笑う司。
:07/02/22 12:42 :SH901iC :☆☆☆
#473 [can]
店員がオーダーを
取りに来て
司は三品ぐらい
頼んでいた。
司『俺は以上で!
莉奈さんは?』
莉奈『私はグラタンと
アイスティー下さい』
店員『かしこまりました』
:07/02/22 12:44 :SH901iC :☆☆☆
#474 [can]
しばらくして
料理が届く。
司は美味しそうに食べる。
司『それより話って?』
莉奈『あ…うん。
あのね?相談なんだけど』
司『俺でよければ
全部聞きますよ』
私はその言葉に頼って
司に全て話した。
:07/02/22 12:47 :SH901iC :☆☆☆
#475 [can]
亜由美にも
なかなか言えなかった事も
司になら言える。
知らない間に
私は司の事
すごく信頼してたんだ。
司は食べる手を止めて
呆然と聞いていた。
たまに相槌をくれて
真剣な目で
私を見てくれる。
:07/02/22 12:48 :SH901iC :☆☆☆
#476 [can]
莉奈『…どうしたらいいか
自分でもわかんないの。
晃も剛もすごく
私の事理解してくれてて
二人共大事なの』
司『俺だって…
莉奈さんの理解者です』
莉奈『わかってるよ。
だから司に相談
してるの』
:07/02/22 12:50 :SH901iC :☆☆☆
#477 [can]
司『そういう意味じゃ
なくって、
俺も莉奈さんの事
好きですよ』
莉奈『…え?』
司『悩み事増やすようで
悪いけど俺だって
莉奈さんが好きです』
司のそんな顔
見た事ないよ。
:07/02/22 12:51 :SH901iC :☆☆☆
#478 [can]
いつの笑顔とは
また違う魅力がある
真剣な顔。
莉奈『…冗談でしょ?』
司『本気です。
例え莉奈さんが
剛さんか晃さんの
どっちかを選んでも
俺は莉奈さんが
幸せならいいです』
:07/02/22 12:53 :SH901iC :☆☆☆
#479 [can]
そんな事言わないで。
視界がぼんやりと
潤んでいく。
涙が溢れそうだよ。
莉奈『よく考えるから
返事は待ってね』
剛にも晃にも言った言葉。
本当は
考えれば考える程
辛くなるから
あまり考えたくない。
:07/02/22 12:55 :SH901iC :☆☆☆
#480 [.勍]{ナオ}[。∠゚笑[◆Tak1HcGUW6]
頑張ってイ
:07/02/22 12:55 :auTS3A :☆☆☆
#481 [can]
―――
剛の告白
晃の告白
司の告白
どうすればいい?
皆大切。
前みたいに
体だけの関係じゃ
ダメなの?
私はそれで十分
心が満たされたよ?
…どうしていいのか
わかんないよ。
:07/02/22 12:56 :SH901iC :☆☆☆
#482 [can]
:07/02/22 12:57 :SH901iC :☆☆☆
#483 [can]
あなたならどうする?
:07/02/22 13:00 :SH901iC :☆☆☆
#484 [can]
小さい頃から
兄妹のように育って
私の事
1番知ってくれてる人。
私を1番
ドキドキさせてくれて
彼女と別れてまで
私を好きだと
言ってくれる人。
年下だけど
頼りがいがあって
笑顔が素敵で
すごく癒してくれる人。
:07/02/22 13:02 :SH901iC :☆☆☆
#485 [can]
三人が
一つになればいいのに。
:07/02/22 13:03 :SH901iC :☆☆☆
#486 [can]
私はね
【愛】を知らないの。
愛されてるって言う物が
どんなものかわからない。
耕太を好きになった時も
【愛】を知りたくて
人を好きになりたくて
少し
無理矢理だったのかも。
:07/02/22 13:05 :SH901iC :☆☆☆
#487 [can]
誰も傷つけたくない。
私は傷ついてもいい。
亜由美や夏美サン、
晃、剛、そして司。
みんな大事なの。
傷つけたくないの。
だからごめん。
…私の気持ちわかってね?
:07/02/22 13:07 :SH901iC :☆☆☆
#488 [can]
―――
ある朝
莉奈は消えた。
莉奈の部屋は
いつもと変わらない
可愛らしい部屋。
だけど莉奈はいない。
変わりに紙が一枚
机にあっただけ。
:07/02/22 13:09 :SH901iC :☆☆☆
#489 [can]
皆の事
すごく大事だから。
:07/02/22 13:09 :SH901iC :☆☆☆
#490 [can]
たくさんの意味のこもった
その紙は
亜由美が持っている。
亜由美は
裏切られた気持ちより
莉奈の気持ちに
気付いてあげられなかった
気持ちの方が強かった。
:07/02/22 13:11 :SH901iC :☆☆☆
#491 [can]
―――
数年後。
亜由美は裕也と
街にくりだしていた。
付き合う事はない二人。
でも恋人みたいに
仲がよかった。
二人は
交差点で信号待ちを
している時、
同じ信号待ちしていた
一人の男が
電話相手にこう言った。
:07/02/22 13:13 :SH901iC :☆☆☆
#492 [can]
男『おぉ!りな!
最近連絡くれないから
心配だったんだよ〜…
え?そうなの?
じゃあまた飛行機乗って
そっち行くわ』
亜由美『…りな?』
隣にいた亜由美は
その言葉に反応し
男を見た。
:07/02/22 13:15 :SH901iC :☆☆☆
#493 [can]
裕也『亜由美〜
青だぞ。行こう』
亜由美は
男に話し掛けようとしたが
裕也に手を引っ張っられ
男は人込みの中に消えた。
:07/02/22 13:18 :SH901iC :☆☆☆
#494 [can]
そう。
その男は内藤。
電話の相手は…
内藤『今どんな仕事
してんだよ!?』
『ゆっくりと脱いで
じらして脱いで
いやらしく脱ぐ店!
それが私の仕事』
―――END―――
:07/02/22 13:19 :SH901iC :☆☆☆
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