クソガキジジイと少年」
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#434 [ザセツポンジュ]
感動的な時間を過ごす木田家をよそに
鈴木家では戦争が起きていた━。
「このドウテイ野郎!お前まさこの散歩をサボってタダで済むと思っているのか!」
メスだと思い込んでいる我が愛犬が散歩を忘れられてしょぼくれているところをたまたま見てしまったすーさん。
「今日ボクじゃないよ、じぃちゃんだよ。見てみてよカレンダー。」
10秒ほど1m先にあるカレンダーを見つめたすーさん。
「はぁ!?あれはウソだ!日付も西暦も全部ウソで、しいて言うなら去年のカレンダーじゃ!ワシゃ老眼で何も見えんわ!」
:06/09/06 20:26 :W41S :MSsJL6VA
#435 [ザセツポンジュ]
「言ってる事がめちゃくちゃだよ!じぃちゃん!ボクはもううんざりだよ!今日からじぃちゃんの孫を辞退するよ!さようなら!」
腹を立てたジョウは
急な階段を一気にかけあがり部屋に駆け込みバタンと戸を閉めた。
:06/09/06 20:30 :W41S :MSsJL6VA
#436 [ザセツポンジュ]
コトッッ━━
コトッッ━
コトッッ━
地味な物音が長く続いた。
「シュン……シュン…」
老人のすすり泣く声が部屋の戸のすぐそばで聞こえてきた。
ジョウは少し言い過ぎたかなと反省した。
あんな急な階段を仲直りするために一生懸命登ってきた祖父の姿を想像すると少し胸が痛かった。
:06/09/06 20:33 :W41S :MSsJL6VA
#437 [ザセツポンジュ]
ジョウはドアノブに手をかけた。
(ごめんねって謝ってボクがまさこの散歩へ行こう…。)
一方すーさんも鼻水を止めて口を開いた。
「…ジョージ。」
カチャン。
「ボクの名前はジョウジロウです。さようなら。」
鍵をしっかりと閉めたジョウジロウちゃん。
ジョウは孫の名前を間違えた自分ちのじいさんに失望し、こないだイタリア娼婦気分だった時のトミーを思い出したため、ダブルパンチをくらった。
:06/09/06 20:38 :W41S :MSsJL6VA
#438 [ザセツポンジュ]
「名前間違ったくらいでイヂけるんじゃないよ!むしろジョージの方がシャレた名前だろ!せっかく仲直りしようと思ったのに、この気持ちを踏みにじったお前は少年院行きだ!バカヤロウ!ワシはな!今日空ちゃんと言う恋人に会いに行くのだ!そんな老人に気を使う事もできないのか!そんなは絶対《ヤラハタ》だぞ!ヤラハタの意味分かるか!ヤラずにハタチを迎えるヤツの事だ!要はしょうもない童貞野郎の事だ!お前だ!」
:06/09/06 20:44 :W41S :MSsJL6VA
#439 [ザセツポンジュ]
すーさんは息切れをしながら
階段を一段一段ヒョコヒョコと降りて行った。
ジョウのストレスは一気に上昇した。
すーさんから受けるストレスは
14歳の少年にはあまりにもきつすぎるであろう。
しかしジョウはゆっくり深呼吸をし
気持ちを落ち着かせた。
(友達を大切にしよう。友達を大切にしよう。)
:06/09/06 20:48 :W41S :MSsJL6VA
#440 [ザセツポンジュ]
━━━━
タクシーに乗り込んだジジイ二人。
「ところできーさん。うそつき空ちゃんとはどういう意味だ。」
「すーさん。空ちゃんが今までにやったバイト何か覚えているか」
「…マックだろ」
「時給いくらで雇ってもらっていたか覚えているか?」
「え〜…ぃゃ〜…1500円だったか」
「ありえない話だろ。」
「空ちゃんかわいいだろう。当たり前だバカ。ひとつもおかしくないぞ」
:06/09/07 00:21 :W41S :rKVp2pas
#441 [ザセツポンジュ]
きーさんはあきれかえってため息をついた。
「すいません運転手さん。ここで止めてください。」
「ん!?きーさん。どうしたんだ。」
「すーさん。ちょっと1件寄るところがある。降りてくれ」
すーさんは疑いもなくタクシーを降りた。
:06/09/07 00:25 :W41S :rKVp2pas
#442 [ザセツポンジュ]
すーさんが地に両足をつけた瞬間
きーさんはおもいくそドアを閉めた。
「運転手さん。出してください。あのじぃさん頭がちょっと悪いんですよね。さぁ早く早く。あーもぅ、早く。」
きーさんはすーさんを取り残し
一人飲み屋街へと向かった。
:06/09/07 00:29 :W41S :rKVp2pas
#443 [ザセツポンジュ]
━━カランカラン
店のドアを開けると
高級感の漂う
大理石、
ソファ。
グラス
シャンデリア━。
空ちゃんのいる
ちゃんがら屋とは
別世界のお店だ。
「いらっしゃいませ。木田様お待ちしておりました。」
:06/09/07 00:33 :W41S :rKVp2pas
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