クソガキジジイと少年」
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#444 [ザセツポンジュ]
「ママはおられますか今日は。」
「はい。今お呼びします。お席の方ご案内します。」
ほこりひとつない
キレイなソファに
きーさんは座った。
淡い桃色の着物を着た
背筋の真っ直ぐのびた美しい女が向こうの方から歩いてくる
「いらっしゃいませ。」
困ったようにいつも笑うママが
今日も困ったような笑顔できーさんの隣に座った。
:06/09/07 00:39 :W41S :rKVp2pas
#445 [ザセツポンジュ]
「お前、困ってるのか嬉しいのかいつもはっきりしろと言っているだろう。キレイないでたちが台無しだぞ。」
きーさんはニッコリ笑った。
「すみません。」
きーさんの笑顔にホッとした表情を浮かべ
ママはニッコリ笑い
キレイな手で
グラスにアイスを
運び
ブランデーを注いだ。
「トミオがな、生徒会長になったぞ。」
きーさんはタバコをくわえ、ママは素早くそっとマッチをすった。
「ええ!トミオが?あの子大丈夫なんでしょうか…」
きーさんはタバコをふかした。
:06/09/07 00:44 :W41S :rKVp2pas
#446 [ザセツポンジュ]
「服も店員並みにキレイにたためるし、目玉焼きだってうまくできる。塩コショウの加減も抜群だ。ちなみに、チャーハンの元ナシでチャーハンも作れるし、習字も習っていないのに字もキレイだ。」
ママは深くうなずきながらきーさんの話を聞いた。
「全部お父さんのおかげですね。」
「そうだ。ワシが教えた。」
:06/09/07 00:49 :W41S :rKVp2pas
#447 [ザセツポンジュ]
きーさんは得意気な顔でニンマリ笑った。
「ワシが教えた。」
調子に乗りもう一度繰り返した。
きーさんは今までトミーと過ごした日々を思い出した。
「ワシが教えた。」
満面の笑みを浮かべ
また同じセリフを吐きやがった。
「………ありがとうございます。」
ママの声も届いてはいない。
今まさにきーさんは
トミオと過ごした日々の数あるなかの5年前の記憶をたどってニヤニヤニヤニヤしているところだ。
:06/09/07 00:55 :W41S :rKVp2pas
#448 [ザセツポンジュ]
「そうだ。でもそれはワシのおかげではあるが、トミオがいつかあんたが帰ってきた時に誉めてもらえるようにと心の奥底からずっと思っていたから上達したに違いない。」
ママは涙を浮かべた。
でもグッとこらえた。
大好きな我が息子を捨ててまでも
この仕事だけは毎日しているのだから
泣いてはいけない。
:06/09/07 01:02 :W41S :rKVp2pas
#449 [ザセツポンジュ]
━━━
こちらちゃんがら屋。
「空ちゃん空ちゃん、この人だーれだ!」
「すーさん☆」
「正解〜やっぱ空ちゃんはかわいいね〜」
すーさんはただの酔っ払いジジイになっていた。
空ちゃんがウソツキな事なんざどうでもいいのだ。
「第2問〜。この人だーれだぁ」
「すーさぁん!」
「あ〜空ちゃん今日は一段と可愛いねぇ…ヒック…正解でーす。」
3歳児でもあてられる質問で誉められる空ちゃんは幸せものだ。
:06/09/07 01:26 :W41S :rKVp2pas
#450 [ザセツポンジュ]
「第3問目〜このイケてるおにいさんは誰でしょう〜」
「ぁ、きーさん!」
「はぁ!?胸くそ悪いヤツの名前を出すんじゃないよ。ブッブ〜不正解で〜す。そのきーさんてヤツは史上最強の最低最悪な歴史上人物の名前でした〜。……あ?」
すーさんは目を疑った。
前に座る見覚えのある老人を見るやいなや
頭を抱えた。
「すーさん。いやはや。やってるみたいだな。楽しそうに。」
「きーさん。ワシから映るビジョンであんただけが白黒に見えるよ。」
「勝手に殺さないでくれないかさっきから。明日眼科へ付き添ってやってもいいがな。別に。」
:06/09/07 01:33 :W41S :rKVp2pas
#451 [ザセツポンジュ]
きーさんご指名の
きららちゃんが登場した。
「きーさん久しぶりだね。失礼しまぁす。」
「やぁやぁ。先に好きなもの頼みなさい、きららちゃん」
きららちゃんはニッコリ笑い、きーさんのお酒を作る作業に取りかかった。
ふと、きーさんは
マドラーを回すきららちゃんの手を見つめた。
:06/09/07 01:37 :W41S :rKVp2pas
#452 [ザセツポンジュ]
「きららちゃん、最近コケたのかね。どっかて打ったのかね。」
きららちゃんのコブシの下あたりに赤い小さなあざがポツポツとできていた。
火傷でもないし、打ったにしては小さすぎる。
きーさんは疑問を持った。
:06/09/07 01:40 :W41S :rKVp2pas
#453 [ザセツポンジュ]
「あ、これ…は…そうなのちょっと打っちゃって。ヘヘへ。」
きららちゃんが気まずそうに笑った。
きーさんはそれ以上は聞かなかった。
「空ちゃんチュウは?」
「きゃー!すーさん恥ずかしいから二人きりのところで…ね?」
すーさんは目をつぶっているが
空ちゃんは完全に
引いていた。
顔のひきつりなんて尋常じゃない。
:06/09/07 01:45 :W41S :rKVp2pas
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