クソガキジジイと少年」
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#515 [ザセツポンジュ]
ジョウは、頭を机に落として窓の外を見た。
(寒いなぁ、今日は。)
生徒会室で吐く息も白く冷たかった。
まだエノシタさんを好きになる前に、エリアカフェで見かけたエノシタさんのプリクラ―。
それは
《榎下コンビ》
と書かれていて
たいして仲良くもないのに、かわいいエノモトさんの横で、ちっちゃく申し訳なさそうにピースをしていたエノシタさん。
二人は皮肉にも
《榎下》
という読み方の違う二つの漢字に縛られる運命にあった。
:06/09/15 00:21 :W41S :UyYQsWkM
#516 [ザセツポンジュ]
――ガラガラ
ジョウはびっくりして顔を上げた。
「…おはようジョウくん。……どうしたの?」
悲しそうな顔を無理矢理くしゃくしゃにして笑う女の子。
ジョウはベタに目をこすった。
「…おはよう。エノシタさんこそどうしたの?」
エノシタさんはいつも座る席に座った。
「…忘れものしちゃって。」
机の中をウソっぽく探すエノシタさん。
ジョウはエノシタさんに近付いた。
:06/09/15 00:26 :W41S :UyYQsWkM
#517 [ザセツポンジュ]
そしてエノシタさんの隣に座った。
エノシタさんは手を止めた。
「あのねエノシタさんは榎下さんじゃなくてもエノシタさんなんだよ。」
「……ジョウくん。朝だからかもしれないけど全く意味が分からないわ。」
サムく寒い空気だけが二人を包んだ。
:06/09/15 00:29 :W41S :UyYQsWkM
#518 [ザセツポンジュ]
「……エノシタさんが卒業するくらいには意味が分かるよきっと。…ハハ。」
ジョウは苦笑いを浮かべた。
そしてこう続けた。
「エノシタさんは、悲しい時は泣くの?」
「…泣かないかな。我慢しちゃうかも。」
(きーさん。きーさんが昔言っていた言葉を借りるよ。)
「…あのね、泣かないのが強いんじゃないんだよ。泣けない弱さがきっとエノシタさんの中で酒でも飲んだくれて暴れているんだ。」
:06/09/15 00:38 :W41S :UyYQsWkM
#519 [ザセツポンジュ]
「ボクは、そんなことで泣いちゃいけないよなんて言わないよ。我慢して悲しい顔を無理矢理笑った顔に変えるくらいなら汚い顔で子供みたいに泣いてくれた方がいい。」
ジョウは、ポケットに手を突っ込んでストラップを握りしめた。
「ジョウくん優しいね。何を知ってるの?」
エノシタさんは泣かない。
「ボクさ、こないだ福岡に旅行に行ったんだけど、お土産!」
ジョウは眠っていたストラップを叩き起こした。
「わぁ!かわいい!ありがとうジョウくん」
満面の笑みでエノシタさんは笑ってくれた。
:06/09/15 00:43 :W41S :UyYQsWkM
#520 [ザセツポンジュ]
キーンコーンカーンコーン
「ジョウジロウちゃんめ!ちゃんと来てんじゃんかよ!」
トミーは一人ジョウのクツバコに突っ込んだ。
:06/09/15 00:45 :W41S :UyYQsWkM
#521 [ザセツポンジュ]
チャイムが鳴り、ジョウもエノシタさんも教室へ戻った。
「ジョ―ウジロ―ウ!!」
ジョウを見つけ廊下を走るトミー。
そのまんま飛び蹴りをかました。
「イタタタ…」
そして胸ぐらをつかんだ。
「お前何で一言もなしに先に行くんだよ!」
「…早く目が覚めたんだよ、ごめんトミー。」
ジョウは背中を押さえて申し訳なさそうにトミーに謝った。
「何にも言わずに俺を置いて行かないでくれよ。心配するだろ」
:06/09/15 00:53 :W41S :UyYQsWkM
#522 [ザセツポンジュ]
そしてトミーは教室へ入って行った。
ナニモイワズニ
オレヲオイテイカナイデ…
ジョウは我れに返り
トミーを追い掛けた。
「トミー!今日エリアカフェの梅昆布茶一緒に飲もうよ!」
「ん?あぁ。」
トミーはニッコリ笑った。
:06/09/15 00:56 :W41S :UyYQsWkM
#523 [ザセツポンジュ]
(ρ_―)o
……(-_-)zzz。
:06/09/15 01:05 :W41S :UyYQsWkM
#524 [なちゅき]
さっそく更新ぅれしすぎっ(>v<)
主サマ大好きです
:06/09/15 06:17 :N701i :/ejAqkes
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