クソガキジジイと少年」
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#830 [ザセツポンジュ]
『あ!きーさんにカルピス頼まれてたんだった!エノシタさん何飲む?』
夕日が暮れる前に
早くおうちへ帰ろう。
楽しい時間はすぐ過ぎてしまう。
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パパン!パパパパン!パン!
『ハッピバ〜スデイ俺のかわいい彼女のエノモトさ〜んハッピバースデイトゥ〜ユ〜!フ〜〜〜!』
トミーはたった今
このバースデイソングで
無理やり彼女にした
エノモトさんと
クラッカーの音と共に
パーティーを開催していた。
今日はエノモトさんの誕生日でもあるのだ。
『ありがとうトミー!キャ〜かわいい!嬉しい!』
トミーはジョウの兄に作らせた世界でひとつのネックレスを
エノモトさんの首にかけてあげた。
:08/06/06 21:11 :W51CA :H2Pa6if.
#831 [ザセツポンジュ]
『ねぇ、ねぇなんでケーキはいらないの?エノモトさんデブじゃないのに。』
ケーキを買いに行くつもりがかたくなに拒否されてしまった木田トミオ14歳。
『ケーキは一緒に食べたい人がいるの。』
エノモトさんはトミーからもらったネックレスを嬉しそうに手に取って見ていた。
『は!早くも浮気!?だ、誰!!!』
『おねーちゃん。』
トミーはネックレスをずっと眺めているエノモトさんをずっと見ていた。
『かわい〜。かわい〜ね。へへ〜。ってかお前ねぇちゃんいたの?』
彼女になって2分もすればお前呼ばわりする態度のデカさだが、悪い気はしないエノモトさん。
:08/06/06 21:17 :W51CA :H2Pa6if.
#832 [ザセツポンジュ]
『そう、7つ上におねぇちゃんがいるの。めったに帰って来ないけど。』
エノモトさんは
遠い目をした。
『めったに帰って来ないけど、俺にチュウして。』
トミーはエノモトさんのとてつもなく近い距離まで移動した。
チュ。
『うわ!めったに帰って来ないけど、お前!軽々しくチュウとかすんなよ!ヤリマンか!』
そう怒鳴って
トミーはエノモトさんに甘えて抱きついた。
エノモトさんは
照れてそのまま顔を赤らめていた。
:08/06/06 21:57 :W51CA :H2Pa6if.
#833 [ザセツポンジュ]
『めったに帰って来ないけど今日おねーちゃん帰ってくるよきっと。ねー。めったに帰って来ないけどあとでエッチしようねー。』
『やだ。』
『そうだよ!そう!一回は断って欲しいもん俺!』
なにがしたくてなにを理想としているのかは分からない少年だが、15歳になったエノモトさんは自分が思ったよりも速いスピードでトミーに惹かれて行くのであった。
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こないだ
携帯に非通知で
着信があったんだ。
でもどうしようもないから
画面を見つめていたら
また非通知で電話が
鳴り出した。
『はい。』
『…シンイチロウ。元気か?』
『あぁ。なんだ。なんで非通知なの?』
『それが使い方がよく分からなくって。』
:08/06/06 22:05 :W51CA :H2Pa6if.
#834 [ザセツポンジュ]
こういうところ、ジョウジロウとそっくりだなと思った。
『どうしたの?』
『お前さ…クリスマスは何かするのか?』
『特になにもないけど…』
『飯でも食いに行こう。オゴってやるから。』
オレはクリスマスに
会う約束をした。
夕方頃、待ち合わせの
予定。
何を話すのが
いちばんいいだろうか。
あれも言ってやりたい。
これも言ってやりたいけど…
オレ、何かを
作るのは好きだけど
生身の人間と
直接言いたいことを
言い合うのは苦手だな。
だけど今日は
クリスマスだから
今まで言いたかったこと全部、言ってみようか。
もう時間が迫ってる。
:08/06/06 22:16 :W51CA :H2Pa6if.
#835 [ザセツポンジュ]
:08/06/06 22:23 :W51CA :H2Pa6if.
#836 [ザセツポンジュ]
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バイトへ向かう前に
少し早く家を出て
雑貨屋巡りをする女の子。
(なにがいいのかなぁ…もう中学生だもんなぁ)
リンゴ、イチゴ、バナナの小物…
人にプレゼントすることが苦手な人種。
自分が中学生の頃、何を欲しがっていたのかも、思い出せなかった。
(…これにしよう。)
『プレゼント用にしてください。』
可愛らしい写真入れを選んで、リボンのついた小袋を手に持ち、バイト先へ向かった。
懐石料理“廣六”
:08/06/17 22:19 :W51CA :Rv5ry/LU
#837 [ザセツポンジュ]
『悪いねぇ、きららちゃん。クリスマスなのに。昨日から珍しく予約が入って忙しくってな。夕方にはあがっていいからね。』
『いえいえ。かまいませんよ。』
『おや?彼氏と約束があるのかい?』
六さんは、きららちゃんが手に持った小さな紙袋に目をやって微笑んだ。
『違いますよ。今日、妹が誕生日なんです。』
『そうか!きららちゃん妹がいたんだったな!じゃあ今日きららちゃんが帰るまでに、用意しておくから、帰ったらワシの料理をみんなで食べなさい!ね!』
そう言って六さんは嬉しそうに笑った。
(みんなで…食べる…か。)
きららちゃんは
六さんの嬉しそうな笑顔を踏みにじることはできないだろう。
:08/06/17 22:25 :W51CA :Rv5ry/LU
#838 [ザセツポンジュ]
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『ただいまぁ』
『おじゃましまぁす』
きーさんとすーさんは
リビングに入って来た
少年少女を二度見した後
顔を合わせ、目をかっぴらいたまんま
慌てふためいた。
『ど、ど、ど、どどど、どうもどうも!エノ…エノキ…エノキダケ!エノキダケ、ドコモダケ買って来たか!』
すーさんの目は
今だかつてない速さで
泳いでいた。
『え?エノキ岳?』
好きな子を勇気を出して家に呼んだのにも関わらず、オープニングから様子のおかしい老人2人。
鈴木ジョウジロウ14歳、クリスマスの落胆。
:08/06/18 00:01 :W51CA :vSgbzwek
#839 [ザセツポンジュ]
『はじめまして、エノシタと言います。』
エノシタさんがおじぎをしたのも束の間、
きーさんは、ジョウもまだ握った事のないエノシタさんの手を握り
コタツへ案内した。
『はじめまして、エノシタさん。ワシの名前はシゲルです。62歳です。どうぞ、この辺に座って。』
すーさんは慌てて
エノシタさんのために
梅昆布茶を入れてあげようと、不思議な歩き方で台所へ移動。
おもむろに手に取るグラス。
『ちょ、ちょっと!きーさん!目が怖いよ!手も震えてるし!わっ!じーちゃん!じーちゃん、何やってんの!それ洗剤!食器洗うものでしょ!飲めないし!なんで挙動不審なんだよ!なんなの!!?2人してさ!』
:08/06/18 00:13 :W51CA :vSgbzwek
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