クソガキジジイと少年」
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#900 [ザセツポンジュ]
エノシタさんは止まった。
ジョウが次のフレーズを
歌う番だ。
(ひ〜と〜を〜あ〜いしたい、、、、。ボクにも心はあるんだよ。)
『あ、、、。』
ジョウは、足を止めた。
エノシタさんは、笑ってる。
『なんか恥ずかしいね。』
そう言ってエノシタさんは
歩き出した。
『エ、エノシタさん、あのね!』
ジョウの声に
驚いて振り向いた少女は
一瞬にして空気が変わるのが
分かった。
:08/07/06 01:43 :PC :JyF5mtcA
#901 [ザセツポンジュ]
『あの!ボクね!、、、え〜と、、、。』
切り出したのはいいものの
緊張から
困惑するジョウジロウちゃん。
人のいいところを
見つけると言うこと。
人を好きになると
言うこと。
想いを
伝えると言うこと。
『エノシタさんのことね、結構前から好きでした、、、。』
クリスマスの夜に。
:08/07/06 01:44 :PC :JyF5mtcA
#902 [ザセツポンジュ]
:08/07/06 01:46 :PC :JyF5mtcA
#903 [ザセツポンジュ]
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俺、鈴木シンイチロウ。
19歳。
専門学校をすぐやめました。
理由、授業がつまらないから。
って言っても
後ろめたさがあって
屋根裏部屋に
こもってたら
髪の毛はだんだん伸びるし
自己嫌悪にはなるし
無気力になるし
やべぇなぁと思って。
:08/07/07 00:14 :PC :WBqr7ZlI
#904 [ザセツポンジュ]
とりあえず服買う金がないから
服を作った。
そしたら案外上手く行ってさ。
あ、こんなに暇なら
絵を描くのが好きだし
作品つくろう。
だけどそれでも暇だから
アートブックでも読もうと
思って。
飽きたらギターを弾いて
暇をつぶして、、、。
あ、俺
ひとりでいけんじゃん!
って。
:08/07/07 00:15 :PC :WBqr7ZlI
#905 [ザセツポンジュ]
そう思ったすぐ後に
なんか寂しくなって来たんだよ。
オレの生活全て
マスターベーションじゃない?
年の近い奴らは
酒飲んで
ボーリングして
流行の服着て
ランキングばっか気にして
バカバカしいじゃん。
で、オレはひとりでいたいの?
人といたいの?
全然分からない。
むかつく。
自分がむかつくんだよ。
何にもできないし
何にもしないくせして、、、。
:08/07/07 00:16 :PC :WBqr7ZlI
#906 [ザセツポンジュ]
くだらない。
でもそんなくだらないことを
オレは毎日毎日考えてる。
考えながら、いつの間にか眠るんだ。
夢を見た。
地震が来てさ、
家族みんな行き場に困ってる。
オレは迷わず言うんだ。
『オレがなんとかするから、オレについて来て!』
できるわけないだろ。
って、目が覚めて思った。
:08/07/07 00:16 :PC :WBqr7ZlI
#907 [ザセツポンジュ]
すごい汗かいてて
日付を見たら
7月7日だったんだ。
そりゃ暑いはずだよ。夏だもの。
で、そんな七夕にさ。
トミーが遊びに来て
『カフェに行くからお前も来い、オゴってやるから。っていうか髪伸びすぎだぞ、ロン毛。いつのキムラだよ。』
って。
オレは中学生にオゴってもらうのは
さすがに情けないと思ったよ。
『ボクも出すから行こうよ、にーちゃん。』
トミーの後ろにいた
弟のジョウジロウまで
オレに同情してる。
:08/07/07 00:16 :PC :WBqr7ZlI
#908 [ザセツポンジュ]
ホントに恥ずかしくなったよ。
『行かない。』
当然だけど、こう答えたんだ。
そしたらさ二人して言うんだよ。
『今日は短冊にお願い事を書く日だからカフェに行くんだよ。』
“お願い事”って聞いた時に
同時に“希望”って言う
言葉が頭に浮かんだんだ。
だからカフェに行った。
初めて行ったんだ、そのカフェ。
出来たのは知ってたけど
行く機会がなかった。
:08/07/07 00:17 :PC :WBqr7ZlI
#909 [ザセツポンジュ]
“ERIA CAFE”って看板が出てる。
(エリアカフェ?)
まさか綴り間違えてんのかなと
思ったけど、あえてスルーした。
『いらっしゃいませ。』
中に入った時
鳥肌が立った。
かかる音楽も
テーブルもソファも
チェアーもライトも
全て
きどってないのに
存在感があって、
媚びてなくて
生かされてて、、、。
:08/07/07 00:17 :PC :WBqr7ZlI
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