クソガキジジイと少年」
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#130 [ザゼツポンジュ]
                                    ━『ボク小夜子ストロベリー』
ジョウは単純に甘いものが好きだ。
『ちーちゃん、今日もかわいいねぇ。いつから付き合ってもらおうか。』
『フフフ。やーよ、トミーモテるから。』
ちーちゃんは完全にトミーをクソガキとして見ているナイスおねぇさんだ。

⏰:06/06/15 17:10 📱:P701iD 🆔:R3UK8pLI


#131 [ザゼツポンジュ]
『ふん、オレ梅昆布茶。』ちーちゃんは19歳。実はみーちゃんの妹なのだ。
昼の二時でちーちゃんと交代してしまうため、トミー達はみーちゃんの存在は、まだ知らない。
『ってゆうか、誰もいねーじゃんかよ!!痛恨のミスだぜ、オシャレ損だぜ!!……香水ふり損だぜ!!』
『トミー…たまには甘い物食べた方がいいよ。今のお前は生理前の女のようだ。』

⏰:06/06/15 17:16 📱:P701iD 🆔:R3UK8pLI


#132 [ザゼツポンジュ]
毎回、黄色いノートを死に物狂いチェックするトミー。
たまに電話番号が載っているがブスが多い。
『お前さ、女に触った事もないのにいつ機嫌が悪くなるとかよく分かるよな。変態だ、ジョウ。お前は変態だ。』
トミーは、1ページ1ページ真剣にくまなく読み、…しかも毎回だ。プリクラに関してはライト加減でかわいく映っているだけの女ではないかとか、その他もろもろ要チェックしている。

⏰:06/06/15 17:24 📱:P701iD 🆔:R3UK8pLI


#133 [ザゼツポンジュ]
『あぁ、すーさん変態だもんな。』
『トミーが言ってることとあまり変わらないけどな』ジョウも、ノートを覗き込んだ。
『おまたせしました。小夜子ストロベリーです。』
トミーは女の品定めに夢中だったが、ちーちゃんを二度見した。
『ちーちゃんなぜだ。オレの梅昆布茶はなぜこない。』 
ちーちゃんは申し訳なさそうに
『あぁ、ごめんねトミー。きれてたみたいで、今買いに行ってるからもぉちょっと待って。』
『ぅぁーいーょ、いーょ。ちーちゃんかわいいしな。』

⏰:06/06/15 17:32 📱:P701iD 🆔:R3UK8pLI


#134 [ザゼツポンジュ]
トミーはノートに目が行ったまんま離れなくなった。
『あ、ちーちゃん。ところで、どうして小夜子ストロベリーなんだい!!?誰がネーミングしたの!!?』
アメリカンなこのカフェにいかにもニッポンな、小夜子というネーミングに、ジョウは以前から疑問を抱いていた。
『お前、気やすくちーちゃんに話しかけんなよ。オレのだぞ、ちーちゃんは。』『ここのオーナーさんのおばぁちゃんの名前らしいよ。』
ちーちゃんはクソガキの甘い言葉には、フルスルーである。

⏰:06/06/15 17:39 📱:P701iD 🆔:R3UK8pLI


#135 [ザゼツポンジュ]
『あ、そうなの。オーナーさんのが決めてるのか。へぇ。ちーちゃんはオーナーさんに会ったことあるの?』
『たまにここに来るから。イラストを張り替えたりしにくるの。ここのイラストはみんなオーナーが描いてるのよ。』
#7791カフェの中に、ポツポツとだが、存在感のあるイラストが壁に飾られていた。
60年代くらいのアメリカンチックでポップな絵が主にだった。
『イラストもオーナーさんが描いてんのかぁ。』

⏰:06/06/15 17:46 📱:P701iD 🆔:R3UK8pLI


#136 [ザゼツポンジュ]
納得したジョウは甘い甘い小夜子をパクっと一口食べた。
やっとトミーの梅昆布茶がテーブルへやってきた。
フーフーと冷ます時でも、横目でノートを見ていた。そうすると、ハッと何かに気付き二度見した。
『あ!!エノモトさんだ!!!!』
トミーは飛び上がった。
『ちーちゃん!!ちょっと来てよ!!ぃや!!それは横着だ、迎えに行くよ』
トミーはチャラチャラしているようだが、かわいい女には優しい。

⏰:06/06/15 17:54 📱:P701iD 🆔:R3UK8pLI


#137 [ザゼツポンジュ]
どんなに近くてもレディーを迎えに行き、手を引くのだ。
『トミー、あたしおばぁちゃんじゃないんだから大丈夫よなぁに!!?』
『このプリクラ見てくれよ。この子よく来るのか!!?この席に座ってしまっているのか!!?』
『エノシタさんも映ってるね。』
エノシタさんとエノモトさんは“榎下コンビ”と書いて二人でプリクラを撮っていた。
明らかにエノモトさんのかわいさが目立つ一枚のプリクラだった。

⏰:06/06/15 18:00 📱:P701iD 🆔:R3UK8pLI


#138 [ザゼツポンジュ]
『そのブスの話は、っどーでもいいんだよ。漢字は一緒なのにこうも違う。世界とは不公平にできているものだ。…で、ちーちゃん、こっちだぞ、こっちの子よく来るのか!!?』
ちーちゃんはノートを近付けてプリクラをよく見た。
『うーんよくはこないけど、日曜日に来たのは覚えてる。』
『そーか、ちーちゃん。この子が来たらオレに連絡してくれ。学校の用事だが、学校では口にできない重要な話があるんだよ。偶然を装って、ぜひとも登場しようと思う。悪いが、この七夕の席を使わせてもらうよ。』

⏰:06/06/15 18:07 📱:P701iD 🆔:R3UK8pLI


#139 [ザゼツポンジュ]
『メモっといてよオレの番号、はぃゼロキューゼロのぉ…』
 バイト中のちーちゃんが怒られると思い、小声で言うところがこの男のおちゃめなところだ。
 大本命のエノモトさんをダシに、自分の番号を押し売りするのだ。
そうすると、ちーちゃんと、電波コミュニケーションもとれ、あわよくばエノモトさんともお茶が飲めるという、よく言えば一石二鳥だが……

⏰:06/06/15 22:32 📱:P701iD 🆔:R3UK8pLI


#140 [ザゼツポンジュ]
最悪の場合、にとうえるものいっとうを得ず…という事もある。
だが、出席番号3番木田トミオというこの男。
そくざにこの状況を把握し、頭を回すプレイボーイであり、根拠のない自信をいつも胸に抱き、女子を常に観察しているスーパー14歳なのだ。最悪のになる場合までは予想できないというのがたまに傷だが、彼には根拠のない自信がつきまとっているためいたしかたのないことだ。

⏰:06/06/15 22:40 📱:P701iD 🆔:R3UK8pLI


#141 [ザゼツポンジュ]
一応ちーちゃんは伝票にトミーの番号をメモった。
『ところでちーちゃん。この七夕テーブルにも何か意味はあるのかい!!?』
ジョウは、窓際のこのテーブルにだけ、七夕と刻まれていることも気になっていた。
『あのね、オーナーの七つ離れた妹さんの誕生日なんだって。』
『妹さんは7月7日生まれなのか…ん!!?#7791ってのは!!?』
『オーナーの誕生日が9月1日なの。』
『なるほど、誕生日を合わせて#7791と言うんだね。』

⏰:06/06/15 22:45 📱:P701iD 🆔:R3UK8pLI


#142 [ザゼツポンジュ]
トミーは、しつこくエノモトさんのプリクラを眺めていた。
『なぁ、ジョウ。エノモトさんやっぱかわいいよな!!?な!!?』
ちーちゃんがカウンターに戻った事を確認してから、エノモトさんへの興奮をジョウに伝えた。
ジョウは、じっくりと
“榎下コンビ”のプリクラを見つめた。

⏰:06/06/15 22:48 📱:P701iD 🆔:R3UK8pLI


#143 [ザゼツポンジュ]
『……この二人別に仲良くないんじゃないの?だってさ、かたやイケイケで、かたや生徒副会長だよ?一緒にいるとこなんか見た時ないし。このプリクラ、完全にエノシタさんをお引き立て役にしている。仲良くない人を利用してまで自分をかわいいように映しているとしか考えられないよ。エノシタさん明らかに楽しそうじゃないじゃん。……ぅーん。エノシタさんもかわいいと思うけどねぇ』

⏰:06/06/15 22:53 📱:P701iD 🆔:R3UK8pLI


#144 [ザゼツポンジュ]
トミーが集中して見すぎたためかエノモトさんの部分だけが、妙に色褪せて見えるような気がした。
ジョウは一枚のプリクラからいろんなことを分析した。
私の方がブサイクだと、誰もが思っているんだろうなと言わんばかりに申し訳なさそうにピースしているエノシタさんに目が行ったのだ。きっとエノシタさんは榎下コンビと書かれるのも嫌だったのではないだろうか!!?と…

⏰:06/06/15 23:05 📱:P701iD 🆔:R3UK8pLI


#145 [ザゼツポンジュ]
『はぁ!!?お前ホントに男か!!?しかもイケイケとかもはや死語だぞ!!?どれどれよく見せてみろ、ぅーん、ダメだ無理だ絶望的だの三拍子セットだ』
トミーは一瞬見てそう判断した。
『メガネとか外せば、かわいいと思わない!!?』
『ダメだ無理だ絶望的だの三拍子セットだ』
ジョウはもう何も言わず、小夜子を食べた。
自分とトミーが全く正反対の星にいるんだと改めて実感した。

⏰:06/06/15 23:10 📱:P701iD 🆔:R3UK8pLI


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