クソガキジジイと少年」
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#701 [ザセツポンジュ]
ジョウは、トミーの
極度の勘違いにあきれながらも
希望で満ち溢れていた。
(じゃあ、じゃあ、ボクはエノシタさんと、エノシタさんとクリスマスを過ごせるチャンスかもしれないじゃん!いけいけごーごーすーずーき!)
ジョウは、自分にエールを送り
気持ちを入れ替え
歴史の授業を受けた。
:08/04/04 15:00 :PC :1Bn.IsqU
#702 [ザセツポンジュ]
「ねえ、トミー。エノモトさんと、エノモトサンとうまく行けばいいね!」
「、、、。お前何でさっきからエノモトサンのとこだけカタコトになるんだ?」
おおっと危ない。
恋に集会に冬休みにクリスマス。
これから忙しくなる少年2人だった。
:08/04/04 15:40 :PC :1Bn.IsqU
#703 [スかなス]
あげ
:08/04/06 13:57 :W51CA :atC9RIq6
#704 [我輩は匿名である]
あげ〜
:08/04/12 20:21 :F705i :gVWd4Us.
#705 [べあ-]
定期あげ-
:08/04/28 23:15 :W51CA :8wFrJpcE
#706 [ケイネス]
書籍化しないんですかー?
:08/05/03 17:10 :W53H :JFmXJx66
#707 [ザセツポンジュ]
【談】
ザセツポンジュ。
持続性がないのであります。
もうきーさんだのすーさんだのをちまちま書きはじめて
あしかけ
2年ほどになりました。2008年7月7日に完結させます〜
(と、言わないとやらないので言ったからには個人的にやろうと思います。)
“あげ〜”してくれた方々。
たんまに開くと
嬉しくて鼻血が出そうです。
最後の最後には
しょうもないサプライズとともに
完結させますので
7月7日まで
ダラダラとよろしくです。
ありがとうです。
:08/05/03 17:41 :W51CA :NqM0mZf2
#708 [みずき]
主サン大好きです(ω)ノ
期待してます
:08/05/03 22:17 :W44K :z8giIPI2
#709 [ゆちよん]
全部読みました
頑張ってくださいね~
:08/05/05 21:59 :W51S :gldcouak
#710 [ケイネス]
書籍化してくれる人いないかな
でたら買うよ。主のクオリティとセンス良すぎですって!
:08/05/08 23:44 :W53H :GEKeQMHQ
#711 [ザセツポンジュ]
『ブフォ!格別に熱い!まるでみーちゃんのワシに対する想いがココに表れているみたいでならん!』
早朝の#7791カフェで、猫舌なのにも関わらず熱い梅昆布茶を嬉しそうにすするすーさん。
きーさんは
小夜子ストロベリーをほうばりながら
すーさんを軽蔑した。
:08/05/13 23:13 :W51CA :aYBz2q7U
#712 [ザセツポンジュ]
『すーさん。そこまで熱い梅昆布茶を出してこられたみーちゃんは、心底自分の事が嫌いなのではないかと疑うのが一般論だ。すなわちすーさんの脳内は腐っている。近くの病院に行きなさい。』
『フーァッ。フー、フーァッ。』
否定的な意見は聞き入れない主義。
鈴木ひとし、老人。
:08/05/13 23:16 :W51CA :aYBz2q7U
#713 [ザセツポンジュ]
『きーさん。吐きダコのきららちゃんはどうなったんじゃ。もうずっとキャバクラにも行ってないし、なにより空ちゃんがワシを呼んでおる。』
『営業と言う漢字2文字の意味がお分かりかね。まぁいい。きららちゃんの様子見がてら、まず六さんのところへ行ってみよう。すーさん。また夕方に。』
小夜子と甘い一時を過ごしたきーさんは
伝票をすーさんの顔に貼り付けカフェを出た。
『ワシのオゴリ系かよ〜。うぜぇ系?伝票も貼り付ける系?代金払え系?きーさん。ゴールデンエッグスて知ってるか系?あ、あれ?きーさん!みーちゃん!きーさんは!!?』
:08/05/13 23:25 :W51CA :aYBz2q7U
#714 [ザセツポンジュ]
日が暮れだした
茜色の寒空の下
老人2人は
懐石料理“廣六”へと
向かった。
ガラガラガラー。
『いらっしゃいま…』
出迎えた
着物を来た可愛らしい女性は
びっくりした様子で2人を見たまま口に手をやった。
:08/05/13 23:30 :W51CA :aYBz2q7U
#715 [ザセツポンジュ]
『きららちゃん…アンタまさか六さんと性行為に及んだのでは…きーさん、この女危ないぞ、気を付けろ…』
すーさんは難しい表情を浮かべきーさんの後ろに下がった。
きーさんは
きららちゃんを
上から下までじっくりと眺めこう言った。
『きららちゃん。少し、痩せたな。』
『うん!』
きららちゃんは
とても嬉しそうにニッコリ笑った。
:08/05/13 23:33 :W51CA :aYBz2q7U
#716 [ザセツポンジュ]
六さんの店に通ううちに
バランスの良い食事を
こころよくとらせてもらっていることに
気が引けて
週に2、3回程度
中居として働かせてもらうことになったと言うきららちゃん。
ちなみに
六さんと言う老人と
セックスをしてしまうほどアバズレではない。
うそつき空ちゃんと
働くキャバクラには
出勤を減らし
こちらも週3程度で働いている。
精神的なバランスも
徐々にとれだしていた。
『きーさん。私ホントに感謝してます。ありがとう。』
:08/05/13 23:38 :W51CA :aYBz2q7U
#717 [ザセツポンジュ]
きーさんの手を握った
きららちゃんの手の甲から見える
吐きダコの跡が
少し薄くなっていることに、きーさんは安心した。
『きららちゃん。空ちゃんはワシのこと寂しそうに待っているんじゃろ。ワシも会いたいよ。なのにきーさんときたら、何遍誘っても首を縦に振ってくれないんじゃ。きーさんはインポなんじゃ。』
『すーさん。いい加減、死のうとは思わないのかね。この町内のためにも。ちょっと黙っててくれ。』
くすくすと笑うきららちゃんは何かを少しとっぱらったような可愛い笑顔だった。
:08/05/13 23:43 :W51CA :aYBz2q7U
#718 [ザセツポンジュ]
『もう今日は暇だし、アンタもきーさん達とご飯食べなさい。仕事はもういいから。ね。』
六さんの登場に
すーさんはブーイングした。
『六さん!アンタ、きららちゃんをアンタ呼ばわりして何様のつもりかね!変態!ワシですら空ちゃんとチュウもしたことないのに若い娘をなめまわしやがって!』
ゴツン!
『…っつ…。』
きーさんのゲンコツは痛いのだ。
六さんの料理フルコースを食べあさるうちに
日本酒に酔っ払った
すーさんは
ウトウトしだし、大人しくなった。
:08/05/13 23:50 :W51CA :aYBz2q7U
#719 [ザセツポンジュ]
きーさんはタバコに火を付け
一息ついたところで
ゆっくり話だした。
『きららちゃん。本名は何と言うか知らないがそれはどーでもいい。だが…あの…その…手の…事だけども、…体が痩せてキレイになったからと言って解決する問題と言うワケではないのは分かるかい?』
きららちゃんは
手の甲の自分をいじめた赤色の痕跡にそっと手でおおいかぶせ
話し出した。
:08/05/13 23:55 :W51CA :aYBz2q7U
#720 [ザセツポンジュ]
『はい。私ちょっと、勘違いと言うか、過剰に思いすぎていたところがあった…。何かうまく行かない事があると、太っているせいだとか、容姿端麗ならこんな風にはならなかったはずだとか、胃の中に入れたら太ってしまう…出してしまわないと自分は醜いだとか…』
きーさんは
静かな空気の中
フゥっと煙を吐き出した。
『だけど、それよりももっともっと奥の方に、きららちゃんがそうなってしまった原因があるだろう?』
きーさんの
とても柔らかい口調に
きららちゃんは
ほだされていった。
:08/05/14 00:04 :W51CA :FHLTeiMw
#721 [ザセツポンジュ]
『そうね…。それがどうなれば解決とされるのかは分からないけれど、まずは自分を安定させて、それから少しずつ向き合って行けたらなと思うの。』
せめてきららちゃんは
このまま
今、描いているイメージ通りに
進んでいけることを
きーさんは切に願った。
『ピーピーピー。ピピッピピー。空ちゃ〜ん。ワシの空ちゃ〜ん。』
すーさんは顰蹙係。
酔っ払った時は
いつだってこうだ。
:08/05/14 00:08 :W51CA :FHLTeiMw
#722 [ザセツポンジュ]
口の中の
歯ぐきが
ガクガク踊り出して
次は
のどに
次は
心臓に
次は
胃に
次は
心臓に
次は
のどに。
顔を憎み
腕を憎み
胸を憎み
腹を憎み
足を憎み
怖くなって
怖くなって
眠る。
:08/05/14 00:14 :W51CA :FHLTeiMw
#723 [ザセツポンジュ]
チョコレートもポテチも牛丼も
お母さんもお父さんも近所の人も
サンドイッチもハンバーガーもラーメンも
学校も友達も先生も。
アイスもケーキもワッフルも。
妹も妹も妹も…
私の中から出て行って
いらないわ、何もかも
邪魔だわどれもこれも
ずっと比べていればいいわ。
:08/05/14 00:17 :W51CA :FHLTeiMw
#724 [ザセツポンジュ]
どうだっていいもの。
私にはどうだっていいもの。
無くなればいい。
死ねばいい。
私は醜い。
消えてしまえばいい。
どうだっていい。
どうだっていいもの。
全部
どうだっていいもの。
:08/05/14 00:19 :W51CA :FHLTeiMw
#725 [ザセツポンジュ]
ーーーーーーーーー
『おはようございます。木田です。生徒会長です。皆様、ご機嫌はいかが?』
恒例の、全校集会が幕を開けた。
《キャーーーー!!!!トミーーーーー!!!》
何を土地狂ったのか
片田舎の女子中学生の
黄色い声援と言うものは
トミーをつけあがらせる
最大の覚せい剤だ。
:08/05/14 00:23 :W51CA :FHLTeiMw
#726 [我輩は匿名である]
:08/05/14 07:04 :N902i :BcjqSwbk
#727 [我輩は匿名である]
:08/05/14 07:05 :N902i :BcjqSwbk
#728 [空の色]
こんな小説あったんだ…ほんと読めてよかったbb
温かい気持ちになるよ、これからも楽しみに読ませてもらいやす
:08/05/16 21:36 :W43H :mHnGFj8s
#729 [ザセツポンジュ]
『今から全校集会を始めます。きりつ、気をつけ、れい。』
ステージには
新生徒会役員、トミーやジョウを含めた6名。
裏方に、旧生徒会役員、トキムネ氏、エノシタさんを含めた6名。
体育館2階には
父兄にPTAが勢揃い。
そして、1階の窓際に一列、教師達が並ぶ。
ステージに一番近いところに我が校代表する校長が座った。
:08/05/19 01:22 :W51CA :UWzOEldU
#730 [ザセツポンジュ]
女子達の黄色い悲鳴は止まない。
調子に乗りたい気持ちを抑え
トミーはマイクを持ちステージのそでに立った。
『女子達。キャーキャーピーピーうるさいんですけど。シーよ。シー。俺は、今日来ている君達のママやパパにひとりずつ挨拶してまわらないといけない。そしたらどうなる。全員のパパにボコスコにされてしまうよ。…それで余計かっこよくなれるかもしれないけど。』
腹の立つ勘違い発言だが片田舎のため許された。
いつものことだ。
2階からドっとわかせたところでトミーは口に人差し指を立て、会場をしずめた。
:08/05/19 01:33 :W51CA :UWzOEldU
#731 [ザセツポンジュ]
『皆様今日はお集まり頂き有難うございます。今年も、例年通りの議題で行うように校長から言われました。が、しかし、そんなのなんにもおもしろくないので校長の命令は完全無視する。』
小さな話し声が広がりざわつきはじめた。
校長はキョロキョロしてなにやら教頭に耳打ちした。
『議題を発表します。』
トミーは裏方の前生徒会長、トキムネ氏に指示を出した。
『そこのファイルにある1枚目をスクリーンに映し出せ。』
トミーの鋭い目に圧倒され、言われるがままに従った。
何も聞かされることのなかった旧生徒会役員。
トミー率いる新生徒会役員との確執は深かった。
:08/05/19 01:45 :W51CA :UWzOEldU
#732 [ザセツポンジュ(仕事中のためPC)]
《い じ め》
スクリーンいっぱいに
映し出された、たった3文字の言葉。
みんなが議題を飲み込んだのを
確認したトミーは、進行をジョウと交代した。
『はい。ここに出ている文字を見てハッとした人もいると思いますが、この学校にいじめは存在しました。今日来ているお父さんお母さんは、ショックかもしれませんが、娘さん、息子さんが誰かをいじめているかもしれません。』
:08/05/19 16:55 :PC :inGAe7KI
#733 [ザセツポンジュ]
ザワつきのボリュームは
次第にあがって行き、
校長は教頭をステージの上に送り出した。
教頭は校長に言われた通りの
マニュアル的台本を、ジョウの耳元で告げた。
普段は物静かなジョウジロウちゃんも
好きな子を守る
盛大なパーティーの最中、
忠告を聞き入れるわけにはいかない。
ジョウは、教頭の背中を押し
ステージの真ん中へ立たせた。
『今ボクに言った内容を、目の前にいるみんなにも発表してください。』
:08/05/19 17:01 :PC :inGAe7KI
#734 [ザセツポンジュ]
教頭に、マイクを渡した。
『、、、いや、、、あの。』
マイクを持って
突っ立ったまんまの教頭に
生徒からヤジが飛ぶ。
『何言ったんだよ!言えよ!』
『なにやってんだよ、お前コケシか!』
混乱する体育館内と
それ以上に困り果てた、教頭、校長、、、。
教頭はマイクをジョウに渡し、肩に手を置いた。
『やりたいようにやれ。知らないぞ。』
そう言い残し、あまりの恥ずかしさからか
ステージの裏に逃げてしまった。
:08/05/19 17:06 :PC :inGAe7KI
#735 [ザセツポンジュ]
校長がギラリと睨んだ先、
教頭は見えないステージの裏側で
今までにない屈辱を味わい
身震いせざるを得なくなってしまった。
裏方にかまえていた
旧生徒会役員も
この時ばかりは、かける言葉すら無かった。
『教頭が逃げたところで本題に入ります。スクリーンに映し出す資料をみんなで見て行きましょう。あとでみんなにも意見を発表してもらいます。』
:08/05/19 17:16 :PC :inGAe7KI
#736 [ザセツポンジュ]
ジョウはエノシタさんに
資料を渡し、順番に映しすようにお願いした。
エノシタさんは、普段は見せないような
不安な顔でジョウを見つめていた。
何を話せるわけでもなく
ジョウはステージに戻った。
:08/05/23 12:13 :PC :2EGMUVP.
#737 [ザセツポンジュ]
年間、少年少女の自殺が
600件にも達していること、
それを大人達は隠してしまっていること。
いじめをすることによって、
優越感を得る同年代の子達の心理
ネットでの書き込み、中傷が
増え続けている事。
黙って見ている人の立場。
ジョウが説明していくたびに
忠実に資料を映し出して行ったエノシタさん。
ステージの裏でのエノシタさんの様子が
気になって仕方のなかったジョウ、、、。
『暇なんですけど〜。』
ステージで説明するジョウを押しのけ
暇を持て余していた、生徒会長木田トミオが現れた。
トミーの再びの登場に
いちいちザワつく田舎女子。
ジョウはトミーと進行を交代した。
『鈴木くんの資料を見て、だいたい分かったと思いますが、ここで突撃インタビューを開始します。何か意見のある人は手を挙げましょう、、、。もちろん挙がりませんね。では、適当に出席番号を言うので各学年、呼ばれた出席番号の人は立ちましょう。』
新生徒会役員、トミーとジョウをステージに置き
残りの4人がマイクを持ち、体育館に散らばった。
:08/05/23 12:29 :PC :2EGMUVP.
#738 [ザセツポンジュ]
『それでは、出席番号を発表します。男子5番、20番。女子2番18番。今呼ばれた出席番号の人、さっさと起立。』
トミーは、立たされた顔ぶれを眺めた。
そして、質問を開始した。
『1年生、1組の男子5番の子。名前をどうぞ。』
いたって健康そうで、1年生ならではの
ズボンの丈が少し短い男の子だった。
『片岡洋平です。』
名前もいたって当たりさわりなく普通だ。
:08/05/23 14:33 :PC :2EGMUVP.
#739 [ザセツポンジュ]
『片岡君、さっきの資料で、年間600件の自殺が報告されていると言うことだったけども、600件全部がいじめが理由なワケではないと思う。でも死ぬほど嫌になるくらいのことを、片岡君は経験したことがありますか?』
トミーの唐突な質問に
いたって健康そうな片岡君は戸惑っていた。
『、、、ありません。』
『では、塾でもなんでもいい。しんどいな、苦しいなと思ったことはありますか?』
『、、、それは、あります。』
『そこで、そのしんどさをどうまぎらわす事ができましたか?』
『、、、。』
ズボンの丈が少し短い片岡君は
緊張のせいもあり、ガチガチで上のほうを見て考えた。
『僕は、、、。数学が苦手で、よく怒られていて、、、。それが嫌だったけど、友達に打ち明けたら、数学教えてくれるようになって、、、。まだ苦手だけどちょっとは楽になりました。』
:08/05/23 14:59 :PC :2EGMUVP.
#740 [ザセツポンジュ]
『ありがとうございます。座ってください。』
片岡くんはズボンの丈を気にする事もなく
ホっとした表情で着席した。
『同じく1年1組の男子20番。名前から。』
『福井祐樹です。』
ドラえもんで言うスネオポジションとおぼしき
男の子。
『いじめと言うのは、どこからがいじめと呼ぶのかは難しいかもしれませんが、誰かがいじめをしているのを見た事がありますか?』
『まだありません。』
『では、仲の良い友達に、簡単に言うといじめを誘われたらどうしますか?』
『、、、断ると思います。』
『断ると、思います?』
『、、、断ります。』
『今みんなの前で言ったその言葉を忘れないでください。座ってください。』
:08/05/23 15:13 :PC :2EGMUVP.
#741 [ザセツポンジュ]
ジャイアンポジションに
のび太ポジションをいじめようと誘われたら
きっとジャイアン側についてしまうだろう。
そんな自分の性格をなんとなく把握していた福井は
なかば強制的に宣言した言葉を重く受け止めた。
『では1組の2番女子。』
『安達さきです。』
安達さん、トミー軍団の一味である。
ニヤニヤしながらマイクを自らぶんどっていた。
『さきちゃん。無視したり、はみごにしたりと言う経験はありますか?』
『あ、ありません。でもしている人なら見た事があります。』
堂々とした発言に体育館がどよめいた。
:08/05/23 15:26 :PC :2EGMUVP.
#742 [ザセツポンジュ]
『どういう風な形で始まりますか?』
『目立つか暗いかでターゲットが決まるケースが多いです。』
1年1組女子から安達さんにブーイングが起きている。
『1組女子静かにして。まだ質問が残っている。』
1組女子達はふてくされながら口を閉じた。
『さきちゃんは、それに加わった事はないと言いましたが、ではそのされている人や、している人に、何か注意とかはできましたか?』
1組女子は全員安達さんを睨みつけた。
『注意はしたけど、、、聞いてくれませんでした。』
:08/05/23 15:32 :PC :2EGMUVP.
#743 [ザセツポンジュ]
1組女子はこの発言を聞いた途端
言いたいことをガヤガヤと言い始めた。
『トミー先輩の前だからっていい顔すんなし。』
『注意とか言う前にお前もやってんじゃん。』
『お前がむしろ先陣きってはじめてるし。』
安達さんは自分が掘った墓穴を恥じて
泣き出した。
マイクを持ったまま席に座りこんだ。
生徒会役員はマイクだけはと
奪い返した。
:08/05/23 15:38 :PC :2EGMUVP.
#744 [ザセツポンジュ]
『静かに。静かに!1年1組の女子、貴重な意見をどうもありがとう。でも別に褒めているわけではない。これで、先生達も、体育館2階の皆様も、なんとなく今回この議題にした意味が分かったと思います。ただ、1組女子も他のクラスも他の学年も、考えを改めてください。している人だけが悪いのではなく、黙って見ている人も関係しています。そしてこの俺も、えらそうに言える立場ではありません。』
:08/05/23 15:43 :PC :2EGMUVP.
#745 [ザセツポンジュ]
トミーは空気の変わりつつある
体育館の温度を感じ取り、
各学年、各クラスに質問を投げかけていった。
最後、3年3組ー。
『3組女子、2番。』
『石崎、、、みさです。』
石崎さんは、エノモトさんと人気を二分するくらいの
可愛さの目立つ女の子であるが、
どこかトゲトゲしい雰囲気を持っていた。
『石崎さん。クラス内で悪質ないじめが発覚した場合、石崎さんならどうしますか?』
『どう?って言われても、、、。』
『ほっときたいですか?』
『ほっときたいワケじゃないけど、この先もいじめは続いて行くと思います。』
『いじめている人が死ねば、そこでひとつのいじめは終わりますね。それでもまだ続きますか?』
『続きますね。全国全ての学校でのいじめをいちいち終わらすことは不可能だと思います。』
『全国区の話はしていません。身近なあなたのクラスでの話しをしているんです。』
石崎さんの尖った態度に
トミーも強気に出ていた。
この最終地点までやっとこぎつけたのに
今さらひるむワケにはいかなかったのだ。
:08/05/23 15:58 :PC :2EGMUVP.
#746 [ザセツポンジュ]
『石崎さんのクラスで、いじめがあったとします。でも、3年生はあと1学期過ごせば卒業して学校もバラバラですよね。そしたらそのいじめはなかったことになると思いますか?』
『わからないんじゃないんですか?』
『石崎さんは、いじめに対してとても安易な考えと言うことでよろしいでしょうか?』
『そう思いたいならかまいません。逆に、木田くんはどうにかできるんですか?』
:08/05/23 16:03 :PC :2EGMUVP.
#747 [ザセツポンジュ]
この白熱した言葉の交換に
目をいったりきたりさせる
生徒達の心臓は高鳴っていた。
そして石崎さんの投げかけた質問の答えを
トミーにたくし、ステージを真剣に見つめた。
『俺は、人をいじめると言う趣味はない。それは誓う。それにクラスにも恵まれています。俺のクラスには多分いじめはない。でもそれは多分としか言えません。この学校は田舎で、生徒も割りと少ないほうで、いじめなんかなさそうに見えるが、この学校であるまじき行動を目撃したヤツがいる。俺はそれを聞くまで、いじめには無頓着だったから、俺も悪い。』
:08/05/23 16:15 :PC :2EGMUVP.
#748 [ザセツポンジュ]
『だけど、いじめがあるんだったら、見逃すワケにはいかないだろう。俺は、全国のいじめをなくしたいとか、そんな偽善ぶったことは言えないし、できない。自信はない。でも俺はこないだの演説で約束したんだよ。みんなは覚えてないかもしれないけど、俺は自分が言った言葉に責任を持ちたい。この学校の中だけでも、どうにかしたいと思ったから、今日この集会を開いている。』
:08/05/23 16:23 :PC :2EGMUVP.
#749 [ザセツポンジュ]
『石崎さんは、どうにかできるんですか?と質問してきたけど、もちろん俺だけでどうにかすることはできない。それが答えです。他に言いたいことはありますか?石崎さん。』
いつもなら、ダルいだけの集会で
いつもなら、人の話もロクに聞いてなくて
いつもなら、話している人の顔すら見ない生徒達だったが
全員が、右後方にマイクを向けられて立ったままの
石崎さんの顔を、石崎さんの目を見ていた。
石崎さんは自分の目では入りきれないほどの数の
全校生徒の目を見たまま答えた。
『あ、、、、ありません。』
:08/05/23 16:30 :PC :2EGMUVP.
#750 [ザセツポンジュ]
石崎さんは、自分が今までしてきたことを
全て思い出し、そして全校生徒の目を自分が自分に突き刺さったように感じて、席に座った。
『それでは最後です。3組女子、18番』
『、、、。』
『、、、。名前、どうぞ。』
『、、、。』
トミーもジョウジロウも分かっていたのだ。
あまりの衝撃に言葉も出なくなった
この女子の名前を。
『山田さん。山田さんには、最後の質問に答えてもらいたいんですが、答えられますか?』
山田さんは、ただただ首を横に振って
座ってしまった。
山田さんは、石崎さんと毎日毎日
一緒にいる。
二人は仲良し。
どちらかがどちらかに
支配されている。
二人は仲良し。
どちらかが命令して
どちらかが従っている。
二人は仲良し。
:08/05/23 16:44 :PC :2EGMUVP.
★コメント★
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