クソガキジジイと少年」
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#751 [ザセツポンジュ]
トミーが質問をしている最中、
ジョウは体育館のマイクを持って2階に移動していた。

そして、人を探していた。

ポン、ポン。

『ジョウジロウちゃん。』

『ワッ。、、、。きーさん。何やってんの?服、オシャレだね。この日のために用意した、、、え!にいちゃん!来たの!にいちゃんこんな昼間に外に出て大丈夫なわけ?』

『俺をひきこもりみたいに言うなよ、インドア派なだけだ。』

『そ、そう。って言うかまさかウチのじいちゃんまで来てるの?』

『ジョウジロウちゃん。あそこを見てみろ、ほれ。あの遺伝子がジョウジロウちゃんに影響してないかがワシはただ心配じゃよ。』

きーさんが指をさした先の
我が祖父を視界に入れたジョウは愕然とした。

立ち見の若くてキレイな誰かのお母様のケツの下に
地味に座り込んでいる。
気分が悪そうな小芝居まで地味に披露。

ジョウはきーさんの肩で一瞬涙を見せたが
探していたのは
自分ちのじーさん達ではなかったのだ。

⏰:08/05/23 17:00 📱:PC 🆔:2EGMUVP.


#752 [ザセツポンジュ]
くたびれてくたびれて
だけどそれも隠そうとしていて
隠して隠して
化粧をしている。

そんな派手目なお母様をジョウは見つけた。

顔は美人で、若い時は娘と同じくらい
人気だったのかなとジョウか思った。
とても悲しそうな顔をしているお母様。

⏰:08/05/23 17:06 📱:PC 🆔:2EGMUVP.


#753 [ザセツポンジュ]
もう1人は、気の強そうなお母様。

自分の育て方は決して間違ってはいないと
無理に暗示をかかえているような
難しい表情で呆然としている。
こちらは夫婦で娘の行事に参加している様子。

ジョウはこの二人の母親のいる場所を把握して
トミーからのパスを待ちながら
石崎、山田。両者の姿をしっかりと見ていた。

⏰:08/05/23 17:12 📱:PC 🆔:2EGMUVP.


#754 [ザセツポンジュ]
『では、次のコーナーに参ります。生徒のみなさんは、後ろを向いてください。お父様、お母様方の意見を聞いてみましょう。鈴木くが2階にいると思うんですけど。鈴木くん、どこですか?』

『はいは〜い。トミオちゃ〜ん。人気者のトミオちゃ〜んこちら鈴木で〜、、、』

ゴツン。
ゴツン。

『もうやめてよ、じーちゃん!』

孫と隣の家に住む老人からの
ゲンコツをくらったすーさん。

確かに鈴木くんに間違いはないが、
中学生の鈴木くんは、恥ずかしくて倒れそうだった。

⏰:08/05/23 17:21 📱:PC 🆔:2EGMUVP.


#755 [ザセツポンジュ]
体育館中から笑いが起こり
空気が和らいだ。
これもすーさんのおかげと言えよう。

『みなさん、今のは鈴木君のおじいさんなんですが、別に危険人物と言うわけでもないので、この集会が終わった後、袋叩きとかにはしてあげないでください。もう62歳ですしね。中学2年生のほうの鈴木くん。準備はいいですか?』

ジョウはマイクを取り返し
恥ずかしさを隠せないでいた。

『お見苦しいところをお見せしましたが、僕は将来こうなるつもりは1ミクロもありませんのでご理解頂きたい。準備オーケーです。』

クスクスと言う温かめの
笑い声。


『はい、は〜い。静かにしてくださ〜い。ジョウジロウちゃんのじいちゃんの話はまた3学期に学校通信でお伝えします。1,2年生はご期待くださ〜い。』

『もうトミーいいよ、その話。こっちの身にもなってください。一刻も早く進めてください。』

トミーとジョウの
ステージと2階からのやりとりを見て
仲の良さがみんなに充分に伝わったところで
後半戦を開始した。

⏰:08/05/23 17:39 📱:PC 🆔:2EGMUVP.


#756 [ザセツポンジュ]
>>729-755
bbs1.ryne.jp/r.php/novel/357/

⏰:08/05/23 17:50 📱:PC 🆔:2EGMUVP.


#757 [ザセツポンジュ]
『大人の意見も突撃で聞いてみましょう。鈴木くん適当に2階にいるお父様お母様を選んでください。』

ジョウは、まず適当に少し小太りなお母様を選んだ。

『お名前をお願いします。』

マイクを向けられた小太りのお母様は
戸惑ってマイクに口を近づけた。

『小橋です。』

2年3組の方でのザワつきが目立つ。
そしてその中の少し小太りな女子生徒を見て
完全なる親子だなと言う事を、みな把握した。

⏰:08/05/28 13:22 📱:PC 🆔:R.qPL9/.


#758 [ザセツポンジュ]
『それでは質問します。小橋さんが学生の頃に、いじめはあったのでしょうか?』

小太り小橋さんは、
右上を眺め学生時代を思い出していた。
学生時代はもう少しスマートだったのだろうか。
、、、娘を見れば分かることだが。

『はい、私自身フフフこの通り見事な体型は昔から変っていませんので、からかわれたりは、まあ、ありましたね。でもみんな意気揚々としたクラスメイトだったので、陰湿ないじめと言った点での経験はありません。』

2年3組の小橋さんは下を向いてしまった。

⏰:08/05/28 13:40 📱:PC 🆔:R.qPL9/.


#759 [ザセツポンジュ]
トミーは質問を続ける。

『陰湿ないじめが同じクラス内で起こっていたら、小橋さんが今、学生だと想定して、どういう対応をされると思いますか?』

『、、、私事態もう大人ですので、無責任なことはできないと言う意識が当然ながらあります。なので、いじめがあったら全力で止めたいと思うのですが、キレイ事に聞こえるのかもしれませんね。だけど、今日のこの集会で、改めてそうしなければいけないと子供にも教えないと、と考えさせられました。』

小太り小橋さんの発言に2階からステージに向けて拍手が送られた。
2年3組の小橋さんも顔を上げてくれた。

⏰:08/05/28 13:42 📱:PC 🆔:R.qPL9/.


#760 [ザセツポンジュ]
『ありがとうございました。座ってください。ラテンダンスのDVDでもプレゼントしようかと思いましたが、その必要は無いようですね。』

トミーが冗談を言う間、ジョウはキョロキョロと次の相手を探していた。適当が一番困る。

『ジョウジロウ、ワシのところへはくるなよ!行くならきーさんとこにな!』

すーさんは照れたような気持ち悪い顔でジョウをうながした。

『、、、、。』

言われなくともそうするよ。と言う冷めた目つきで
我が祖父を睨んだあと、ターゲットを決めた。

『木田くん、次の質問いいですか?こちらのお父様です。お名前をどうぞ。』

人前では自分の主張を控えてきたと思われる
気の弱そうな風貌のお父様。

⏰:08/05/28 14:16 📱:PC 🆔:R.qPL9/.


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