クソガキジジイと少年」
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#890 [ザセツポンジュ]
そして
きーさんが今も
きっと大事に持っているであろう
よい子ちゃんシールの事を
トミーは思い出しながら
こらえてもこらえきれない
涙を流し、声を押し殺した。
ママがいなくて淋しい時の、我慢した涙の分。
冷凍食品が多くて、ママの作ったご飯が食べたいなーと、泣きたくなった時の分。
みんながママとの出来事を楽しそうに話している時の、悲しい気持ちの分。
その分をひとつずつ
シールに代えていた
小学生の頃の自分。
:08/07/03 15:38 :PC :l1y/MU3Q
#891 [ザセツポンジュ]
“男の子は泣かないのよ。”
と言っていたママの声が
頭を駆け巡った。
ママは、いい匂いのする手で
トミーの頭を撫でた。
自分の息子が
この年にして
いかに純粋かを目の当たりにし、
心を締め付けられると同時に
ホっとしていた。
トミーはいろんな想いを
外に出して、涙をふいた。
“むかつくけど、会いたかったんだ
ママに。”
『。。。ケーキ。。。食べるよ。』
『うん。。。。!』
ママはにっこり笑った。
トミーは鼻水をすすりながら、照れて
まだママの顔を見れないでいた。
:08/07/03 15:39 :PC :l1y/MU3Q
#892 [ザセツポンジュ]
大好きな人に
裏切られたんじゃないかと
疑うこと。
それを受け入れなければ
いけないのかと
疑問を持つこと。
何かを信じて
“待つ”と言うこと。
クリスマスの夜に。
:08/07/03 15:39 :PC :l1y/MU3Q
#893 [ザセツポンジュ]
:08/07/03 15:40 :PC :l1y/MU3Q
#894 [我輩は匿名である]
あげ。
:08/07/05 19:23 :F906i :r0G5r4Ls
#895 [ザセツポンジュ]
きーさんとすーさんは
鈴木家の床暖房にこたつに
日本酒くらって
いい気分。
『おい、きーさん。トミオちゃんは大丈夫かね。』
『大丈夫じゃ。ワシには分かる。シンイチロっちゃんこそ大丈夫かね。』
『ワシは関わっておらん。今日まで知らんかったんじゃ。おそらく六さんとこで飯でも食ったんじゃろ。あいつが自分で決めた事。大丈夫に決まっておる。』
:08/07/06 01:39 :PC :JyF5mtcA
#896 [ザセツポンジュ]
きーさんはついにうとうとしだして
こう言った。
『ありがとうと、、、ごめんなさい。』
すーさんはきーさんを2度見、3度見した。
『いえいえ、どういたしまして。』
目をパチっと開けた
木田家の老人。62歳。
『お前な、ありがとうと言われるような事もしてなけりゃあ、謝られるような事態にも巻き込まれてないだろ、バカか。何がいえいえどういたしましてじゃ、全く。』
:08/07/06 01:39 :PC :JyF5mtcA
#897 [ザセツポンジュ]
『いや、あるぞ。ワシはな、きーさんの企みにはシブシブ付き合っているし、時間も裂いておる。』
この町の
近所迷惑代表と言う事を
忘れて誇らしげな
鈴木家の老人。62歳。
『人はな、ごめんねと言われると許してしまう事もある。その言葉を一言聞きたかっただけなんじゃ。』
『きーさん、すまんな。』
『。。。。許そうと思った事もないわ。』
共に62歳の仕掛け職人は
2人して
コタツで眠りについた。
:08/07/06 01:40 :PC :JyF5mtcA
#898 [ザセツポンジュ]
友達が
いると言う事。
ひとりでもいい。
友達が、ここに
いると言う事。
クリスマスの夜に。
:08/07/06 01:41 :PC :JyF5mtcA
#899 [ザセツポンジュ]
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『真っ赤な〜太陽〜』
『沈む〜さぁばく〜に』
『おおき〜な怪獣が』
『の〜んびり暮らしてたっ。フフフ。』
怪獣のバラードを
変わりばんこに
口ずさみながら
夜道を歩く二人の少年少女。
ジョウは続けた。
『ある朝目〜覚めたら』
『遠〜くで〜キャラバンの』
『鈴の音聞〜こえたよ、お〜もわず叫んだよっ。』
『海が見〜たぁ〜い〜』
『人を〜。』
“人を愛したい、怪獣にも心はあるのさ。”
:08/07/06 01:41 :PC :JyF5mtcA
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