きらきら
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#535 [向日葵]
相変わらず人が多い道を避けて避けてしていた。
友姫「ふぅ…さすが古都……大人気。……ん?」
ふと視線を横にやると、何かが光っていた。
友姫「これ…なんて言うんだっけ……トンボ……玉……?だっけ。」
革生地で輪っかにされているストラップに様々な模様や色が混じっている小さい玉が付いていた。
:07/03/27 00:29
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#536 [向日葵]
友姫「キレイ……。わぁ……欲しいなぁ……。」
『…………。!』
友姫「―――スイマセーン!」
・・・・・・・・・・・・・
私はさっきのお店で買った袋を持って来た道を戻って行った。
『あ、そういえば京セット食べ損ねた……。』
切ないぐらいにお腹がキュルルルと鳴った。
:07/03/27 00:33
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#537 [向日葵]
『抹茶あんみつ……』
後にも先にも思いつくのはデザートのことばかり。
そして
『あの子……まだいるのかなぁ。そうだ。また最初に居たお店に戻って律にメールしてみよう!』
そう思って私は下に向けていた頭を前に向けた。
そして私は驚いたのだ。
数メートル前に、息を切らしてこちらを見ている珊瑚君がいたのだ。
:07/03/27 00:36
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#538 [向日葵]
私は慌てて駆け寄った。珊瑚君もゆっくり走ってくる。
友姫「――!珊瑚君!」
珊瑚「ハァハァ……っどこに行ってたんだ!道に迷ったらどうする!」
友姫「ビクッ!そ、その時は携帯に…………ぁ、ゴメンナサイ……」
「携帯に連絡するよ。」と言いたかったけど、珊瑚君の目に制されて言えなくなった。
珊瑚君はその場にしゃがみこんで大きく息を吐いた。道の脇なので邪魔にはならないだろう。
:07/03/27 00:44
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#539 [向日葵]
『そんなにいっぱい探して、いっぱい心配してくれたのかな……』
不謹慎だけど胸がトクンと音を鳴らした。
私はおずおずと同じようにしゃがみこんで珊瑚君の顔を覗きこんだ。
友姫「ゴメンネ?今から戻ろうと思ってたの…。」
珊瑚「俺も……嫌な思いさせてゴメン。ちゃんと避ければよかった。」
:07/03/27 00:48
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#540 [向日葵]
友姫「あ、ちっ違うの!確かに嫌だったけどそれだけじゃなくて、自分にも嫌気がさしてたの!」
私は手を振って否定した。
珊瑚「自分に……?」
私は話すべきか悩んだ。でも珊瑚君は言葉を待ってるみたいなので話した。
友姫「……ゃ……ヤキモチを妬いたの。それが凄い醜くて嫌で、私最低だと思って…!」
珊瑚「なんで?ヤキモチ妬くなんか普通だろ?」
『……ぁ…。』
:07/03/27 00:53
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#541 [向日葵]
珊瑚「大体ヤキモチなんてもんは汚いもんなんだよ。独占欲の塊みたいなもんなんだから。じゃなきゃ俺は千歳を殴ってなんざいない。」
と言いながら珊瑚君は立った。私もそれにならう。
珊瑚「帰るぞ。みんな待ってる。」
珊瑚君が微笑んで、私はホッとした。そして歩きだした。
友姫「わぷっ!…っと!」
珊瑚「友姫?大丈夫か?」
:07/03/27 00:58
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#542 [向日葵]
友姫「うん平気!……―――ぁ、あの!珊瑚君。」
珊瑚「ん?」
私はニコッと笑って右手を出した。
友姫「手。繋いでください!」
珊瑚君はキョトンとしている。正直自分も恥ずかしくて寒気がしている。でも珊瑚君は笑って手を握った。
珊瑚「今度から嫌な思いさせないから…。」
:07/03/27 01:02
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#543 [向日葵]
私は首をゆっくり横に振った。
友姫「嫌なことがあっても、2人で乗り越えようよ。珊瑚君が私を守ってくれるばっかりじゃ疲れるじゃない。……私にも守らせて?」
珊瑚「……ッハハ!友姫は勇者だな……。」
友姫「そんなの……」
『珊瑚君には負けちゃうよ……。』
:07/03/27 01:06
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#544 [向日葵]
だって、私がピンチの時、いつも助けに来てくれたしゃない。
私達は手を繋ぐ。前みたいに手のひらを握るのではなく、指を絡ませて、離れないように。
:07/03/27 01:08
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