きらきら

――――…
<学校にて>

ピシャァァァァン!!!

律「ゆ――きぃ――!!!(怒)」

ドアを開けると共に怒鳴る律。

友姫「あ、律。おはよー。」

律「おはよー。…じゃぁない!!!アンタ……千歳にメアド教えたでしょ…。」

友姫「…………さぁ？」

律「間ぁ!!何その間ぁぁ!!!」

秋帆「やっだぁ！律。朝からそんな大声！」

友姫「大体なんで私？」

律「修学旅行の時、私達先に帰らして千歳と話してたでしょ！」

友姫「だからって私が理由にならないよ？」

律「薄情なさい？」

これ以上は嘘はつけないなと思い、素直に薄情。

律「はぁ…お願いだから勝手なことはしないでね……？」

友姫「ハァイ。ゴメンネ。」

律は決して頭ごなしには怒らない。そーゆーところが好き。(前の珊瑚君の件は別として……。)

秋帆「千歳君とのメールはどうなの？」

律「別に。メールなんてホントの気持ちわかんないものだし。」

『そっけなく返してそうだなぁ…。』

暁「おいーっす！」

佳苗「おはよー♪」

秋帆･律「おっはよー！」

佳苗ちゃんが来たので、一昨日考えてたことを相談しようと思った。

友姫「あ、佳苗ちゃん。それと秋帆も。放課後時間貰える？」

佳苗「ん？ハイハイ？」

律「何があるの？」

千歳「そーりゃ恋関係っしょー！」

窓からいきなり千歳君が顔を出した。

千歳「律おはよー♪」

律「アンタのせいで寝不足よ。」

千歳「メールぶちればよかったじゃぁん！」

律「ぶちってもアンタが何回も送ってくんでしょうがぁぁぁぁぁ!!」

一同『夫婦漫才…！』

言い合ってるんだけど訳を知らない周りからはラブラブに見えるだろう。

珊瑚「なんの騒ぎ？」

友姫「あ、おはよー！……？眠そうだね。」

珊瑚「あのわけわからない女がメールしてきたんだ。いつの間にかアド見たらしい。」

―――ドクン…

『……え？』

珊瑚「ん？心配すんな。どこにも行かないから。」

友姫「え？……あ、……ウン……。」

珊瑚君。どこにも行かない保証なんてないよ…。
信じてないわけじゃない。

ただ胸騒ぎがして。

例えば、忘れ物ないように荷物を準備したのに落ち着かない様な……。

わかんないの。
どう表現すればいいか。

ゴメンナサイ。珊瑚君。
信じてるよ？
珊瑚君。

…………恐いよ…。

暁「友姫ちゃん？どしたの？顔青いよ？」

友姫「ﾊｯ。ううん。…………なんでもない。」

学校始まりのチャイムが鳴り響く。
私は、私の中で何かが始まる合図にしか聞こえなかった。

―――……

<１時間目>

黒板には自習の文字。
先生が風邪をひいたらしい。

配られたプリントをやる気にはなれず、裏に落書きをしていた。

友姫「はぁ……」

千歳「何書いてんの？」

千歳君がプリントを取った。

友姫「あ！っちょ！」

千歳「……なにこれ……猫？」

秋帆「え？ネズミでしょ？」

律「カバじゃ……。」

この会話を聞いてわかったでしょう。
私は絵が最低最悪に苦手。

友姫「犬なんですけど……。」

一同「………………。」

静かに私を見る３人。

『最悪だ……』

勉強はまぁまぁ出来る方だが、美術の才能は無いに等しい私。
３人はプリントの絵と私を交互に見る。